About 武藤 郁子

ありをりある.com編集長、縄文神社.jp主宰。アウトドア系出版社を経て、ありをる企画制作所を設立。編集者・ライターとして活動中。気になる分野は歴史・伝統文化・仏教・神社・いろんな国のいろんな考え方など。好きな食べ物はあんことなす。趣味は三線弾きと剣道。

日本のアウトラインを体感できる画期的な本!『日本地図をなぞって楽しむ 地図なぞり』林雄司著・古橋大地監修(ダイヤモンド社)

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デイリーポータルZ(DPZ)編集長で、webメディアをけん引し続けている林雄司さんが、めちゃくちゃ面白いご本を上梓されました!

「なぞる」をテーマにした本は、ここ数年かなり出版されていますよね。しかしこの本を拝見して、「あ~~~!」となりましたよ。そうか、地図なぞったら絶対面白いんじゃん! ……そう気づかされました。林さんって、ほんと、そういう方ですよねえ。「その角度でみたら、面白くなっちゃううんだ?!」と気づかせてくださる…。

私が林さんの存在を知ったのは、「webやぎの目」でした。HPを個人てやられてる方なんてまだまだいなかった時代のことです。兄(IT関連勤務)が突然やってきて、「めちゃくちゃ面白いから、ブックマークに入れといてやる。必ず見るように」といれてくれました。その時、こんな面白いこと考えて、個人で公開できるんだあ、すごいなあと感動したことを覚えています。才能ってこういうことだよな、と。

そしてその後、DPZでライターをされていた小野法師丸さんのご本の編集を担当させていただいたことをきっかけに、お目にかかる機会をいただきました。密かに、ご縁だなあと思っておりました……。

思い出話が長くなってしまいましたね。しかしどうしてもあのころの感覚を思い出してしまいまして。ついついかみしめてしまいましたね。

さて、それはさておき。

やはり本書は、林さんらしいセレクションが光っていますね!

海岸線、半島、海峡、川、湾、等高線、台風の進路、湖、ダム、名所探訪、教科書的、島、陸路・航路……。
地形好きにはたまらんラインナップです!

上に引用させていただいたのは「海峡」ですが、古代史の本を編集している時に、めちゃくちゃ図版に起こしてるから、「私知ってる!」と思いました(笑)。特に関門海峡は、歴史上ずーっと交通の要衝で海の難所ですから、まあよく出てくる場所なんです。実際なぞってみましたが、めちゃくちゃ綺麗になぞれました。何度も図版起こしした甲斐がありましたね。いやほんと、人生に無駄ナシですよ。

「教科書的」というセクションも面白かった。特に分水嶺、プレートとフォッサマグナをなぞったのがすごい楽しかったです。この辺、自分でもかなりよく使う概念なんですけど、全体像は意外と忘れているんですね。それを確認できた気がしました。

それから、なぞっていて思ったのは、私は右利きなんですけど、横向きの線は「左から右へ」、縦方向の線は「下から上へ」書くと、線をとらえやすいですね。ひと息に書いてみたい私的には、それが一番やりやすかったです。

そんなことを思いつつなぞっていると、すごく心が穏やかになっていきました。
これって、「歩く瞑想」やってる時みたいな感覚です。不思議…。

地形が好きな人はもちろんですが、気分転換をしたい人にも、ぜひおすすめしたいですね!
なぞり時間には、別世界に行けますよ!

個人的には、『縄文神社』という本を上梓してますので、「縄文時代の海岸線」をなぞってみたいな、と思いました。マニアックすぎるかな(笑)。

次の『地図なぞり』は、「歴史地図編」なんて出してくれないかな~。「国と藩境の変化」をなぞる、なんてどうでしょう!? 江戸時代以前は比較的「国」は変わりませんが、江戸時代以降の「藩」の変化はすさまじいですからね!面白いと思うんだけどなあ。マニアックかな…

なんて勝手なこと言ってますけども、ぜひ、皆様にも「なぞって」みていただけたらと思います!

