BE-PAL.NET連載「文化系アウトドアのススメ」まとめ②修験道の原郷「金剛山」

昨年年末からアウトドア雑誌『BE-PAL』さんのwebで始まった連載「文化系アウトドアのススメ」。連載と言っても不定期。しかも3回に分かれていたりするもんで、繋がりがわからなくなっちゃうよという、知り合いの感想があり。テーマごとに、こちらでもまとめをつくっておこうと思い立ちました。

だいたいひと月に一度、テーマが変わるようなペースで執筆してるんですが、最初のテーマは「大和葛城山」、次のテーマは「金剛山」でした。

上の写真は、大和葛城山から望む金剛山!
昨年の11月に訪れた時は、秋の紅葉が始まっていて、そりゃもう美しかったですよ!

金剛山は、関西の皆さんにはめちゃめちゃメジャーなお山だと思いますが、関東在住の人は、あまりご存じないかもしれませんね。私は歴史好きなので「金剛山」はいつも気になる山でしたし、ぜひ一度登ってみたいと思っていました。「登ってみる」なんて言っちゃってますけど、この取材は、思いっきりロープウェイに乗ってますけども……(恥)。

それにしても、あらゆる意味で、本当に魅力的な山でした!!

とにかく歴史が濃い!!
今回は、「修験道」にフォーカスして取材しましたが、あらゆる時代の記憶の蓄積がものすごい場所で、その深遠さに慄き、オロオロして終わった、と言ってもいいかもしれません。ぜひまた訪ねたいです!

そしてこの取材でうれしかったのは、旅の途中に出会った大阪の皆さんに、ものすごくよくしていただいたということです。記事ではご紹介しきれきませんでしたが、宿泊した山荘・香楠荘さんも、素晴らしかったです。

そして、本っ当に!!
お食事美味しかった!
鴨鍋サイコー!
上の写真、これ一人前ですよ。見切れちゃってますが、お蕎麦もついていて、さらに〆の雑炊までありますから、もう……。

さらに、こちらに戻ってきてからも、金剛山の核心というべき転法輪寺のご住職には、お電話やメールで、何度も対応していただきましたが、癒しの連続でした。こういう出会いがあるから、この仕事辞められないんです。ほんと生きててよかったなあ、と思います。

そんな熱い思いが吹きだしてしまった3回。ぜひお暇な時に、まとめてご覧ください!

第1回目「大阪府の最高峰、修験道の原郷「金剛山」へ!」

第2回目「創建は2000年前!?金剛山で悠久の時を感じる」

第3回目「これぞ金剛山の魂!転法輪寺で異形のほとけに出会う」

イチローさんの会見を見て~本当に強い人は優しい~

突然ですが、イチロー選手が、引退を表明しましたね。

引退会見もよかった。私は、その存在感に改めて圧倒されました。

会見の中では、記者の質問を、時にばっさり切り捨てていましたが、それでも、何ともいえない優しさ、他者へのいたわりのようなものを感じました。

イチローさんというと、求道者といったイメージがあります。彼の振舞いには、道を志す人ならではの深い精神世界を感じずにはいられません。彼に「武士道」の面影を感じる人も多いでしょう。私も彼を見ているとどうしても、「武士道」を連想してしまいます。実は、イチローさんの記者会見を見ていると、どうしても連想してしまう人がいます。私が幼い時に憧れ、短い期間でしたが可愛がっていただいた、剣道家の楢崎正彦先生です。

楢崎先生がものすごく強く、偉い人なんだということは、先生のお立場や9段という段位からしても、わかっていました。また、子どもの目から見ても、そりゃもうすごかった。「強烈な強さは、美しさと同意なんだ」と、私は思いました。それはもう、本当にすべてが美しかったですからね。

しかし、「美しい」ことは、「こわい」にもつながります。今その時のことを分析してみると、圧倒的な「気」みたいなものを発散されていたのかもしれません。側に行くなんて、とてもとても。こわいんですよ、それは。

当時、ちょっと問題のある環境にいた私を、先生は不憫に思ってくれたんでしょう。特別に大人の先生方のお稽古の末席に加えてくださって、週に一度稽古をしてくださいました。稽古の時には、必ず「さあ、来なさい」と呼んでくださるので、怖いですけど、側に行かなければなりません。

その時の心境を説明すると、「虎の前に立っているような気分」でした。虎ってものすごく美しいですよね。でも、ものすごく怖い。そんな感じです。そんなにもこわがっているくせに、私が先生を慕ったのは、その「優しい目」ゆえでした。涼しげな眼差しには、いつも茶目っ気と微笑みが漂っている、そんな目をしていました。先生に稽古をつけていただいてからもう30年経つというのに、あの優しい目は今も忘れられません。稽古は厳しかったですけど、いつもあの優しい目が、私を見守ってくださった。

