file.98 たねやの「とらやき」と「どらやき」二種

いちにちいちあんこ

畠山健二先生の人気時代小説シリーズ『本所おけら長屋』の編集をお手伝いさせていただいておりますが、本シリーズをお手伝いさせていただくなかで、たくさんのご縁を畠山先生につないでいただきました。

畠山先生は、人情に溢れたお作そのままのお方。
そんな先生の周りには、これまた素晴らしい方たちが集まってきています。

そんなご縁で知り合ったのが、大阪在住のY姐さん。お仕事でお江戸にいらっしゃるとのことで、夕ご飯をご一緒しました。
残念ながら先生は関西のほうでラジオの収録。珍しく女二人の飲み会、……つまりこれは「女子会」ってやつではないでしょうか!?うふ。
そんなわけで、居酒屋ではなく、カジュアルなフレンチをいただくことにしました。

「武藤さん、あんこ好きだから、はいこれお土産」

大阪限定のんも入ってるで~、と渡してくださったのは、近江八幡の名店・たねやさんの包み!!

やった~~!
ありがとうございます~~~!!!

楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、デザートまでたっぷりいただいて、その翌日。

家族全員あんこ好きな武藤家のおやつに早速お土産いただきました♪

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きれいなお包みを開くと出てきたのはこちら!
写真だとちょっと色味が悪くなってしまってますが、すごくきれいな黄色でのパッケージ。たねやさんの包みって、ほんとセンスいいなあ。

蓋を開くと、おおお!どら焼き~!!

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どら焼きが三種類!
左上が、阪神百貨店限定の「とら焼き」で、限定ものなんだそうですよ~!
20150904-3というわけで、まずはその限定「とら焼き」から。
さすが阪神、「とら」焼きですよ♪

20150904-4持ってみると、記事はしっとりとしてものすごく柔らかいです。
これは美味しそうだわ~!

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そしてなかはこんな感じです。
あんこはしっとりとしていて瑞々しい!甘味は適度で、記事のしっとりとでも軽い感じと絶妙なバランス!これは美味しい!
20150904-6さて、残りの二種。
こう見るとまったく同じように見えるかもしれませんが……

20150904-7どら焼きとしてはとても珍しい白あんと、スタンダードな粒あんです!
こちらも美味しい!

でも、ちょっと不思議なんですが、「とら焼き」の粒あんが特に美味しい気がしたんですね。

ちがう炊き方をしてるんでしょうか。ひょっとしたら生地の柔らかさとのバランスかもしれませんが、三種の中では「とら焼き」は特に美味しかったです♪♪

これは大阪に入ったらぜひまた手に入れたい!…ところですが、なかなか阪神百貨店には行けないかな??

Y姐さん、ご馳走様でした!
美味しかったです!!

たねや
http://taneya.jp/home/index.html

 

 

 

file.89  喜八洲総本舗の「きんつば」

いちにちいちあんこ

大阪には美味しいものが多すぎて困ります。そして、大阪の方にはグルメが多いように思います。さすが「食の都」ですね。

そしてもちろん、あんこものも、さすが大阪です。

Aさんがご馳走してくださった、北新地に夜遅くまで開いている老舗のお餅やさん(この呼び方も上方っぽいですよね)いなば播七さんのおはぎは絶品でした。そして、Aさんに連れて行っていただいた、北浜の菊壽堂義信さんの高麗餅も絶品でした。

そして〆は、Y姐さんがお土産にと持たせてくださった喜八洲さんの「きんつば」!!

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大阪に行く前に、美味しい和菓子屋さんはどこかな~と調べたりしていた時に、確かに目にしたことのあるこの名前。

さすが姐さん!Aさん同様グルメです~!

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なんだかもう、包装もかっこいい。

「必要なものだけちゃんとある」というデザイン。この空気感は、なるほど、「きんつば」というシンプル直球型和菓子を表現するには最適というか…

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そしてこちらが「きんつば」!

写真だといまいち大きさが伝わらないかもしれませんが、ものすごく大きいです。関東でお目にかかるきんつばの約倍くらいのボリュームがあると思います!

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サイトを拝見しますと、こちらの小豆は北海道十勝産。大粒の小豆をしっかりと炊いて良質の砂糖で甘さは控えめに。確かに、ボリュームはしっかりとありますが、食べ始めてみますとあっさり一個いただけちゃいました。

それにしましても、こちらのきんつばをいただいていて、また今回いただいた大阪の老舗二店の名物二品をいただいてみて、あんこや和菓子の世界にははっきりと、「大阪らしさ」というものがある、と感じました。

伝統的な料理はもちろんですが、その土地の人が長らく愛してきたお菓子、または日本酒といったものには、その土地の風土・美意識が込められて居ると思います。私のような一見のお客にとっては、その土地の文化を感じるのにとても分かりやすく、ありがたいものです。

今回も、三つの大坂を代表する老舗のお味をいただくことで、その一端に触れることが出来たように思います。

大阪のあんこは、丁寧に手間をかけて造られていますが、それをあえて分からないように作っているような、そんな気がします。すごいんですよ、貴重なんですよ、心して食べなさい、というよりも、「たくさん食べてな、おいしいやろ?」「わーありがと~!めっちゃおいしい~!」なんてはしゃぎながらいただけるような、そんなかんじ。

