About 武藤 郁子

神仏・聖地探訪家。編集者兼ライターとして神仏や聖地、歴史や自然をテーマに活動中。著書に『縄文神社 首都圏篇』(飛鳥新社)、『縄文神社 関東甲信篇』(双葉社)、共著に『今を生きるための密教』(天夢人)がある。2024年6月『空海と密教解剖図鑑』(エクスナレッジ)を上梓。

file.45 澤田屋の「栗きんとん」

いちにちいちあんこ

行動派の両親が、一泊で何やら長野のほうに紅葉を観に行ってきたそうです。よろしいですなあ。紅葉は、埼玉のこの辺りでもかなりきれいなんですけどね。自然にあふれたところに住んでいても、紅葉狩りはまた別腹ということでしょうか。

さて、その紅葉狩りのお土産がこちら!
栗きんとん「木曾伝承の栗きんとん」とあります。ということは両親は木曾のほうにいってきたのかな?(あいまい)

木曾の栗きんとんといえば、……そういえばよくこの時期になると新宿小田急に期間限定のお店が出てて、私も何回か買ってたなあ。結構お値段もそこそこするんですよね。

考えたら「栗きんとんはあんこものなのか」、という疑問がふと脳裏をよぎりましたが、まああんこカウントで、いいでしょう!ね!?
栗きんとん中津川の栗きんとんって本当に有名で、中津川の和菓子屋さん何店かで作ってますよね。このお土産の澤屋さんというのは多分初めていただきます。
栗きんとんおお、そうそう、こんなかんじですよ!
ちょっと写真、ピンとずれてますね。すみません^^;。とにかくこの「栗きんとん」は、「そのまま和栗」って味。和栗は海外の栗よりも少しあっさりしてすっきりした後味ですが、こちらはまさにそれ。

栗きんとん中を割っても、全部、栗!
これ、栗好きにはたまらないですよね~~!

私も栗大好きなので、大事に大事にいただきました。美味しゅうございました♪

澤田屋
http://www.sawadaya.com/

 

『荒ぶる波濤』/津本陽著

突然ですが、実は私、古武術、剣豪好きなんです。

昔、剣道をやってまして、その時の師匠(正確に言うと師匠の師匠の師匠ぐらい。雲の上の人)が、ま~~~かっこよくてですね。私が出会ったのは中学生ぐらいでしたが、そのときすでに60代後半だったと思います。胴着姿もかっこよかったですけど、普段も細身の引き締まった体にいつもピシッとピンストライプの背広で、髪の毛はオールバックでね。

ものすごく強くて、厳しくて、そして優しい人でした。「昔の剣豪というのはこういう人だったんじゃないかな」と子ども心に思い、憧れました。
言葉はあまり多い人ではありませんでしたが、微笑みを含んだ視線でうなずかれたりすると、泣きたいくらいうれしかったものです。関わり合いは遠いはずですが、ずいぶん可愛がっていただいたと思います。どうしてそうしていただけたのか、今でも不思議なくらい。

さて、この先生のたたずまい、というのがいつも頭の中にある私としては、剣道を自分ではやらなくなってしまったその後も、剣豪小説は大好きなジャンルです

そんな私にとって、津本陽(つもとよう)先生という作家は、特別な存在でした。津本先生はまさに「大作家」。直木賞はもちろん、紫綬褒章などでも顕彰されておられます。

『下天は夢か』などの戦国もの、『塚原卜伝十二番勝負』などの剣豪もの、『坂本龍馬』などの幕末ものなど…。本当にたくさんの作品をものされてますが、その中でも、特に剣豪ものが私にとっては好きなジャンルです。

ご自身も剣道3段、抜刀道5段の剣士でらして、自身の体験から来るであろう体さばきや心の動き。そういうものがとてもリアルではっとさせられます。また、エッセイでは古武術の道場を訪ねる、といったものもあり、それがまたおもしろいんですよねえ!すっごい勉強になります!