本当に強い人は、優しいんだ。

私は、そう思っていました。実は、イチローさんの記者会見を見ていて、私はそのことを思い出したんです。イチローさんの目も優しいな、と。

イチローさんも、そもそも天性の才を持っておられるとは思いますが、とてつもない苦労と、努力をしてこられたでしょう。あれだけの選手ともなれば、野球の分野だけのご苦労ではないと思います。こころない批判にさらされたこともあったでしょうし、裏切りにもあったかもしれない。私たちには見えない部分で、きっとそんなこともたくさんあるんだろうと思います。ではないと、あんな優しい目にはならないんじゃないかなと思うんです。苦しみを知っているから、ほかの人へのいたわりや優しさを持っている。あの優しい目は、そういう目です。

大人になってから、楢崎先生がB級戦犯として死刑を宣告され、巣鴨に収容されていたことを知りました。先生が観てきた世界とは、私には想像できないほど過酷なものだったはずです。その果てにあの優しい目があったんだ、と何かものすごく腑に落ちるものがあります。

そんな楢崎先生と、イチローさんが重なるんです。野球と剣道の違いはありますが(ちなみに楢崎先生も、剣道界ではだれもが知る伝説的な剣士です)、イチローさんは、世界中の野球選手から尊敬され、憧れられている特別なひとだと言います。それはとても分かる気がします。あの、「本当に強い人」特有の、茶目っ気たっぷりの優しい目で見つめられたら、ひとたまりもない。天才肌で誰のいうことも聞かないような強い生き物――まるでライオンや虎のような選手でも、コロンと猫のようになってしまうのではないでしょうか。

これからは「人望がないから」なんて冗談はいわずに、ぜひ、監督でもなんでも、人を導くひとになってほしいなあ、と勝手に願っています。ただそこにいるだけでも、その姿を見るだけでも、勉強になるような人です。

特に、子どもにとって一番素晴らしい教育とは、本当にすごい人を見ること、知ることなんじゃないかと私は思います。「あんな大人になりたい」と思える存在がいるということは、何よりの教育です。イチローさんは、まさにそんな人。イチローさんがこれからどう生きていかれるか(にわかファンで恐縮ですが)ワクワクしてしまいます。

あ。

ところで、今気づいてしまったんですけど、イチローさんと私、同い年でした^^;。な、なんと…。こんなにも差があるなんて、びっくり。でもまあ、私は私ですよね!? 頑張って生きていきます。

(むとう)

■以下の動画は、ネット上にある楢崎先生の唯一の動画かも。楢崎先生と同じく9段の谷口先生の対戦を見られるなんて、ほんとうにありがたい。youtubeありがとう!

BE-PAL.NET連載「文化系アウトドアのススメ」まとめ①修験道の始まりの場所「大和葛城山」

お久しぶりです!

だいぶアップしていなかったですが、私は元気です。

FBなどでは頻繁に更新してるのに、自分のサイトの「日誌」ではほとんど日誌を書いていない、というこの状況を、ちょっと改めます。今後は、日誌代わりにこちらに書いていこうと思います。

さて、仕事のご報告も兼ねてですが、昨年年末からアウトドア雑誌『BE-PAL』さんのwebで連載を始めました。

連載と言っても不定期連載。でも内容は結構濃くて、三回に分かれていたりするもんで、繋がりがわからなくなっちゃうよという、知り合いの感想があり。テーマごとに、こちらでもまとめをつくっておこうと思い立ちました。

だいたいひと月に一度、テーマが変わるように執筆してるんですが、最初のテーマは「大和葛城山」でした。

秋の大和葛城山は、きれいでしたよ~!上の写真は、サイトではアップしませんでしたが、やたらとはしゃぐ私です。

さてさて、第一回は、こちら!「大和葛城山の山麓をゆく」

第二回!「大和葛城山の頂で「国見」気分」

第三回!「修験道の祖・役小角を妄想してみる」

…というわけで、新連載はいきなりの修験道の始まりの場所、大和葛城山から役行者レポートでスタート。

アウトドア雑誌のWEBに、この内容でいいんかいな、と回を重ねるごとに思いますが、でもまあ、担当編集Nさんがいいと言ってるし、いいか。と腹をくくっています。

ぜひ、未読の方がいらっしゃいましたら、覗いてみてくださいね~!

(むとう)