入口はものすごくフランクでフレンドリー、でも、その気安さの向こうには非常に硬質な美意識のかたまりを感じます。なにしろ大阪は京都以上に古い土地ですからね…。

いやあ、ほんともう、大阪大好きになっちゃいました。

Aさん、Y姐さん、本当にありがとうございました!
またよろしくお願いします~♥。

喜八洲総本舗

http://www.kiyasu.jp/index.html

file.88  菊壽堂義信の「高麗餅」

いちにちいちあんこAさんとご一緒して大阪を廻ってみよう、となったとき、Aさんから「どこか行きたいところはある?」と訪ねられて、まず最初に頭に浮かびましたのが「北浜というところにある菊壽堂さん」でした。

『あんこの本』(姜尚美著・京阪神エルマガジン社)を読んでいた時に、こちらの「高麗餅」を紹介している記事を拝見し、その美しさ、佇まいにズキュンとやられてしまい、心にへばりついてしまっていたのでした。

さて、そうしてAさんの車でやってきましたよ~!
まったく土地勘ありませんが、この北浜というところは東京で言うと虎の門とか霞が関みたいな感じなんでしょうか。官公庁があったりするような場所みたいですね。

周囲は、いかにも立派なビルが立ち並んでますが、その一角に古い日本家屋が何件かあるエリアがポツンとありまして。
しかもその中に、上品に佇んでいるお店なもんで、何度も前を通り過ぎちゃいましたよ。店先のお写真、撮ったつもりだったんですけど、Aさんに取ってもらったこれしかなかった^^;。

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ちょっとわかりにくいかな~。

でも、店先からして清げで何とも言えない佇まい。これは間違いなく美味しいお店だあ!と一人興奮するわたくし!

早速、お店に入るや、おもむろに「高麗餅」を注文。Aさんはおぜんざい、Aさんの奥さまは私と同じ高麗餅をオーダー。

そしてそして……

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これですよ、これこれ~~!

これが心に張り付いていた、憧れの「高麗餅」です~!!!!
一目瞭然ですけども、五種類のあんこが一皿で楽しめちゃいますよ~!

『あんこの本』の記事によりますと、「にぎり寿司と同じで、できればその場で食べてもらいたい」(17代目ご主人談)とのことなんですが、まさに握り寿司のようなたたずまい。この美しい山型は握った時のかたちですよね。
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さてさて。どれから頂こうかな~と、ちょっと悩みましたが…、
まずは、と粒あんからパクリ。わああ、なんて上品な甘さ!皮が柔らかい!粒あんならではのコクがたまりませんよ!
次は白あんをパクリ。おおおお、白あん、これこそ私が考える上方の白あんですよ。しかも何となく京都の白あんとは違いますよ。なんて言ったらいいのかな、男っぽいさっぱりした白あんって感じです。美味しいわあ。

そして、見るからに抹茶が濃そうな抹茶あんをちょっとだけ舐めてみましたら…

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うわっ。
抹茶が濃い~!!
美味しい~~!!!

この抹茶あんをいただきましたら、まるで、おぜんざいの間の塩昆布をいただいた時かのような、「口の中リセット」できちゃいましたよ!

あんこなのに、あんこの味でちょっと甘くなった口の中を爽やかにリセットって、すごくないですか??でも、やっぱりあんこなんです、確実にあんこなんですよ。

今まで、抹茶あんはいろいろいただいてきたと思いますが、迷いなくこちらの抹茶あんがナンバー1だと断言できます。これは、本当に素晴らしい逸品です。

抹茶あんの次は、白ごまあんです。

おおおお。これも美味しい!

ゴマをあんこに練りこんでいるのではなく、白あんこの周りに、半分くらい潰した白ごまを付けてるって感じなんですが、このバランスが絶妙なんです。これ以上多いと、ゴマの味だけになっちゃうと思うんですが、白ごまの風味もはっきりしちぇるけど、白あんの風味もちゃんとある、そんなバランスになっています。これは美味しいわ!

そして、最後は、こしあんです。
いやあ、我ながら素晴らしい順番を選びましたよ。自分を褒めてあげたい!

このこしあんがまた、ほんっと~に美味しい!
丁寧に練られてますが、すごく新鮮、と言いましょうか。水分はそれほど多い方ではないと思います。水分というか糖分、か。サラサラとしたこしあんの粒子がするすると口の中でほぐれてなくなります。

ああああ、美味しうございました。
あ、そうだ、あんこの話ばかりしてましたが、中のお餅も、これまた大変おいしいお餅でした~。思い出すだけで涎が…。

大阪に行くときには、ぜひまた行きたいです!
東京にあったら、できる限り通うなあ。お店の雰囲気も本当にすっきりとしていて、気持ちいい。本当に素晴らしいお店でした。

この前に連れて行っていただいたいなば播七さんも江戸の創業でしたが、こちらも江戸時代、1830年ごろの創業だそうですよ。いやはや、やはり上方の懐は深いですねええ。

菊壽堂義信
http://tabelog.com/osaka/A2701/A270102/27014624/