文献と考古学から読み解く古代史最大のミステリー!『邪馬台国とヤマト建国の謎』関裕二著(PHP文庫)

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関先生の新刊をお手伝いさせていただきました~!

今回のお題は、邪馬台国とヤマト建国。古代史ファンにとって、「邪馬台国」も「ヤマト建国」もたまらないテーマですよね。本書はその魅力的なテーマを、関先生ならではの視点で書き下ろしていただきました。

なんといっても「邪馬台国」は、あえて申し上げるのもなんですね。古代史最大のミステリーです。これほど長い間、プロ・アマに関わらず、論じられ続けてきたテーマは、他にないんじゃないでしょうか。

中国の文献に残された「倭」、そしてその中の一国である「邪馬台国」と女王「卑弥呼」。その中で「邪馬台国」とはどこにあったのか、卑弥呼という王はどんな人物だったのかについて、様々な説があり、いまだ決着していません。日本側の文献や墳墓から、文字で記録されたものが残されていたら(出土したら)、ここまで多くの人に論じられ続けることもなかったでしょう。しかし出てこないのですから、結局は確定できません。今も未決着のまま…

いやしかし。

少々無責任な言い方をしてしまいますが、その決定打が出ないというのが、スパイスなのかもしれませんね。やっぱりこちらなのか?いや、しかしこんな遺跡が出ているんだから、そちらなのではないか…と想像したり、誰かと討論するのが、また楽しい。ロマンですね。

これまでにも、様々なご著書で邪馬台国について触れてこられましたが、今現在の先生が「邪馬台国」をどう考えているのかを、改めて知りたい!と言うのが、本企画の出発点でした。

そして、「はじめに」からちょっとだけ引用――

「そこで、新たな仮説を用意しようと思う。それは倭国の女王・卑弥呼は、魏の使者の邪馬台国(邪馬台国はあくまでも”倭国の女王が住むところ”だ)訪問を、嫌っていたのではないか、というものだ。あらゆる手段を講じて、妨害しようとしていたのではないか……。北部九州の邪馬台国は偽物で、本当の「ヤマト」は、畿内にあった。」

――えええ?どういうこと??

そう思った方も多いのではないかと思いますが、ぜひお手に取ってみてください。いろいろな意見があって当然の「邪馬台国論」ですが、本書を読んでいただくと、先生の”新邪馬台国論”に頷いてしまうのと同時に、「ヤマト建国」についても、新しいイメージが湧き上がってくるのではないかと思います。つくづくこの二つのテーマは、不可分なのですね。ぜひ本書を参考に、自分の中の「邪馬台国」像を、バージョンアップしてみてください!

(むとう)

天皇と鬼、神の関係から古代史の謎解明に挑む!/『古代史に隠された天皇と鬼の正体』関裕二著(PHP文庫)

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関先生の最新刊が、いよいよ発売になります!!(6/1を予定しておりますのでちょっとフライング)。

ここ数年、『鬼滅の刃』が大ヒットしたりして、「鬼」に注目が集まっているように思います。

しかし、それは今に始まったことではないですよね。

日本人にとって、どの時代でも「鬼」というコンセプトは大人気のテーマであり続けてきました。桃太郎や酒呑童子をはじめ、多くの物語に「鬼」が登場します。それだけ人気のある、いわばキラーコンテンツであり続けているってことですね。

なぜ、私たちは「鬼」に魅かれるんでしょう?

「鬼」は敗者の姿だという説がありますね。判官びいきじゃないですけど、庶民の私たちからしたら、例えば、才能もあって性格も良かったのに、不条理にも命を絶たれたヒーローは、同情と共にある種の理想像を抱くということがあるでしょう。「鬼」の姿には、そんな哀惜のこころが込められていると言われます。

関先生は、そのように物語上の「鬼」だけではなく、古代史上の特別な英雄である日本武尊も「鬼」だ…とおっしゃいます。聖徳太子もそうです。そして蘇我入鹿も長屋王も、泰河勝も……。

そして、改めて「神と鬼と天皇」の関係に注目し、天皇がこれまで継続してきた理由に、ある仮説を示されます。この仮説は実に大胆で、関先生ならではの視点あってこそ。この斬新な説は、古代史ファンはもちろんですが、歴史ファンの皆様も、ぜひ本編をお読みいただけたらと思います。

ぜひお手に取ってみてくださいね~!

(むとう)

古代史を読み解くなら『日本書紀』から。関裕二流「古代史の読み解き方」を大公開!/『こんなに面白かった 古代史「謎解き」入門』関裕二著(PHP文庫)

2020年は、『日本書紀』成立1300年の記念イヤーです。

それを記念して、東京国立博物館では「出雲と大和」展が開催されています。会期は3月8日までありますから、まだの方はぜひともいってみてくださいね!ちなみに私は前期に一度行ってきたんですが、いやあ、ほんとすごかった。

特に、前半の出雲からの出展がすごかった。オープニングに現れる「宇豆柱」と「心御柱」は有無を言わせぬ迫力でしたね。両方とも鎌倉時代の遺物で、創建当時のものよりは小規模なのかもしれませんが、しかしあの大きな柱は、古えの壮大な本殿を想像するには、十分な存在感がありました。いずれも初めて見たわけではないのですが、武蔵国であった東京の真ん中で改めて会いまみえると、格別の存在感。その「存在の太さ」に圧倒されちゃいましたね。

そしてなんといっても、この「武蔵」の地で、「出雲」と「大和」が邂逅すると、言うのがまた……。もうね。古代史ファンとしては、たまらんというか、感動的なわけなんですよ。

そんなわけで、特別展にはぜひとも皆さんも、足を運んでみていただけたらと思います。もし、古代史に興味がないという人でも、理屈や知識ではない部分で、ガツンと来るものがあると思うんです。私もできればもう一度見に行きたいと思っています。

さてさて。そんなわけでして、皆さんお馴染み・古代史研究家の関裕二先生のご登場です。やはりこの『日本書紀』記念年に、先生のご本が出ないわけにはいきません!

単行本『古代史は知的冒険』(PHP研究所)に加筆いただき、全体を再編集、改題して、PHP文庫にご登場いただきました!(2月5日発売ですので、もうすでにお手に取ってくださった方もいらっしゃるかもしれません。ご紹介が遅くなって済みませんでした^^;)。

なんだかんだ言って、『日本書紀』は日本初の正史です。関先生は、『日本書記』を定点としてとらえ、そこに描かれているものであれば、その描かれ方にフォーカスし、逆に描かれなかったことは何なのか、なぜ記載されなかったか、と言った視点を絶えず持ちつつ、古代史の謎へと切り込んでいかれます。

そんな関先生流の読み解き方・作法を、惜しみなく公開していく内容なので、「古代史」としては、かなり網羅的な内容になっています。そう言う意味でも、古代史はあまり知らないという人でも、古代史入門書としてお勧めしたい内容になっていると思います。もちろん、古代史好きな方も、楽しんでいただける一冊になっておりますよ。

ぜひお手に取ってみてくださいね!

(むとう)