file.102 川上屋の「栗きんとん」

いちにちいちあんこ

連載の作業でお邪魔していたP社さんの作業スペースに、いつもお世話になっているYさん登場。

「むとうさん、本日のおやつ~」

おおおお!
こ、これは?!
「栗きんとーん!」

「いただいたのでおすそわけ。どうぞどうぞ」

さすがYさん!
中津川の栗きんとん、まさにシーズンに入りましたものね!
中津川は「栗きんとん」発祥の地。
「栗きんとん」は例年、9月から11月ごろまでしかでまわらない贅沢な和栗のお菓子です。

ちょっと検索してみましたら「中津川栗きんとん巡り」なんてサイトも運営されてます。
http://kurikinton.info/
こちらによりますと、中津川で栗きんとんを作る和菓子屋さんは14店。各店のを一個ずつ詰め合わせた「栗きんとん巡り」なんてのもあるんですね、わあ、食べ比べできるんだなあ。

それはともかく、私がいただいたのは川上屋さんの栗きんとんです!

20150923-1

川上屋さんは、創業は幕末、1864(元治元)年。元禄年間創業の「すや」さんに続く老舗です。

20150923-2蒸した栗とお砂糖だけでつくるという、中津川の栗きんとん。栗きんとんというと、甘いお芋のマッシュの中に栗が入ってる タイプのことを思い浮かべてしまいますが、中津川のはちょっと違う。

「秋になれば山栗が実り、収穫した栗をゆでたり焼いたりして食べました。 やがて砂糖が一般の家庭でも使えるようになると、蒸した栗をすり鉢でつぶし、砂糖を混ぜて餅やごはんなどにかけて食べました。また、茶巾で絞ったものが栗きんとんの始まりとされています。 明治の中頃になり、和菓子屋によって「栗きんとん」として商品化されたと伝えられています。」(「栗きんとんめぐり」HPより引用)

…だそうですよ。
栗が豊富に取れる土地ならではのお菓子、と言えますよね。

20150923-3

100パーセント、ほぼ栗!
この贅沢さ!

20150923-5

甘さも最低限に抑えていますよ。
小さいですが、和栗の濃厚な風味がどっしりとして、食べ応えがあります。

まさに、この季節ならではの美味ですね。
ある意味、中津川の栗きんとんこそ「栗あん」の最高峰と言えるかもしれません。
はああ、幸せです♪

最近では、東京の百貨店なんかでも季節限定で出店しているのを見かけたりします。中津川までなかなか行けない、という方も、見かけたら一度食べてみてくださいね~!
ちなみに川上屋さんはネットショップでも買えるみたいですね。

川上屋
https://www.kawakamiya.co.jp/

file.101 とらやの「六甲の風」

いちにちいちあんこ

記念すべき101回目も、これまた100番台を始めるにふさわしい逸品ですよ~!!

つい二週間前にも「大阪限定」のお土産をいただいちゃったY姐さんが、再びいかにも関西だ~!と言う逸品をお土産でくださいました。

20150914-1とらやさんだ~~~!
うっほ~~~~~~!

そしてこの確かな重みは、羊羹ですよ!うほほほ~~~!
あけなくてもわかりますね、とらやさんの高級羊羹!ww

20150914-2あけた途端、思わず笑みがこぼれます。この黄色と黒の縞々は!
阪急・阪神百貨店限定のモノに違いないですよね!阪神ラブ~!なかんじですもの。

20150914-3あけてみてまたびっくり!
中まで完璧な虎色ストライプです。

さっそくサイトを覗いてみますと……ありましたありました!

「”虎が吼えると風が吹き起こる”といわれるように、トラは天下に風雲をおこす英雄にもたとえられる動物。そんな勇猛果敢なトラの姿を黄色と黒色の縦縞で表した特製羊羹「六甲の風」は、阪急阪神百貨店限定の羊羹です。
・ 黒い部分 : あずきを使った通常の羊羹。
・ 黄色部分 : 白小豆を使ったあっさりした羊羹。
※プロ野球公式戦開幕から終了までの期間限定で販売予定。」(HPより引用)

「プロ野球公式戦開幕から終了までの期間限定」っていうのが、またいいですね!

20150914-4切ってみました~♪

こうやって切っても縞々ですよ。
ほんと、美しいですね~~~。
とらやさんのお菓子には、佇まいがありますね。

ちょっと濃い目にお茶を入れて、さあいただきます!

うん!
美味しい!

