私は、歴史と寺社詣りが、子どものころから大好きした。なぜ好きになったのかはわかりませんが、好きでたまらないのです。「好き」、というのは強いですね。紆余曲折ありましたが、ありがたいことに、現在はそれがお仕事になりました。そして昔と同じように、仕事でも仕事以外でも、寺社詣りは私の喜びであり、ライフワークになりました。
そんな日々の中、境内に縄文遺跡が発見されている寺社(特に神社)が、かなりあるということに気付きました。偶然にしては多すぎるので、私はその事実に意味があるのではないか……と考えるようになったのです。そして、おこがましいことですが、敬意をこめて「縄文神社」と呼ぶことにしたのです。
そして、そんな考えを念頭に置きながら、改めて参拝し始めたのが、去年の5月。コロナということもあり、車で行ける首都圏に絞って、100社あまりのお社に参拝しました。実はお寺にも参拝しているので、お寺も加えると150カ所ほど巡りましたが、やはり単なる思い付きではなく、意味のある思い付きだった!と確信を持つに至ったのです。
そんなわけで、満を持して新コンセプトサイト「縄文神社.jp」を立ち上げました。本サイトとともにご愛顧のほど、何卒よろしくお願いします!
ありをり日誌/
2021年、新年のご挨拶
あけましておめでとうございます!
2020年はコロナでいろんなことが変わりました。
これまでのやり方では通用しない一年、と言えばそうですが、新しい方法を試すことが許される、そんな一年だったと思います。
私にとっては、これからの人生においてとても意味のある一年でした。編集メインという仕事柄もあり、自分のことは後回しにしてしまう癖があるんですが、2020年ほど自分のために時間を使った一年はありませんでした。自分と向き合い、自分がやりたいことを問い直し、インプットの時間が持てたことは、何よりの幸運でした。
今年は昨年にインプットしたことを、アウトプットする年にしたいと思っています。まずは、4月に自著本を出版することになりました。単独では初めての本なので、ドキドキしてますが、今一生懸命文章を書いてます。そして、尊敬する先生のお仕事をお手伝いして、2冊ほど本を出すべく、動き出しています。
そして編集のお仕事も、今まで以上に心を込めてやらせていただきたいと思っています。今、編集としてお手伝いさせていただいているお仕事は、大好きな先生のお仕事しかありません。3月と9月には、畠山先生ご執筆の大ヒットシリーズ『おけら長屋』16巻と17巻も刊行される予定ですが、これも楽しみでなりません。
フリー編集という、相当に弱い立場でありながら、このように好きな先生の作品だけやらせていただいているということは、奇跡みたいなものです。本当に幸せなことだと、改めて痛感しています。少しでもご恩返ししていきたいです。
今年は、「初心」を大切にしたいと思います。
私は本が大好きでこの仕事をやってます。編集をして、文章書いているのは、面白いことを一人でも多くの人にお伝えしたいと思っているからです。
これが私の初心なんです。その部分を、改めて大切にしていきたい。それを根源として、新しいことにどんどん挑戦していきたいと思っています。
今年も皆様。
本年もご指導ご鞭撻賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
武藤郁子 拝
仏像にもっともっと会いたくなる!『仏像に会う』西山厚著(ウェッジ)
長年お世話になっております西山厚先生が、ついに仏像の本を上梓されました!
奈良博さんで学芸部長として八面六臂のご活躍をされていたころから、お忙しいことは重々承知ながらも、どうか先生の「仏像の本」を作ってください、ファンとして待望しております!と言い続けてまいりました。そんな私にとって、まさに待望の一冊です。
さすがです。さすがとしか言いようがない。
何がさすがかと言うと、本文から少々以下、抜萃させていただきます。
ーー【時代分け】
時代分けは政治史が基準となるので、ここでは厳密に考えなくてもいいと思っている。(中略)まず仏像と出会うことが大切で、それぞれ自由に感じていただけたら、それでいいと思っている。
冒頭で、こういうことを言って下さるわけですよ。このスタンスは、西山先生ならではで、その教えに、私も多分に影響を受けています。学術的な側面はもちろん大切かもしれないけれど、それよりなによりまず「心で仏像と出会う」。その大切さを先生はずっと教えてくださっていますからね。
私自身の体験からしても、仏像との出会いは、理屈ではないと思います。何かぐっとくるものがある、それは、非常にパーソナルな出来事で、人それぞれ違う、大切な体験だと思うのです。仏像との出合いと言うのは、そういうことがあるんですよ、ほんとに。
先生にお話をうかがうと、そのパーソナルな出会いに、より深度が加わります。美術的にどうとか、そういうことだけではなく、その仏像がなぜそこにいるのか、その背景の物語を先生が教えてくださると、途端に奥行きが生まれるのです。
先生の講演会がいつも満員御礼で、多くの方に愛されて止まないのは、先生のお話を聴くことで、そういう体験をしたいとみなさんが思っておられるからだろうと思います。この本は、まさにそういう体験をさせていただける一冊ですね。
拝読していると私自身も大好きな仏像も多く、自分の好みが、先生と重なっていることを静かに喜びつつ、ぜひ私もお目にかかりたいと思う仏像に付箋をしました。
特に絶対会いに行きたいと思ったのは、福井県小浜市の加茂神社の「千手観音」像。小浜市は何度も訪ねていますが、こちらのお像はまだお目にかかったことがありません。
それから、滋賀県・栗東市の金勝寺の軍荼利明王像。金勝寺は一度は行ってみたいと思っているお寺さんですが、なかなか行けていません。やっぱり行かねばですね。
そして、先生の文章を読んでいると、私が大好きな仏像の皆さんにもめちゃくちゃ会いに行きたくなってしまいました。今年は一度も奈良に行けてないしなあ。今はコロナ禍ということもあって、何となく行きづらいですが、本書を読みこんで、十分に準備したいと思います。
ぜひ、仏像大好きな方も、これから仏像に出会いたい方も、お手に取ってみてくださいね!めちゃくちゃお勧めです!!
(むとう)