天然酵母パンの誘惑@川越市

天然酵母パンって美味しいですよね!最近、やたら酵母やら酵素エキスやらに順調にはまってます。というのも、友人がやたら天然酵母パン屋さんにくわしく、お店を発見すると、すぐ連れて行ってくれるんです。
今日は埼玉県川越市にある、「ブーランジェ・リュネット」さんに行ってきました。
それにしても種類がとっても充実しています!わああ。店内の写真を撮らせてもらうべきでしたね。あまりにも美味しそうでそんな気持ちの余裕はなく、ひたすらセレクトに入ってしまったもので…。パンの匂いってなんであんなに美味しそうなんでしょう!アロマテラピーに「パンの匂い」があったら、私は買う。間違いなく幸せな気持ちになると思うし!

さて、こちらで、パンを2000円ほど大人買い。全部で10種類くらい。
この「幸せの塊」を携えて、今日はお外でランチということになりました。今日はいい天気でしたもの!

車で移動中、ベストポジション発見!護岸工事もしていない、自然な川。越生(おっぺ)川のほとり。秋の青い空がたまらなく美しい。
埼玉は、ちょっと町から足を延ばすとこんな風景がそこかしこに広がります。ちなみによくみたら、川鵜(たぶん)が悠々と泳いでいました。いいですわ~~

土手の下にある公園の東屋で早速パンをいただきます。
写真のパンは、スモークチキンとタルタルソースのサンドイッチ。写真撮るの忘れましたがこのほかに、いちじくとクリームチーズのライ麦パンと、アンパンをいただきました。
どれもめちゃくちゃ美味しかったです!

きれいな空気と秋の日差しの中で美味しい天然酵母パンを食べる……。
いいわ~~~!
カンペキな休日ではないですか!
平日の疲れが吹き飛ぶような心持になりました。

 

「ブーランジェ・リュネット」
東武東上線新河岸駅から歩いて10分ほど。
月曜日が定休日。
http://www.boulanger-lunettes.com/index.php
http://tabelog.com/saitama/A1103/A110303/11004204/

ニホンオオカミを知りたい~下調べの巻~

ニホンオオカミをめぐる物語
ちょっと前の話。 NHKのETV特集で『見狼記』というドキュメンタリーが放映されて話題になりました。
*NHK・ETV特集『見狼記』 http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0219.html

日本全国に生息していたニホンオオカミは、100年ほど前に絶滅したとされてます。
でも、今も絶滅してないと信じて追いかけ続けている人もいれば、本当にいるかどうかは関係なく、先祖からのオオカミ信仰を今も伝えている人々もいます。 この番組は、ニホンオオカミを取り巻く状況、人々を、そのダークな部分も含めてうまく編集されていて、とても面白かったのです。
そんなわけで、私はがぜんやる気になってしまいました!
番組の中で、とても不思議な神事を行っているオオカミ信仰の神社が紹介されてました。 それは、埼玉県北部の寄居町にある「釜山神社」というところ。 実はオオカミ信仰といえば三峰神社@秩父ってかんじで、三峰神社が有名なんですけど、この釜山神社のことは全然知りませんでした。 とはいえ我が家から車で一時間くらいでいけます。 これはいくしかないですよ!!
でも、一人で行くのは心細い。…きっと物淋しい山奥の神社だし。
そう思った私は、変なとこ行くときには、絶対この人はウンと言ってくれるステキな友人で元同僚のSさんにメール。さらに、山岳や秘境の映像ドキュメンタリーを制作しているKさん、生物の図鑑を作っている面白好き編集者Yさんにもメールメール。 思った通り、全員即レス。 面白いのは全員その番組をきっちり見ていたこと。さすがのアンテナです。
「あの釜山神社にいってみませんか??」その私の一言に、説明も必要なくOKしてくれたのでした。さすが過ぎる…

とりあえず平岩米吉著『狼―その生態と歴史』を読む

『狼―その生態と歴史』(平岩米吉著・築地書館)。世界中に生息するイヌ科の動物から、ニホンオオカミの歴史・民俗誌的アプローチまで網羅していてすごく面白い!なんといってもすごいのは、平岩さんはいろんなイヌ科の動物を実際飼って観察をしているところ。明治男ってホネブト!

