【仏勉】①悩み深き人・シッダッタ

仏陀(ぶっだ)とは???
あけましておめでとうございます!
ありをりある・ブツタビでは、年初にふさわしく、仏教のおおもとである「仏陀」についてお勉強してみたいと思ってます。よろしくおねがいします!

さて。
私はお寺や仏像が好きなので、そのことを周りの人にお伝えすると「仏陀って何なの?」と聞かれることがよくあります。仏教やお寺は身近にありますけど、意外とそのあたりちゃんと教えてもらったりしないですよね。

私も実はたいして詳しくないので、そんな時には「仏陀は悟りを得た人、という意味で、仏教を開いたお釈迦さんのことですよ~」なんて言ってお茶を濁してました。

念のため『岩波仏教事典』や『日本仏像事典』を確認してみても、大まかには間違いありません。「ブッダ」=「お釈迦さん」なのです。

仏陀坐像@シュユダゴン・パヤー(ミャンマー)

仏陀坐像@シュユダゴン・パヤー(ミャンマー)

悩み多き人・シッダッタさんの波乱万丈な人生
さて、みなさん、この「お釈迦さん」ってまたどんな意味かご存知でしょうか。
お釈迦さんは、親しみを込めた呼び方で、正確には「釈迦牟尼(しゃかむに)」、「釈迦如来(しゃかにょらい)」、略して「釈尊(しゃくそん)」とも呼ばれます。

お釈迦さんの本名は「ゴータマ・シッダッタ(シッダールタ)」。紀元前5世紀ぐらいに実在した人物です。ちなみに姓がゴータマ、名がシッダッタ。ネパール系の民・釈迦族(サーキヤ族)の正統な王子として生まれました。長男だったので今で言うと皇太子ですね。次の釈迦族の王になるべく大切に育てられました。

シッダッタさんは、子どものころからめちゃくちゃセンシティブな人でした。普通の人なら看過してしまうようなことでも、立ち止まってしまうような人だったみたい。お父さんもとても心配して、とにかく恵まれた環境を与え、早く愛する妻や子を持ってもらって普通の大人の男性になってほしいと願っていたようです。
シッダッタさんも、そんなお父さんの愛情や期待、周囲の気遣いを感じつつ、人生の問題に思い悩みながらも、奥さんを何人か迎えました。子どもも誕生し、誰もがうらやむような恵まれた人生を送っていたのですが…。にもかかわらず、結局、悩みからは解放されず、王位も家族も投げうち、29歳で出家してしまいました。

出家と言うと言葉はキレイですけど、つまりは「家出」。
当時の年齢を今の年齢の感覚にしたら、30代後半くらいなんじゃないかな。
つまり39歳くらいの働き盛りのお父さんが、いきなり家出しちゃった、みたいな感じですよね。こりゃたいへんだ。
非常に繊細な優しい人だったでしょうから、自分がどんなに無責任なことをしているかとか、わかっていたと思いますけど、おそらくそんな無責任なことをしなくてはならないくらい心が追い詰められていたんでしょう。

悩み深き人が「悟りを得た人」に
シッダッタさん、二人の高名な聖者(修行者)について修行しましたが、結構すんなり体得できちゃって、満足できず。
さらに山に入って究極の苦行したりしましたが、…結局6年ほどたって、この苦行が無意味であることを知りました。そして苦行を中止。河で沐浴して、村娘スジャータが捧げてくれた乳粥を食べ体力を回復し、ブッダガヤーの菩提樹の木の下で沈思瞑想して、ついに悟りを得ました。このときわずかに35歳。
この時から亡くなる80歳までの間、インド各地で教化を行いました。そしてインドの伝統的な身分制度(カースト制)にとらわれない、平等主義の教団を造り上げます。
これが、「仏教」の始まりです。
(続く)