file.127 茶杖藤村の「たばしる」

いちにちいちあんこ

11月の一週目に関西へ取材旅をしてきました。

今回の目玉はなんと言っても滋賀県は石山寺の、ご本尊特別ご開帳!
実は石山寺に行ったことがなく、ずっと行きたいと思っていたところに、ご開帳情報ときたので、これは行かねば、と思っていたのです。

そして今回は、なんとスペシャルアテンドが~!

タオルソムリエとして大活躍の、寺田元さんです!!!
→「タオルはまかせたろ.com」を運営されていますよ~!

編集をお手伝いさせていただいております『本所おけら長屋』シリーズの著者、畠山先生のお友達で、東京で何度かお目にかかる機会があり、「滋賀に来るときには声かけてね~」というお言葉を真に受けて、思い切ってお声かけたら、快くお付き合いくださいました!

石山寺から三井寺、西教寺へと、カンペキなるアテンドで、本当に素晴らしい一日を過ごさせていただきましたが、もちろん食べるもののセレクトもカンペキ!!

私があんこ好きだとご存じだったので、とっておきのあんこものをご馳走してくださいました。

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石山寺の門前にある甘味処「茶丈藤村(さじょうとうそん)」さんです!!
なんとこちらのご主人は、元さんの昔からのお友達とのこと。いいですねえ。地元ならではです!

迷うことなく元さんが注文されたお菓子の名前は「たばしる」。
おお!
それ、ガイドブックとかいろんなところで、拝見していて、ぜひ食べてみたかったあんこものです!!食べてみたかったんです~!やった~!!

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我慢しきれず、車の中でいただいちゃいます!
#さらに元さんに持ってもらっちゃった~w

お洒落なパッケージですね!
それにしても〔たばしる〕って名前が、ほんとステキ。
松尾芭蕉の「石山の 石にたばしる あられかな」の句からとった名前だとのことですよ。
20161114-3お店のHPを拝見しますと…
「釜あげ丹波大納言」とクルミを求肥でくるんでいます、とあります。あんこではなく、甘納豆のような、鹿の子のようなアズキがホワホワのお餅につつまれてる、というわけですね!
美味しそ~~~~!
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さっそくいただいてみますと、なるほど!
これは確かにあんこではない!!
しっとりとした甘納豆をお餅と一緒に食べてる感じ!
その中にかりっとクルミが効いてます。かけらのポーションが大きいので、存在感バッチリ。でもその大き目のクルミのかけらが一個だけしか入っていないので、クルミ過ぎない感じで、バランス絶妙。これ、細かく砕かないの正解。それぞれの食感とうまみを十分に味わうことができます。

甘味もほど良くて、アズキの風味が立ってます。深いけどさらっとしてる。
いいなあ。いくらでも食べられちゃいますよ~!

元さんが買ってくださった、6個入り。残った分は、翌日一気に食べきりました。甘味がすっきりしてるので、ほんと美味しい♪
幸せです~~!

元さん、本当に素晴らしい一日をありがとうございました!

茶杖藤村
http://sajo-towson.jp/sajo_towson/index.html

 

file.72 かぎや菓子舗の「でっち羊かん」

いちにちいちあんこ「丁稚羊羹(でっちようかん)」ときいて、ピンと来る人は西のほうのご出身ですね。

関東出身なむとうは、大人になるまで「丁稚羊羹」を知りませんでした。

丁稚羊羹というのは、三重県、滋賀県、福井県から以西の各地方で作られているそうですが、その地方地方でかなりいろんなパターンがあるみたい。どちらにしても、「丁稚さんが帰るようなお手軽価格の羊羹」という特徴は変わらないみたいですね。

ちなみに滋賀県近江八幡のあたりでは「竹皮にくるまれた蒸羊羹」のことだそうです。

私がかぎやさんで購入したのは、こちら!
でっち羊かん確か、一本260えん!安い!!