試験前にはいつもぎりぎりに丸暗記しようとするタイプな私。その習性は今も変わりません。とりあえず、ニホンオオカミについて付け焼刃で何冊か読んで詰め込んだろ、と思って探したところ、この本に行きつきました。
著者の平岩さんは明治生まれ。1986年には亡くなられてしまってます。在野の研究者で、全部独学。日本犬・オオカミ、日本猫の研究・保存、またそれを取り巻く文化を研究した方だそうです。そういえば、昔日本犬について調べていたときに、何冊か拝見したことがあったな~。
この本によりますと、ニホンオオカミは、日本犬の中型のオスくらいの大きさだったみたい。
ちょっと大きめの柴犬よりも一回り大きいくらいってかんじでしょうか。日本犬よりも耳が丸くて小さく、吻も短かったらしい。 色味は茶色ベースで黒毛が所々入る感じ。夏毛と冬毛の色味はかなり違ったらしい。

私たちが、「オオカミ」と聞くと、ハスキーとかアラスカンマラミュートをもっとシャープにしたようなオオカミを想像すると思いますが、ニホンオオカミはもっと小さいし、ちょっと別の動物って感じです。 実際、写真を見てみても、え?ってくらい小さく感じます。

ニホンオオカミの図。シーボルトが入手し、シュレーゲルが描いた『日本動物誌』から(『狼』(平岩米吉著)P202より引用)。

ずいぶん細身で小さいですよね。平岩さんも、この絵のオオカミはだいぶ小さい部類だと言ってますが、でも、私たちがオオカミと言われて連想するイメージよりも胴長で小型だったのは間違いないようです。

神としてのオオカミ

秩父、三峰神社に残る神狼図。狼はオオクチノマガミと呼ばれる神だった。(『狼』(平岩米吉著)P95より引用)

この姿をみてしまうと、少々説得力がないですけど、古来から「神のお使い」、または神として祀られていました。「大口真神(オオクチノマガミ)」と呼ばれます。
農業をする人にとって、作物を荒らしてしまう野生動物を殺してくれるオオカミはありがたい神であり、恐れるべき山の王者だったのですね。
特に、中部・関東ではオオカミ信仰が盛んでした。その中心地は、秩父の三峰神社。有名なのは奥多摩の武蔵御嶽神社、そして今回訪れようとしている釜山神社です。

江戸時代には関東の各地で「オオカミ講」が盛んに行われました。三峰神社などにお参りして、オオカミのお札をいただくと、一枚につき50戸の火難・盗難防止ができるというんですね。番組では現在もこのオオカミ講を行う、集落をいくつか紹介していました。今もその信仰は脈々と生きているんですね。

(~釜山神社の巻~につづく)


板碑ってなんだ?

石もの(石造物)を愛する人間である場合、埼玉県出身であることを、 最も誇りにおもうことがあります。 それは、「板碑」です。 これは、「いたび」と読みます。
何かというとその文字通り、板状の石でできた「碑」です。もう少し正確に言うと「碑」というよりは「塔」ということなんですが、いわゆるお墓ではないんです。でも墓場の横のほうにあったりするので、一般的には同じものと思っている人も多いかもしれませんね。

でもね、すごいんですよ! なんと、この板碑、全国で確認されているもののうちの大半、 約4万点がこの埼玉に集中!もちろん最古の板碑も@埼玉!!!

阿弥陀堂板碑(1368年。埼玉県東松山市)。高台に至る斜面の墓地真ん中にズドン!と在る。この単独なズドン感が「ブシ!」という感じがするんです。

私は埼玉の出身ですので、多分に身びいきが入っているかもしれません。でも、関東の鎌倉武士に愛されたスタイルだからか、何となく「ブシ!」というきっぱりくっきりな空気感があってかっこいいのです。関東のきりっとした文化をよく表現しているような気がします。
素材は、埼玉の山のほうでとれる緑っぽい板石(秩父青石:緑泥片岩)がこのんで使われていて、その色もなんかきりっとしてて武士っぽい(写真をご覧ください。こんな感じです)。つまり板碑のかっこよさは「キレッキレ」なかっこよさなんです。

板碑を建てた理由は、そのほとんどが亡くなった人への供養。 父母のため、戦で亡くなった夫のため、旧主の弔いのため…なんだそうです。

そこで面白いのは、板碑にはだいたい建立した人(願主)の名前も刻まれているんですが、よく女性の名前をみかけるんですね。中世の女性は相続権もあるし、お金儲けもうまかったりして、かなり力を持っていたらしいんですが、これを見るとなるほど、と思います。

板碑のすごいところは、このように、文献に残らないような庶民に近い人たちの記録が、こんな形で残されているということでしょう。お金を出した人の名前が全部彫られていたりすることもあり、それをみているとみんなでお金を出し合って、尊敬する旧主の弔いに板碑を建てたんだな~、なんてことも伝わってきます。また、年代も彫られていたりするのも貴重なことなんですね。