さて、そんな憧れの津本陽先生の単行本を、文庫にするということで、お手伝いさせていただいたのが本書です。いやあ、もう本当に光栄です!!子どものころから尊敬している作家の先生のお仕事させていただけるなんて、ほんと幸せものですね。

荒ぶる波濤

剣豪ものではなく副題にあるように、幕末のお話。主人公は「陸奥宗光(むつむねみつ)」さんです。陸奥宗光さんといえば、明治時代の名外交官として有名ですよね。

幕末以来の宿願であった欧米列強との不平等条約を、見事撤廃させた人物です。そして日清戦争では、伊藤博文首相とともに、外相として全権として下関条約締結にも立ち会いました。

しかし、本書では、その前のお話、青春時代の陸奥宗光「陸奥陽之助」が主人公になっています。
ものすごい外交官・政治家になる前のお話です。溢れる才能に恵まれた秀才でありながら、未熟で、世の中を冷めて見ている、孤独な青年…。こういう言い方してしまうのはよくないかもしれませんが、かなり「やなやつ」です。頭がよくて、才能もあるけど、なんだか周りを拒絶するような、そんな感じの青年。

そうなるのはまあしょうがないよね、ってくらい大変な目に合っているので、納得してしまうのですが、そこで、「坂本龍馬」と出会います。龍馬の天真爛漫さと大望に引き込まれていく陽之助。そして龍馬が死ぬまでの間の二人の「青春時代」が本書では描かれています。

幕末から明治というのは現代日本の「青春」と言ってもいい時代ではないかと思います。荒々しくて乱暴でめちゃくちゃで。でもちょっとだけ切ない。のちに大成する陸奥宗光ではなく、未熟で孤独な青年・陽之助の青春が、時代とオーバーラップしていくかのように描き出されていきます。

津本先生らしい、重厚な歴史小説です。幕末好きな方、坂本龍馬マニアな方もぜひお手に取ってみてくださいまし!(むとう)

 

file.44 鶴屋吉信の「つばらつばら」

いちにちいちあんこ

日々は過ぎ去り、あっという間に11月も後半に突入。
早いですねえ。もうカンペキ冬って感じですものねえ。

さて、昨日は、「仏頭展」@東京藝術大学美術館と東京国立博物館へ行ってきました。タイミングのいいことに、偶然に石造センパイ@イシブもご一緒でき、久しぶりにいろいろお話しできて楽しい一日でした。

歩き疲れた私たちは、トーハク平成館一階に出店している京都の和菓子屋「鶴屋吉信」さんで、甘味を購入。

私は、大好きな「つばらつばら」を。センパイは「京観世」。両方とも鉄板で美味しいですよねえ。

ちなみに、HP拝見しますと…

「つばらつばら」とは、万葉集にも登場する風趣あることば。 ”しみじみと・心ゆくままに・あれこれと ”の意味があります。 万葉の歌人・大伴旅人は、太宰府長官として九州に赴任したとき 「浅茅原 つばらつばらにもの思へば 故りにし郷し 思ほゆるかも」 と歌を詠んで、故郷の遠き都へ想いをはせました(HPより引用)
なんだそうですよ。大伴旅人の和歌からの命名だなんて、さすが都ですなあ。「しみじみと、ここ行くままに・あれこれと」っていいですね。本サイトの名前「ありをりある」は造語ですが、「飾らずありのままにそこに在る」という意味でして、結構似てるような…。
つばらつばら
パッケージは、秋仕様になってます。可愛い!
いつもは浅い茶色の縞々と白のコントラストがモダンなパッケージですけど、こういうのもすてきですね。
つばらつばら

中はこんなセットアップです。本当に丁寧な包装ですよね。きれいだなあ。
つばらつばら台紙のように添えられた由緒書き。少し厚めの良質な紙に、スタンダードな明朝体に墨一色で印刷されています。過剰パッケージといえばそうですが、「すぎる」と感じさせず、さりげなく「丁寧」と思わせるところが、京都らしいですね。見事です。
つばらつばら美味しい!!

何度食べても、本当に美味しい!

しっとりもちもちな皮、しっとりさらりとした粒あん…。手に持った時はちょっと小さいなあ、この量なら一気に3個は行けるよ、と思うんですけど、一個食べ終わったら、一個でちょうどいいな、と思うんです。それだけ満足感があるってことですよね。

博物館を歩き回ってくたびれていた私たちも、すっかり元気を回復できました。やっぱりおいしいあんこのパワーはすごい!

鶴屋吉信
http://www.turuya.co.jp/syoukai/yaki_tsubara.html