アールデコと原始美術の不思議な調和が気持ちいい。/「マスク展」@東京都庭園美術館

フランス国立博物館の一つ、ケ・ブランリ美術館のコレクション展・「マスク展」をみにいってきました。

庭園美術館は、目黒駅そば。

実は我ながら意外なことに、庭園美術館に行ったのは今回が初めてです。

庭園美術館と言えば、旧朝香宮邸。アールデコ様式建築として、大変高名ですね。特に展覧会がなくても、建物や庭を見るだけでも、十分楽しめます。

フランスの装飾美術家アンリ・ラパンのロマンチックな内装設計、フランスのガラス工芸家・ラリックがデザインした多数のガラスによる装飾は、とにかく繊細で、ステキ空間。建物や大枠の内装は宮内庁の建築家や職人さんたちが作っていますから、そこには非常に控えめながらも和の美意識が感じられ、全体が和とアールデコの絶妙な調和を見せています。

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さて、そんな庭園美術館で、行われているのがこちらの「マスク展」だというのが面白い。

ちなみにこのマスクを収蔵しているケ・ブランリ美術館は、2006年にopenしたばかりの、アフリカ・オセアニアなどの原始美術をメインとした美術館だそう。前回フランスに行ったときに行っておけばよかったなあ、知らなかったですよ。

それにしても、アールデコ様式の瀟洒な内装の中に、原始美術というか、呪術的・異教的な仮面が展示されているというのは、なかなか見たことのないバランスですよね。

アフリカの仮面、ニューギニアの仮面は特に強力なパワーを発散していたように思います。やっぱり「強い」ですよね。ホント。問答無用!って感じがします。

ポスターに使われているのは、アフリカの仮面。どこの国だったかな^^;。アフリカ全土からの出品でしたのでちょっとわからなくなってしまいましたが…。

アフリカ、とひとくくりにしちゃいますけど、あれだけ民俗も文化も多様な大きな大陸ですから。仮面も、隣に置いてあっても例えばマリとコンゴなんて言ったら、アジアで言ったら日本とフィリピン位距離が離れてるんじゃないでしょうか。なので、これだけ多種多様なデザインがあるのも当然と言えば当然です。

それにしても、本当に面白い展覧会ですよ。

アールデコ様式で、あらロマンチックと思って視線をちょっとずらすと、ニューギニアの仮面がどーんとあるんですから。そしてそれが妙に調和しちゃってるんですよ。

取り合わせの妙ですね。本当に。

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さて、そして、展覧会を見た後は、こちらのミュージアムカフェ「カフェ・ド・パレ」でゆったりと。

ミュージアムカフェは、食器はノリタケ、ケーキはアニヴァーサリー、コーヒーは堀口珈琲だそうで、まるで今の東京でお洒落で上質なお店の逸品をそれぞれピックアップして一つの机に並べたような感じです。セレクトショップみたいな感じ。

私が頂いたのは、堀口珈琲のオリジンコーヒーと、季節のシフォンケーキ「柚子とオレンジ」です。シフォンケーキ、一瞬大きいな、と思いますが、シフォンケーキってほとんど空気ですのでね、瞬殺ですよ、瞬殺。

それにしても、良い時間でした。

少し小雨でしたが、風もなかったので、お外の席でいただいたのですが、庭の野花が可憐でね。明治時代のお庭と違って、派手さのないゆったりとどちらかというと地味なお庭です。それが何ともいい。リラックスできます。

マスク展は6月30日までだそうなので、もう一週間しかありませんが、ぜひ足を運んでみてください。

マスク展@東京都庭園美術館(~6/30)
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/150425-0630_mask.html

大好評シリーズ『おけら長屋』第三巻刊行記念!9月15日、東京下町・曳舟にてサイン会を開催します!

お手伝いさせていただいております、『本所おけら長屋』(PHP研究所)シリーズ、待望の第3弾がいよいよ9月10日に発売になります!!

20140821どどーん!

ご本人のお許しをいただきましたので、PHP研究所のN編集長のお写真も大公開!

落語と小説を愛してやまないN編集長。
大変お忙しい方ですが、特に本シリーズ『おけら長屋』への愛情は計り知れないものがあります。

いつでもどこでも、畠山先生が作ってくださった「おけら長屋はっぴ」を持参。営業に余念がありません!!

そしてこうして3冊を並べてみたりして。いやあ、いいですね!!
N編集長も感無量といった面持ちです。

さて、今回のお話も、お待ちいただいてる皆さんにご納得いただけるような、素晴らしい造りになっていると思います。笑いあり、泣きあり。人間っていいよねえ、とほっと一息つけるような……そんな優しくておもろい世界はますます加速してますよ!!

そして、今回は何と、刊行を記念してサイン会を開催いたします~~!!!

「畠山健二先生サイン会」
日時:2014年9月15日(月)15:00~
会場:廣文館イトーヨーカドー曳舟店 
     東京都墨田区京島1-2-1 イトーヨーカドー曳舟店内4F
     TEL:03-3611-4101 (電話予約可)

著者の畠山先生はほんっと~に面白い洒脱なお方!

「一人おけら長屋」みたいな、江戸の粋と洒落を背負い立つすごいお方です。

そして今回会場となります廣文館イトーヨーカドー曳舟店さんは、地名で言うと向島界隈。まさに下町、おけら長屋のサイン会にふさわしいお店です。

まさに「リアルおけらワールド」。ぜひこの機会にご堪能いただけたらと思います。
私も当時は法被を着てお手伝いしますので、是非、遊びに来てくださいまし!!

(詳細はこちらもご覧ください!)
廣文館HP http://www.kobunkan.com/index.html

PHP研究所 http://www.php.co.jp/news/2014/08/hatakeyamakenji.php

仏像好きには見逃せない特別展ずらり!!

先日ご紹介した藝大美術館の「観音の里の祈りと暮らし」展のような特別展が今年は多いような気がします。気のせい?

「阿修羅」展のような、派手さはないかもしれませんが、コンセプチュアルで仏像好きにはたまらない系。通常だとあまりにも交通手段が限られていて、観光客としてはハードル高いとか、一度に何体も観るのは不可能とか、そういう仏像を一挙にみられるような展示がちらほらと開催されます。忘れないようにこちらにもアップしておきますね。

まずはこちら!

「南山城の古寺巡礼」展@京都国立博物館。
20140408-1「南山城」というのは、京都の南、奈良との境界にある地域で、素晴らしい仏像が残っているのはよく知られていますが、足がないとなかなか難しいエリア。

ほんと、出陳物リスト見て、度肝を抜かれました。観たかった仏像勢ぞろいって感じです!また、仏像だけでなく縁起絵巻なども非常に貴重なものが惜しげもなくラインナップされてまして、ほんとすごいですよ~!

そして、そして大阪でも。

「山の神仏」展@大阪市立美術館
こちらも、我々遠方から来る仏像ファンにとっては本当に行きづらいエリアの、吉野、高野、熊野、つまり紀伊山地の仏像を一堂に、という企画。数は京博ほど多くないですけど、貴重ですよね!

ぜひみなさま。チェックしてくださいね!
私は5月最後の週に両方とも観に行こうと思ってます。

【会期】
「南山城の古寺巡礼」展@京都国立博物館 4/22~6/15
「山の神仏」展@大阪市立美術館 4/8~6/1