天皇と鬼、神の関係から古代史の謎解明に挑む!/『古代史に隠された天皇と鬼の正体』関裕二著(PHP文庫)

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関先生の最新刊が、いよいよ発売になります!!(6/1を予定しておりますのでちょっとフライング)。

ここ数年、『鬼滅の刃』が大ヒットしたりして、「鬼」に注目が集まっているように思います。

しかし、それは今に始まったことではないですよね。

日本人にとって、どの時代でも「鬼」というコンセプトは大人気のテーマであり続けてきました。桃太郎や酒呑童子をはじめ、多くの物語に「鬼」が登場します。それだけ人気のある、いわばキラーコンテンツであり続けているってことですね。

なぜ、私たちは「鬼」に魅かれるんでしょう?

「鬼」は敗者の姿だという説がありますね。判官びいきじゃないですけど、庶民の私たちからしたら、例えば、才能もあって性格も良かったのに、不条理にも命を絶たれたヒーローは、同情と共にある種の理想像を抱くということがあるでしょう。「鬼」の姿には、そんな哀惜のこころが込められていると言われます。

関先生は、そのように物語上の「鬼」だけではなく、古代史上の特別な英雄である日本武尊も「鬼」だ…とおっしゃいます。聖徳太子もそうです。そして蘇我入鹿も長屋王も、泰河勝も……。

そして、改めて「神と鬼と天皇」の関係に注目し、天皇がこれまで継続してきた理由に、ある仮説を示されます。この仮説は実に大胆で、関先生ならではの視点あってこそ。この斬新な説は、古代史ファンはもちろんですが、歴史ファンの皆様も、ぜひ本編をお読みいただけたらと思います。

ぜひお手に取ってみてくださいね~!

(むとう)

その謎は「地形」に理由があるんです!/『地形で読み解く古代史の謎』関裕二著(PHP文庫)

ご紹介が遅くなってしまいましたが、関裕二先生の『地形で読み解く古代史の謎』の編集をお手伝いさせていただきました!

ここ数年、「地形」に注目する人は増えていますね。

確かに、地形は大事です。歴史上の謎と呼ばれるものは、政治的事件だけをおいすぎると、よくわからなくなったりしますけど、地形を見てみたら、「なるほど、この位置に深い川があったら、そりゃこれ以上前に進めないわ」みたいな感じで、いっきに謎が氷解するなんてことがよくあります。

今でもそうですよね。例えば、取材アルアルなんですが、「地図アプリで3キロ、徒歩35分と出たので、余裕で歩けるじゃんと思って行ってみたら、その道筋はアップダウンの激しいほぼ山道で、35分でたどり着けなかった」なんてことがよくあります。行ってみないとほんと分からないし、行ってみると合点がいく…。「机上で終わらずに、現場に行って体感するのが一番」と、関先生はいつもおっしゃいますが、本当におっしゃる通りです。

そんな関先生が、「地形」にフォーカスして書かれた『地形で読み解く古代史』(KKベストセラーズ)をリニューアル。『地形で読み解く古代史の謎』としてPHP文庫に再登場!!
邪馬台国、ヤマト建国の経緯、古代遷都などなど、日本古代史の謎を、先生が読み解いてくださいますよ~。

今回は地図を多めに配置しております。そして、今と昔では地理も変わっているので、一部ではありますが、その当時の地図(推定)を掲載するよう頑張りました。実際に地図もご覧いただきながら、先生のキレッキレな解釈を堪能していただけると思います。

ぜひお手に取ってくださいね~!

(むとう)

古代史を読み解くなら『日本書紀』から。関裕二流「古代史の読み解き方」を大公開!/『こんなに面白かった 古代史「謎解き」入門』関裕二著(PHP文庫)

2020年は、『日本書紀』成立1300年の記念イヤーです。

それを記念して、東京国立博物館では「出雲と大和」展が開催されています。会期は3月8日までありますから、まだの方はぜひともいってみてくださいね!ちなみに私は前期に一度行ってきたんですが、いやあ、ほんとすごかった。

特に、前半の出雲からの出展がすごかった。オープニングに現れる「宇豆柱」と「心御柱」は有無を言わせぬ迫力でしたね。両方とも鎌倉時代の遺物で、創建当時のものよりは小規模なのかもしれませんが、しかしあの大きな柱は、古えの壮大な本殿を想像するには、十分な存在感がありました。いずれも初めて見たわけではないのですが、武蔵国であった東京の真ん中で改めて会いまみえると、格別の存在感。その「存在の太さ」に圧倒されちゃいましたね。

そしてなんといっても、この「武蔵」の地で、「出雲」と「大和」が邂逅すると、言うのがまた……。もうね。古代史ファンとしては、たまらんというか、感動的なわけなんですよ。

そんなわけで、特別展にはぜひとも皆さんも、足を運んでみていただけたらと思います。もし、古代史に興味がないという人でも、理屈や知識ではない部分で、ガツンと来るものがあると思うんです。私もできればもう一度見に行きたいと思っています。

さてさて。そんなわけでして、皆さんお馴染み・古代史研究家の関裕二先生のご登場です。やはりこの『日本書紀』記念年に、先生のご本が出ないわけにはいきません!

単行本『古代史は知的冒険』(PHP研究所)に加筆いただき、全体を再編集、改題して、PHP文庫にご登場いただきました!(2月5日発売ですので、もうすでにお手に取ってくださった方もいらっしゃるかもしれません。ご紹介が遅くなって済みませんでした^^;)。

なんだかんだ言って、『日本書紀』は日本初の正史です。関先生は、『日本書記』を定点としてとらえ、そこに描かれているものであれば、その描かれ方にフォーカスし、逆に描かれなかったことは何なのか、なぜ記載されなかったか、と言った視点を絶えず持ちつつ、古代史の謎へと切り込んでいかれます。

そんな関先生流の読み解き方・作法を、惜しみなく公開していく内容なので、「古代史」としては、かなり網羅的な内容になっています。そう言う意味でも、古代史はあまり知らないという人でも、古代史入門書としてお勧めしたい内容になっていると思います。もちろん、古代史好きな方も、楽しんでいただける一冊になっておりますよ。

ぜひお手に取ってみてくださいね!

(むとう)