神仏探偵・本田不二雄さんの最新作登場!『地球の歩き方BOOKS旅の図鑑シリーズ 日本の凄い神木』

(写真をプッシュするとAmazonの該当ページにジャンプします)

『地球の歩き方』シリーズと言えば、海外旅行に行く際には必ず買う名旅本シリーズですが、一年半くらい前に、「旅の図鑑シリーズ」という面白コンセプトのレーベルを立ち上げられました。

今年は春ぐらいには、オカルト名門雑誌の『ムー』さんとのコラボで、『異世界(パラレルワールド)の歩き方 ムー』を出版され、大ヒットになりましたね。目の付け所が、さすがに素晴らしいなあと、感心しておりましたところ、やはりその選択眼は我が大兄こと、神仏探偵・本田不二雄さんへと向かわれていたのでした。

私もワクワクしながらページをめくりましたが、ひゃ~!すごいです!!!

一言で言って、他の追随を許さないまさしく「ご神木の決定版」。第一に、全国を網羅してます。これは大変な偉業! 日本中の皆さんが、身近なところから会いに行けますよ!

そんなわけで、私は何はともあれ、【関東】のインデックス…我が埼玉のご神木から読み始めてしまいました(小口に、地域ブロックごとのインデックスがあるのです)。特に上の左ページのご神木には、本田さんと一緒に拝見しに行ったところだったので、採用されていてなんかうれしい。こちらの巨木も素晴らしいご神木でした。

それにしても読みやすく、分かりやすいデザインでいいなあ。写真もオールカラーで美しい!さすが、地球の歩き方シリーズですよね。各ページにアクセスの手段も書かれてますので、ガイドブックとしても使いやすいです。

このように、あくまでも旅をする目的で、地方ごとに見ることもできますし、もちろん最初から順に読んでいくのも、めちゃくちゃ濃い世界で圧倒されます。

「ご神木とは何か」という導入から、まずはもう問答無用の凄すぎるご神木を「驚異の樹神七柱」と題して、巻頭グラビア(言い方あってる?w)へ。

そしてご神木の基礎知識として、樹種の特徴、用語などもさらさらっと、書いてくださってるので、これだけ頭に入れて、ご神木を拝見しに行ったら、なんかもう、「相当詳しい人」になれてしまうという感じ。さすが本田さん。

さらに至れり尽くせり…と思ったのは、最後に樹種の索引が載っていること!全体の構成と、この索引により、場所によって、樹種によってご神木をサーチできます。

また、このご神木がどういうものかをまずは端的にとらえるために、【魂を抜かれるほどの巨樹は「巨」】、【神社・寺院境内のご神木は「聖」】……といったように、キーワードを記号化していて、特徴をわかりやすく伝えてくれています。

その分け方の中で、私的にすごくぐっと来たのは【山の王、森のヌシと出会う…「主」】というキーワード。これは、本田さんがよく言っておられるワードなのですが、私も神社仏閣などを巡礼している中で、そういう感覚は「わかる~~~!」と思うのです。

本当にそう思うんですよね。「この地を統べるのは、この最も古い生き物・この巨樹なんだ」と。そんな存在に圧倒されているとき――変な言い方ですが、それは決して嫌な圧ではないんです――大いなるものと出会って飲み込まれて、続いて自分の中で開かれていくような、そんな気持ちに満たされるのです。

最後に本田さんが下さったお手紙の一節を、一部抜粋させていただきます。

「…実のところ、巨樹・神木のもつナニモノかを言葉で語ることは極めて難しいことなのですが、私たちはその出会いを通りて様々な気付きを得ることができます。
 まずはその大きさと佇まいに圧倒され、力強さを実感し、その木が体現する途方もない時間を感じ、その形状に秘められた不思議に思いを巡らせ、それを育む土地がどんな場所であるかを知り、その木を祀ってきた人々の思いに触れ、そこで語られてきた物語と出会う。こういった一連の出会いを経ることで、われわれの心のうちに巨樹・神木が確かな存在感として根付いていくことでしょう。(略)
 この「大いなるいのち」との出会いこそ、今この時代に生きるわれわれにもっとも求められていることかもしれない。そんな風にも思うのです。
 この国の「物凄い」ヌシと、ぜひ出会っていただけたらと願います」

ぜひぜひ、皆さんもお手に取ってみてください!
そして「ヌシ」に会いに行きましょう!

(むとう)

2022年、新年のご挨拶

あけましておめでとうございます!

新年ということで、私事ながら昨年を振り返ってみたいと思います。

2021年は、私にとってとても大きな出来事がありました。それは、初の単独著『縄文神社』を上梓できたことです。おかげさまで、多くの方に手に取っていただき、私が提案した《縄文神社》という概念・アイデアは、賛同していただける方が少しずつ増えているように思います。本当にありがたいことです。刊行後も、群馬県、長野県と取材を続けています。これから茨城県、栃木県、山梨県を取材していく予定です。

そして編集として担当させていただいた『おけら長屋』シリーズも16巻、17巻発売されまして、150万部も目の前まで来ております。畠山先生の筆は、ますます冴えわたり、巻を重ねるごとに初動がどんどん伸びているのですが、これは本当に奇跡のようなこと。先生のお力はもちろんですが、おけら長屋を愛してくださる書店の担当者の皆様と、おけらファンの皆様のお力添えがあってこそです。ありがたいとしか言いようがありません。