これまでご紹介したいがまんじゅうや中葉が、すごく美味しかったので、この丁稚羊羹も間違いなく美味しいぞ、と思い当初一個しか買ってなかったのですが、もう3個買い足しに、お店に戻りましたよ。お店の人は、驚きながらも喜んでくれましたけど♪

そして、自宅へのお土産にしました。
でっち羊かん家に帰ってから……。さっそくいただきまーす!
あけてみますと、竹の中に蒸羊羹がたっぷりと。
でっち羊かんおお!おいしそ~!
#しかし、ぬかったことに、断面図を撮るの忘れてた^^;。

丁稚羊羹らしく、甘さは控えめ。小麦粉が少し入っているからか、ちょっとむちっとしています。そもそもかぎやさんのあんこが美味しいので、こちらの羊羹もじつに美味しい。練り羊羹のように濃い味ではなく、もっとサラッともちっといただけるって感じです。

その後、ネットで検索して知ったのですが、これはこうして開かないで、竹ごと切って分けて出すといいみたいです。確かにそのほうがかっこいい!ぬかったああ。

かぎや菓子舗
http://tabelog.com/shiga/A2503/A250302/25003922/

file.70 かぎや菓子舗の「いがまんじゅう」

いちにちいちあんこ地方に旅するとき、何より楽しみにしているのは、その町ならではの伝統菓子をいただくことです。

自分で言うのもなんですが、その町で古くから続いている和菓子(お菓子)やさんを見つける才能だけは、飛びぬけて「ある」と思います。普段は小心者ですから自信があるなんてまず思いませんが、これだけは、けっこう大きな声を出して言えます。

野原を歩いているときなど、哺乳類や爬虫類の気配はすぐに察知することができるのですが(虫はいまいち察知できない)、その生き物の気配を察知するのに反応する部分を使って、和菓子屋を察知している、と思うのです。

先日も、イシブカツで石造センパイと蒲生郡日野のあたりを取材して、車を走らせているとき、「ハッ」と気配を感じました。
かぎや「む…」

そう唸ってスピードダウン、きゅいっと左に折れて駐車場に入ります。

「むとさん、ひょっとして…」
「はい。ちょっと寄ってもいいですか?」

石造センパイは、こういうシチュエーションに慣れてます。森の中でイキモノを見つける才能と、カントリーサイドで美味しい和菓子を見つける才能を、私が持っていることを知っているのです…。

お店に入ると、おおお!

当たりです。作り立ての上生菓子だけで10種類ほど。そのほかに、見たことのないこれこそこの地方のお菓子だ!と思うものを3種類発見。

いそいそと購入して、次の場所に行っておやつを食べよう、ということになりました。

イシブでむかったのは、蒲生氏郷で有名な蒲生氏ゆかりの場所。蒲生氏郷のおじいちゃんのおじいちゃんである蒲生貞秀(さだひで)のお墓です。
anko20140616-1見てください、この素晴らしい田園風景を!!
このあたりの風景、戦国時代とあんまり変わってないんじゃないかなあ。
これが蒲生氏の原風景ってやつなのではないでしょうか。

ちょっと右寄りの上のほうに赤い屋根の小屋がありますが、その左上あたりにこんもりとした部分があるのわかります?ここに貞秀さんのお墓があり、こちらの基礎部分に彫られたレリーフをみたくて、足をのばしたのです。そのお話はまた追ってですが、お参りを済ませた後、お墓の手前の木陰で包みを開いておやつタイムです。

いがまんじゅう これです~!!「いがまんじゅう」です~!

いがまんじゅうと言えば、我が郷里・埼玉県にも「いがまんじゅう」がありますが、なんと近江の地で同じようなおまんじゅうに出会うなんて!

それにしても美味しそう。あんこの入った柔らかいお餅の周りにもち米をくっつけていっしょに蒸している感じですね。ちなみに埼玉のいがまんじゅうは、小麦粉のおまんじゅうの上にお赤飯を乗っけていっしょに蒸すので、ちょっとちがうかな。
いがまんじゅうお餅はふわっとスルッともちっとしててものすごく上質。あんこはとってもジューシーなこし餡です。甘味も控えめで上品ですがきっちりアズキの風味が生きています。これだけでも美味しいと思いますが、これまたちょうどよい塩気をまとったもち米がそこに違う食感として入ってきたら、もおお!!

そりゃ美味しいですわ!

そして、この赤(ピンク)と白の色が可愛い。ふだんはこの組み合わせなんだそうですが、お葬式なんかでは白と黄色をお出しするんですよ、とお店の人が言っておられました。ちなみに味は同じです。

いや~、ほんとにこのいがまんじゅう、一気に3個はぺろりと行けますよ!

めちゃくちゃ美味しかった!!

ところで、このかぎやさん、このほかにも4種類いただいてみましたが全部美味しかった。なので、数回に分けてこちらでもご紹介しちゃいます。

いやあ、本当に見事な和菓子屋さんです。お店の方もあったかくて素敵だったしなあ。こういう出会いがあるから、旅はやめられません!

かぎや菓子舗
http://tabelog.com/shiga/A2503/A250302/25003922/