故宮博物院@台湾に行ってきました!②中国文化と言えば、玉器と青銅器ですよね

5000年を超える中国文化を象徴するものは「玉器」と「青銅器」

故宮博物院を参観するワタクシ。一番最初の部屋(仏教美術)で、思い切りはまってしまって、時間はどんどん過ぎるばかり。しかし、中国文化においては、仏教と言うのはもちろん大切な要素なんですけども、やや新しめの外来文化と言いますか、文化を構成する要素のひとつに過ぎないと言っていいと思います。

じゃあ、中国文化の根幹となっているものとは何か、という話ですよね。

簡潔に言ってしまえば、それは、約5000年余りの間に、中国から発生した様々な神話や宗教、思想などが堆積したものだと言えるでしょう。その重層さ、複雑さ、大量さを思うと、気が遠くなるような気がします。

そんな中国の世界観を一貫して代表しているものとは何かと考えますと、それは「玉」ではないかな、と私は思います。

(5000年ほど前の新石器時代・紅山文化の玉器。詳しくはまた別のレポートで)

「玉」(玉器)はいずれの時代においても、非常に大切にされてきました。日本人にはいまいちピンと来ないと思いますけど、中国文化圏において「玉」への信仰は、並々ならぬものがあります。もちろん世界中で、美しい貴重な石に対する信仰はあるわけですが、中国の「玉」へのこだわりは、ちょっと特殊なかんじがします。

(形骸化してますがこれも玉器と言えなくもない。翡翠でこういう鮮やかなグリーンとなるとミャンマー産。発見されて流通したのは17世紀末からなので、この白菜が製作されたのはそれ以降だと推察できますね。)

そして、「玉器」と同じくらい中国文化で特殊発達をしたのが、「青銅器」でしょう。「紀元前の中国文明の超絶的スゴさ」を体感するためには、「青銅器」を見るといいと思います。

私はこの青銅器が大好きなのです。幸いなことに、日本の文人に青銅器は大変愛されたために、泉屋博古館、根津美術館、奈良博青銅器館(坂本コレクション)など、ものすごいコレクションがいくつもあります。日本は世界でも有数の中国古代青銅器コレクション国なのです。

60年代以降の中国では、考古学的調査によって、たくさんの青銅器が発見されましたが、それ以前では、日本のコレクションと故宮博物院のコレクションが際立っていたんだろうと思います。そして、伝世ものの宝庫と言ったらそれはもう、故宮博物院のコレクションが圧倒的だろう、と私は想像していたのでした。清朝皇室が収集したであろう、伝世の青銅器なんて言ったら、もう、そりゃヤバいでしょう。

ちなみに、「伝世」と私が言っているのは、いつの時代かわからないですが、あるポイントから人の手に渡り、その来歴がある程度明らかなものを指しています。

古代青銅器、やっぱりすごいとしか言いようがない

というわけで、故宮博物院では、この青銅器を見るのがとにかく楽しみでした。想像通り、まさに天国のような状態!

私は思わず「フおおおおお」という奇声を上げ、ガラス越しにかじりつきました。

やっぱりすごいわ。

これだけ状態のいい良質なものが、これでもかと並んでいるなんて。清朝皇室の権力、やっぱ半端ないわ。

まず上の写真の青銅器。

これは、やばい。すごい。

説明には、「召卣、西周早期、酒器、 BC11~10」とあります。この「卣」は、日本語では「ゆう」と読みます。神に捧げる酒を入れる容器のことです。神に捧げる酒器にはたくさんの種類がありますが、「卣」は、楕円形と言うか、アーモンド形のものを言うようです。「漢字」は、私たち日本人が思う以上に、厳密に使い分けられるんですよね。

うわあああ。本当に美しい!!!

……さて。私の感動は、さておき。

このレポートを読んでくれる人は、はたしているのかどうか。古代中国の祭祀について、どれほどの人が興味があるのだろう……と、思うんですけども、もうちょっと青銅器について、レポートさせてください(弱気)。

(次回へと続く)