file.80 ひいらぎの「たいやき」

いちにちいちあんこ

学生時代の友人と久しぶりに会うために、恵比寿へと足をのばしました。ちょっと早めについて、小腹がすいてしまい、カフェに入ってケーキでも食べちゃおっかな~と思いながら、ふと思い出しました。

恵比寿には「ひいらぎ」さんがあることを!

お店としては新しいですよね。でも、都内の鯛焼きのお店としてではもはや名店の一つと言っていいんじゃないでしょうか。

鯛焼きというと、今は本当にいろんなタイプのものがありますよね。生地自体も、卵の黄身が多めでふっくらとあつめのもの、薄くかりっとしたもの、最近ではさらに発展して真っ白かったり、デニッシュ生地もあります。

中に入れる餡も、粒あんが基本ですが、カスタードクリームとか、食事系のチーズとハムなんてのもあったりする。実に多種多様ですね。

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さて、こちらがひいらぎさん!
恵比寿駅から歩いて5分かからない場所です。今日は並んでないな、よしよし。

こちらのひいらぎさんは、HPで拝見したら、大元は関西のお店なんですね。姫路市にある「遊示堂」さんの支店みたいですね。
anko20141030-2「たいやき」。早速一個購入!

ちょっと焼いているところを覗き見ると、いわゆる一本焼きではなく、複数焼き上げるタイプみたいです。
そしてこちらでは、この「たいやき」一種のみ。こだわりの一本!

anko20141030-3接合部分全体的にがあんこはみ出てますよ~!
すごいなあ。
このはみ出した部分もちょっと香ばしい感じがします。

anko20141030-4早く食べたい!という気持ちを抑えて写真のために真中を割ります!

ご覧のように皮は薄いタイプ、とにかく端から端まであんこの嵐ですから、あんこそのものを堪能する、という感じ。

皮は少し軽めのテイスト、カリッとした食感がいつまでも楽しめます。

表現が正しいかわかりませんが、遠くに炭酸せんべいのテンションが感じられるというか…。よく考えたら、ひいらぎさんの母体の鯛焼きやさんも姫路市だし、同じ兵庫県の出身(?)なので、何か味の方向性としてつながるものがあるのかもしれませんね。

HP拝見しますと、「30分以上かけて焼き上げる」とあります。弱火でじっくり焼き上げていくんだろうなあ。だからこの皮のかりっとした感じがいつまでも保たれるのかもしれません。

そして、粒あん!美味しい~!
甘さは程よいかんじ。豆はふっくらと丁寧に炊かれていて、小豆のいい風味が立っています。そしてちゃんと甘いです。でもこの甘さが、結構な量の餡を最後まで食べさせるための、ギリギリの甘味なんじゃないかとも思います。これ以上甘いと、ちょっとこのあんこの量は多すぎると感じるだろうし、甘さを控えると、今度はもったりと飽きてくるかもしれない。絶妙な塩梅ですね。

こちらの「たいやき」は、手土産にされる方も多いみたいですが、ちょっとわかる気がします。お値段はすごくお手頃だし、丁寧に作られているのがよくわかるお味です。なんといっても、程よい甘さのあんこは、あんこが苦手、という方以外にはまず間違いなく「美味しいね」と言ってもらえるんじゃないでしょうか。

オフィスの女子への差し入れに、本当にお勧めな逸品ですよ~!

ひいらぎ

http://www.taiyakihiiragi.com/

file.79  香住売店の「天狗焼き」

いちにちいちあんこ

友人Sちゃんと高尾に山歩きに行ってきました。

高尾山は、新宿駅から約一時間でいけますし、都内の皆さんはもちろん、最近では外国人観光客の方に大人気の登山スポットですね。

高尾山は、ケーブルカーもありますから、街歩きの延長線的な装備で行くこともできますし、ちゃんと山歩きしたい人にも十分楽しめる、強弱を自由自在にできる、という点もいいところですよね。

また、お寺好き、仏像好きにとってもこちらはたまらないと思います。

なんと言ってもこちらには、現在も修験修行が盛んな薬王院さんがあります。こちらのご本尊は「飯綱大権現(いいづなだいごんげん)」さんです。

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薬王院さんはその名の通り、もともとは薬師如来さんがご本尊さんだったそうですが、14C頃の中興の祖・俊源という人が、修行の末、飯綱大権現さんを感得して以来、ご本尊は飯綱大権現さんとなったとのこと。

飯綱さんは、神仏習合の仏さんで、もともとは長野の飯綱の仏さんですが、修験の中でも強力な呪力を持つ仏さんということで、信仰されました。

そのお姿は、羽があり、鳥のような顔をし、手にはけん索と剣を持った姿で表わされます。そして狐の上に載っているのですが、何も知らない人が見たら「天狗さんだ!」というと思います。でもちょっと違う。不動明王のような、迦楼羅神将のような、ダキニ天のような、あくまでも仏教上のいろんな方々を合体させたようなお姿、といった感じです。

「天狗」さんというのは、この飯綱さんの眷属(おつき、お使い)なんですね。すごくざっくりと言ってしまえば、天狗さんは山伏の格好をしています。

そんなわけで、高尾は、この天狗さんがシンボルです。あらゆるところで、天狗さんの銅像や天狗さんのマークが出てきます。

そんなわけで、ここで、本日のいちあんこでございます!

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はい、出ました~!

天狗さん~!!
(葉っぱのスタイリングはSちゃんがやってくれましたよ)

こちらは、ケーブルカー山上駅のすぐ前の売店・香住売店で販売している、「天狗焼き」。

言うまでもありませんが、そうです。天狗さんの型で焼かれた今川焼のようなお菓子です。でも、いわゆる今川焼とは違うのですよ。
anko20141027-5うふ。

ものすごく可愛いですよね!?

