今回は理屈じゃなく、可愛さで迫りたい
古代中国では、半人半獣の姿をした神々がたくさんいますし、神と考えられる動物がたくさんいました。そのため動物の姿が青銅器の中にもたくさん表現されています。私は動物が大好きなので、そう言う意味でも青銅器はたまらないのです。ほんとかわいいんですよね。
さてここで、難しい話は抜きに、故宮博物院の可愛すぎる青銅器をベスト4でご紹介します!!(数字的にきりが悪いですが、そこはご愛嬌と言うことで)
まずはこちら!
第4位・口元がキュートな虎型青銅器
四脚に、蓋ありの青銅器。正式名称はメモって来るの忘れちゃいましたけど(すみません)、多分商晩期から西周初期の時代のもの。おそらくは盛食器の一種でしょう。
この虎ちゃんのかわゆいところは、この棒みたいな脚の角度と、半開きの口でしょうか。ちょっと笑っちゃってますね。カワユイ。
第3位・くるっととぐろを巻いている牛形蓆鎮(春秋晩期)
水牛がとぐろを巻いてるようにキュッとなっているところがなんともカワユイですね!
春秋晩期ですので、紀元前5世紀ごろ。これはもう神器としてと言うよりも、生活の中に用いられた青銅器と言ったほうがいいのかもしれません。「蓆鎮」とは、室内の敷物や帷帳などが風にあおられてしまわないように置いたりする重石のことです。
第2位・獣面の蓋が可愛い亜醜父丙爵(商後期)
解説がよくわからなかったんですが、山東地方に「亜醜」という青銅器製作に長けた一族がいたんだそうですが、彼らが作った「爵」ということみたいですね。「爵」とは、最も早い時代から出現した礼器で、三本足に取っ手のある酒器です。
この爵は蓋があって、その蓋に動物の顔がついてて可愛いですね。
キノコ型の角がある羊のような動物です。
キノコ型の角があるものは「龍」である、とする場合があるので、これは龍なのかもしれないですが、龍ってこういう顔だっけ?と思うのは日本人だからでしょうか。
いずれにしても、このマズルのあたりのホンワリ感からの、耳のつき方なんかが羊のサフォーク種みたいでめちゃ可愛い。
第1位!脚は人で持ち手は動物。二重に可愛い人足獣鋬匜(西周晩期)
そして、栄光の第1位はこちら!
「人足獣鋬匜(い)」です。
「匜」というのは、注ぎ口のある楕円形の器体に、架空の動物の首をかたどった把手があり、四本の脚があります。この脚は人の場合もありますが、龍や鳳凰のような動物であることが多いようです。手を清めるための器なんだそうですが、カレーポットみたいな形ですね。
こちらの可愛さはなんといっても、取っ手にあるこの子ですよね!
もうちょっとで、水面まで届くってところまで頑張ってるって感じ。可愛い。
そして、足になっている人形も口笛を吹いてるような口元で、ほんわかしてます。神事に関わる場面で使われるんじゃないかと思いますが、緊張感以上に可愛さが立っているデザインですね。可愛いなあ。
古代中国のデザインは、何かどこかにキュートさがあると思うのです。極まってスゴイ(やややりすぎ感あり)ところに可愛さを混入して、フッと緊張感を和らげてくれるような感じと言ったらいいでしょうか。やっぱり好きだなあ。