(むとういくこ)

縄文遺跡と神社が重なっている場所:縄文神社の入門書/『縄文神社~首都圏篇~』武藤郁子著(飛鳥新社)

書籍の編集者としてお仕事を初めてはや20年以上‥‥。そんなことからして「編集者である」という自己認識が強い私ですが、6年ほど前から執筆のお仕事もやらせていただくようになりました。

2019年には兄貴分の神仏探偵・本田不二雄氏のお導きで『今を生きるための密教』を共著で刊行させていただくことができ、そしてこのたび、自分の単独著書を出版することができました!!

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ちゃんと上梓できてとてもうれしいのですが、同時に、これまで以上に責任も感じています。本書を出せたことはスタートです。本書に書いたことについて、これからもっと心を込めて掘り下げるべく、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。

ところで、この《縄文神社》。聞いたことないけど、いったい何なの?と、怪訝に思われた人も多いだろうと思います。それもそのはず。この《縄文神社》は、私が勝手に呼び始めた言葉で、「縄文遺跡と、神社が重なっている場所」を指します。

縄文時代は、1万6千年前くらいからいたい1万3千年ほど続いた時代です。それほど昔の時代にも、人々が祈りを捧げていた場所がありました。そして同じ場所に、今も祈りの場所である「神社」がある場合がある、と気づいたんです。それほど長く、祈りの場所であり続けている場所というのは、世界的に見てもとても珍しい、貴重なことだと思い、そんな神社を敬意を込めて《縄文神社》と呼ぶことにしたんです。

縄文文化や歴史、神社を愛する人、関心がある方は、たくさんいらっしゃると思います。そんな皆さんには「縄文神社」という視点で、改めて大好きな縄文と、神社を体験してほしいと思っています。そして同時に、普段はあまり歴史や神社に関心がない、という方にも、本書を手に取っていただき、神社や縄文、ひいては日本の歴史や文化に、興味を持っていただけたらと願っています。

本書について、また《縄文神社》というコンセプトについては、3月からスタートした新サイト「縄文神社.jp」の方で詳しくご紹介しておりますので、そちらの方もぜひのぞいてみてくださいね~!!

(むとう)

天皇と鬼、神の関係から古代史の謎解明に挑む!/『古代史に隠された天皇と鬼の正体』関裕二著(PHP文庫)

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関先生の最新刊が、いよいよ発売になります!!(6/1を予定しておりますのでちょっとフライング)。

ここ数年、『鬼滅の刃』が大ヒットしたりして、「鬼」に注目が集まっているように思います。

しかし、それは今に始まったことではないですよね。

日本人にとって、どの時代でも「鬼」というコンセプトは大人気のテーマであり続けてきました。桃太郎や酒呑童子をはじめ、多くの物語に「鬼」が登場します。それだけ人気のある、いわばキラーコンテンツであり続けているってことですね。

なぜ、私たちは「鬼」に魅かれるんでしょう?

「鬼」は敗者の姿だという説がありますね。判官びいきじゃないですけど、庶民の私たちからしたら、例えば、才能もあって性格も良かったのに、不条理にも命を絶たれたヒーローは、同情と共にある種の理想像を抱くということがあるでしょう。「鬼」の姿には、そんな哀惜のこころが込められていると言われます。

関先生は、そのように物語上の「鬼」だけではなく、古代史上の特別な英雄である日本武尊も「鬼」だ…とおっしゃいます。聖徳太子もそうです。そして蘇我入鹿も長屋王も、泰河勝も……。

そして、改めて「神と鬼と天皇」の関係に注目し、天皇がこれまで継続してきた理由に、ある仮説を示されます。この仮説は実に大胆で、関先生ならではの視点あってこそ。この斬新な説は、古代史ファンはもちろんですが、歴史ファンの皆様も、ぜひ本編をお読みいただけたらと思います。

ぜひお手に取ってみてくださいね~!

(むとう)