さらに、大人気でお忙しい関先生のご本を一年で二冊、しかも一冊は書きおろしでお預かりできたことは、思いがけぬ僥倖でした。一人でも多くの古代史ファンにお手に取っていただけたら幸いです。

   *  *  *

2021年のご挨拶で私は「初心を大切にしたい」と書かせていただきました。2022年でも、引きつづき「初心を大切にしたい」と思います。

私は何十年たっても要領が悪く、とにかく全力で取り組むしか能のない人間です。しかし、この年齢になってもそのへんが変わらないところを見ると、つまりこれが私の個性なんでしょう。そんな個性を大切に、初心を忘れず、編集もライティングもしっかりと取り組んでいきたいと思います。

今のところ決まっていることを見ていきますと、ライティングに関しては、刊行は再来年になりますが、自著本を2冊、取材をスタートさせました。どちらの本も大好きなテーマです。そんな機会を与えていただいて、本当に嬉しいですし、ワクワクしています。ショートカットをしないで、一つ一つ丁寧にぶつかっていきます。

また、それに伴って、今年は各地への取材がてんこ盛りです。去年よりはコロナも落ち着いて、動きやすくなることを祈りながら、待ちきれない気持ちでいっぱいです(去年できなかったイベントとかできたらいいなあ、というのは何の計画もない、ただの希望)。

そして編集仕事の方では、畠山先生の『おけら長屋』シリーズは3月と9月に18巻と19巻を刊行予定、関先生は4月に書きおろしのご本を刊行する予定が決まっております。こちらも今からワクワクしております。

それから、本サイトのほうでも、日ごろの動きをちょっとずつでも書いて更新を頻繁にしていきたいと思います。加えて去年始めた『縄文神社.jp』の方も、リアルタイムで上げていけるようにしたいな、と。

こうしてみますと、2022年は課題も多く、ちょっとハードですが、その分かなり面白くなりそうな気がしております。毎日を大切に、今年も頑張っていきたいと思います。

本年もよろしくお願い申し上げます!

令和4年1月1日         武藤郁子 拝

本田不二雄さん監修の『仏像列島』(宝島社)発売中!

書影をクリックするとAmazonにジャンプします。

神仏探偵こと、本田不二雄さん監修のムックが、宝島社さんより発売されました。

一般的に、仏像の本や雑誌の特集などに登場するお像は、国宝や重要文化財などの国指定文化財が多く、どうしても重なっていると思います。それを悪いことと言いたいわけではありませんよ。重なってしまうのはしょうがない面がありまして、限られた紙数で紹介できるお像は、かなり絞られますし、最も王道でオーソドックスなものをまずはご紹介して…となるのは、当然と言えば当然なのです。

しかし、日本は世界でも類を見ない「仏像大国」です。国宝や重文に指定されていなくても、素晴らしいお像がたくさんありますし、地元の皆さんとの関係性が、涙が出るほどステキなお像もたくさんあります。このムックには、そんな魅力あふれる仏像が、これでもかと紹介されています。神仏探偵によるセレクションですからね。カバーデザインを見ても一目瞭然だと思いますが、一筋縄ではいきませんよ~!

第1章 厳選 日本の美像
第2章 感動の虚像と大仏
第3章 唯一無比の異形像
第4章 謎めく容貌の仏像ミステリー
第5章 全国のすごい仏像

という章立て。ランナップを見ますと、なるほど、さすが本田さんだなあという面々です。知らない仏像もご紹介されてました!中でも印象的だったのは…

山形県鶴岡市・瀧水寺大日坊の「波分大聖不動明王立像」。上のページの左を見ていただけたらと思いますが、大日坊にこんなお像があったとは!?とびっくりしました。

私も何度かお詣りしておりますが、記憶があいまい…。思い返してみると、大日坊さんと言えば、即身仏・真如海上人がいらっしゃるお寺として有名です。私も鶴岡の即身仏を拝観したくて訪れたのでした。そのため、他の尊像の印象が少し淡くなってしまっているのかも。

いずれにしても 「波分大聖不動明王」とは……。

本文を要約しますと、不動明王が持つ剣(不動明王の力の分身とも考えられる「 倶利伽羅剣」)は、絵画で表わされることが多いものの、本像は珍しくそれを立体化したものだとのことです。 倶利伽羅剣自体は立体化されることもそんなに珍しくないのですが、このように龍が剣先を咥えている様子のものは、観たことがないです。これは珍しい。

ちょっと調べてみますと、湯殿山信仰ならではの尊像と考えたほうがよさそう。大日坊は、湯殿山信仰の中心地であったお寺さんですが、 「波分大聖不動明王」という尊名は、行の中にあらわれる湯殿山信仰ならではの、不動明王の一形態のようです。

他にも気になるお像がたくさん掲載されていましたが、どれもこれも一筋縄ではいかないようなお像ばかり。早速参拝したい仏像のページに付箋を貼りました。

それにしても、見たいものが多すぎて困っちゃいますね。生きているうちにどれだけ参詣できるでしょうか。

仏像とは、日本文化の結晶であり、日本史の証言者、地域の人々が繫いできた心の宝物であると私は考えています。本ムックで本田さんがご紹介されている仏像はまさにそんな宝物です。ぜひ皆さんにも、本ムックをご覧いただいて、豊かな「仏像列島」日本を、もっともっと堪能していただきたいと思います。

(むとう)