キリッとした眉、ぐっと噛みしぼった嘴。だけどどこまで行っても丸っとしたフォルムで、ちょっとコミカルな感じです。

「う、う、うまひ…!」

写真を撮っている私の横で、早速食べ始めていたSちゃんが、そういって絶句しました。

Sちゃんは、放送系ディレクターで、食材の番組なんかもたくさん手がけている口の肥えたお方。私のようなあんこ大好き、というわけでもないので、私がこれは美味しいから食べたほうがいいんだよう!と何度も何度も言うので、それにつきあって一つ食べてみよか、みたいな感じで、購入してくれてたような…。

「ね?ね? うまかろう~!」

私が得意がってもしょうがないのですが、私、得意顔。

私も、初めてこちらの天狗焼きを食べたとき、かなり驚いたのです。皮が、今川焼とはまたちょっと違って、表面はカリッとして中はふわっとしてます。そして軽い感じなのです。

そして何より…

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あんこが、黒豆のあんこなのです~!!!

大きな黒豆が柔らかくふんわりと炊かれていて、甘さも控えめで黒豆の味がダイレクトにきます。小豆のような濃い味ではなく、もっとあっさりとしてますので、パクパク食べられてしまうのです。軽いテイストのカリフワの皮と相まって何とも言えない絶妙なバランスです。

普段は私よりもゆったりと食事をするSちゃんですが、びっくりするような速さで完食。見事な食べっぷりです。

うふふ。

私は、幸せそうなSちゃんの笑顔を見てすっかり嬉しい気持ちになったのでした。

皆さんもぜひ高尾さんに言ったら食べてみてくださいね!

お土産として持って帰ることもできますが、あのお山の上でいただくのがまたひときわ乙でございますよ。

香住売店
http://www.takaotozan.co.jp/miyage/

file.78 竹風堂の「どら焼山」と「栗強飯(おこわ)」

いちにちいちあんこ

長野は大きな県ですね。

とても古くから文化の繁栄した場所ですし、それぞれ各地に特色のある自然環境があり、そこから生まれた独特な文化があります。長野、松本、佐久、上田、諏訪、伊那、木曾…と思いつく名前を挙げても、それぞれが有名ですよね。

さて、今回私が訪れたのは、長野市と上田市だけでしたが、日程の都合で行きたいけど行けなかった町の一つに「小布施」があります。

小布施といったら何でしょう。

そおです!!

「栗」ですよ~!!

そんなわけで、小布施にはいけないけど、せめて栗のお菓子だけはどこかで食べようと心に決めてました。

すると、上田駅のロータリーすぐ左手のほうに「竹風堂」さんが!!

旅に出る前、FBで、美味しいものを教えてください~ととお願いしたところ、こちらの栗どらをお勧めしていた方がいたので、ピンときました。

早速栗どらやきを買いましょう~~!おお、栗どらやきは〔どら焼き山〕というのですね。
……とはいえ、すでにお昼に刀やさんでおそばをいただいており、もうおなかがはちきれんばかりになっているので、一個だけにしました。

それから、目が釘づけになってしまったのは「栗強飯(おこわ)」です。

一人前を700円弱で食べられる…。

お腹もいっぱいだし、夕ご飯は軽めに、と思っていましたが、夕ご飯はこの「栗強飯」と、コンビニでお味噌汁買って、ホテルで食べたらいいじゃん!と思いつきました。

お店の方に、お散歩して6時にまた買いに来ます、とお願いしました。せっかくですから、アツアツのが食べたいですからねえ。

そして、上田城址公園をぐるぐるしたのちに、また駅前に戻り、アツアツのおこわをゲットしました。

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そして夕ご飯!!竹風堂さんの「栗強飯」です!

anko20140929-8栗強飯、栗がいっぱい入っていますよ~!
そして、ごぼうとウリの奈良漬けもどっさり。

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栗、少しだけ甘く煮つけてあります。でもあくまでもほんのりです。栗の風味のほうが際立つように絶妙な甘さ加減です。美味しい~~!!

おこわのもち米も美味しいです。本当にすこーしだけ塩味があり、栗の甘さを引き立てています。

そして、その甘さを味わった後にかじる奈良漬けの美味しいこと。口の中がキュッと引き締められてまた次の一口へと急いでしまいますよ!

ううむ。

これはすごい。

……ってことはですよ。

この栗をもとに作った栗あんも絶対美味しいですよね!?
私は確信して、にんまり微笑みました(不気味)。

しかし、さすがにお腹いっぱいです。翌日、帰宅してから味わって食べよう、と心に決めました。

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そして帰宅後の写真がこちらです!

「どら焼き山」。
「栗あん」どころか「粒栗あん」ですよ~!
anko20140929-9一日置いてしまったので、ちょっと心配でしたが、ふんわりとした生地、大丈夫そうですね!

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こちらが、栗あんです!

固形の栗の歯ごたえがちゃんとありますよ。贅沢感ますなあ。

お味のほうは、栗本来の風味を生かしたあんこで美味しい!

和栗って、そんなに濃ゆい、ガツンとした感じじゃないですよね。その良さをうまく引き出しているあんこだと思います。栗の風味が自然にほのかに漂います。香料など用いない自然な風味。

アズキのあんこのような癖もないので、あんこ苦手な方でも食べられそうだなあ、と思いました。

次回長野旅では、小布施に行くぞ!と心に固く誓いましたよ。

竹風堂
http://chikufudo.com/