丁寧に作られた練り羊羹って、こしあんやつぶあんといったいわゆる「あんこ」とはまた違った世界にあるように思うんですね。
凝縮された豆のコクと甘味が、ねっとりと別れがたく結合してる……

この「六甲の風」もそんなお味です。
黄色い部分は贅沢にも「白小豆」という希少なアズキを使っています。白いアズキはとても珍しいですが、味は赤いアズキとそれほど変わらない、と言います。
一般的に「白あん」は「手亡」(白インゲン豆の一種)を使うことが多いですが、さすがとらやさん。

いやあ、贅沢なお味でした。美味しかった~!
これは、阪神ファンでなくとも買うべし!ですね♪

Y姐さん、いつもありがとうございます~!

武藤拝

とらや
https://www.toraya-group.co.jp/

file.100 春日庵の「さつま焼」

いちにちいちあんこ

なんと、全然気づいていなかったのですが、今回がなんと100ファイル目を数えます!
わああ、いろいろ食べてきたなあ、私。

とはいっても、「いちにちいちあんこ」というミッション?は誰に求められるまでもなく、日々実践しておりますが、それで考えますと、100というのはちと少ないと思われますよね?
言い訳してしまいますが、けっこう重なってしまったり、コンビニのあんぱんだったり、と、ご紹介するに及ばない、というものもたくさんいただいてるんですよ~。ほんとに~~。

さて、そんな言い訳はともかく。

計らずとも、そんな記念的な回にご紹介しますのは、奈良市のならまちエリアにある名店、春日庵さんの「さつま焼」です!!

実は先週末、大阪出張に前入りして、奈良に一泊してきました。

久し振りに、薬師寺さんのMさんにご挨拶しよう!と思い、今回は前もってご相談。すると、お目にかかれる、ということになりました!
#Mさん、お忙しいのにすみません~!

そして、贅沢にもMさんの御案内で、現在特別公開されている西塔を拝観させていただき、さらには食堂(じきどう)再建のための、瓦奉納もさせていただいたりしました。
この様子につきましては、また改めまして、ブツタビにてご報告したいと思うのですが…。

Mさん、私のこのサイトもたまに覗いてくださっているとのことで、

「むとうさん、奈良で美味しいあんこってな~んだ」

と満面の笑顔で前振り。
ううう、またなんて難しいお題を!

いつもの十倍くらい、小さい脳みそをフル回転させましたが、ついつい、「たくさんありますけど、有名どころのぶと饅頭とかでしょうか」とお答えしてしまいました。

すると、Mさん。
ふっと微笑まれて、紙袋からとりだされたのが…

春日庵さんの「さつま焼」~~!!

あああ、そうでしたそうでした!
さつま焼もありましたーーーー!!

と思わず叫ぶワタクシ。すみません、いきなりはずしてしまいました~!(涙)

なんと、春日庵さんの御主人とお友達だそうで、私が来ると言うので、わざわざご用意いただいていたとおっしゃるのです。ひやああ、恐縮です!!でもめっちゃうれしいです!!

IMG_2134

さっそく大阪のホテルについてから、いそいそと紙袋からこちらをとりだしました。
夕方の打ち合わせの前に、ちょっとばかりおやつをば…
IMG_2136お包みがまた可愛いですよね~~。
あったかい気持ちになります!
IMG_2138きゃ~~!いっぱい入ってる~~!

いつも私が買うときは、元興寺さん周辺を散策中にいただくので、一個か二個。
そういえば今まで箱で買ったことなかったなあ。

IMG_2140ちょっとライティングは黄色いですね。
なぜなら、ビジネスホテルの小さな机のライトでとってるもので、ね…^^;;
自宅に持ち帰るまで待てなかったんですよねえ。

IMG_2141さて、包みを開きますと、こんな感じです!
実は、「さつま焼」は、「サツマイモをかたどった」和菓子で、お芋は使われていないんです。

北海道産の小豆のこしあんを小麦粉と卵の生地でくるんで、竹串に刺して焼き上げたもの。
断面を見てみますと…

IMG_2142

こんな感じです。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、真ん中に少し穴が開いているのがわかりますでしょうか。これがその串の証、ですね。

そして、こしあんがほくほくとしていて、ホロリと解けます。まるで美味しい薩摩芋のような食感!でも味はものすごく美味しいこしあん!
甘さもしっかりとあり、香ばしい皮と絶妙なコンビネーションです。
明治30年から作り続けてこられたとのことですが、当時、さつま焼はかなりハイカラで贅沢なお菓子だったのではないでしょうか。

打ち合わせ前に、抑え気味に二個、一気食い♪
もっともっと食べられる心もちでしたが、会食もあるし、と思いぐっとこらえました。
ワタシ、大人になったわね。ホント。

Mさん、ご馳走様でした~!
そして、お忙しい中お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
ぜひまた、お目にかかれましたら嬉しいですっ!

春日庵
http://www.kasuga-an.co.jp/