file.97 茂助だんごの『どら焼き』と『とら焼き』

いちにちいちあんこ

分かってはいたものの、先週からかなり厳しいスケジュールになっています。9月刊行の担当本が2冊あり、しかもそのうちの一冊が締め切りをあまり気になさらないタイプの先生なため、まあ、こうなるよね、という感じではあるのですが…

しかし、ひたすら家にこもって作業、駆け足で豊洲のP社さんへとダッシュ、な日々を繰り返しておりますと、なかなか素敵なあんこものに出会えません。

そこで、ちょっとだけ時間があるときに期待を込めて訪れたのが、豊洲駅前にあるスーパー。ちょっと高級な感じのスーパーで、意外な逸品を普通に売ってるお店なのです。

ないかな~、と探していると…

あ~!あった~~!

なんと茂助だんごがおいてありますよ~~!!

すごい、百貨店とかの出張販売は見ますけど、セルフでとるっていうスタイルは初めて見ますよ。

茂助だんごさんと言えば、築地の名店ですから、豊洲は結構近いですもんね。それも関係あるのかもしれませんね。

鉄板のお団子をいただきたいと思ったのですが、なんと言ってもこれからお仕事先へ向かいますので、ちょっとそれは持ち歩くのには向いてないな、と思い個別包装してあったどら焼きととら焼きを買ってみました。

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左が「とら焼き」で、あんこは白あん。右は「どら焼き」で小豆あんです。

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いいですね~。コロンとしたたたずまい。

大きさはちょっと小ぶり、かな。でも150円という値段を考えたら決して小さくないですよね。

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割ってみるとこんな感じです。

あんこは、お団子のあんことはちょっと違う気がしました。どら焼き用のあんこなのかな。とはいえ、ふっくらとみずみずしくて美味しいあんこです。

どら焼きの皮は、けっこう膨らんでる系ですね。大柄で素朴な感じ。ケーキドーナツ系とでも申しましょうか……

食べ終わって思いました。
小ぶりだな、と思ったのは気のせいでした^^;

しっかりとあんこも入ってますし、皮もしっかりしているので、かなり腹持ちいですよ。

実は写真を撮るの忘れてしまったんですけど、「とら焼き」の白あんがすごい美味しかった!どちらか一つ、と言われたら「とら焼き」がお勧めですね!!

ひさしぶりに本店のほうにもいってみたいなあ。築地もご無沙汰しちゃってます。

茂助だんご
http://www.fukumo.jp/index.html

file.59 銀座文明堂の「森幸四郎のどらやき」

いちにちいちあんこ

文明堂さんと言えば、カステラ。ですよね。

「カステラ一番、電話は二番、…」のCMソングは子供のころの定番。カステラと言えば文明堂、とインプットされています。

どちらかというと、庶民的。手の届くご馳走って印象ですが、数年前、京都の伝統工芸士の先生と銀座で食事をご一緒した時に、奥さまが「ちょっと文明堂に寄りたいの」とおっしゃる。

美食家の奥さまが文明堂?と、失礼ながら驚きましたが、そんな私を見て奥さまは「こちらの極上カステラは、それは美味しいの。東京でしか買えないのよ」、と微笑まれました。

その時奥さまが買ったカステラは、一本6000円くらいしたと記憶してます。

とと、今、文明堂さんのサイトを見ると、一番高いカステラは3990円なので、私の勘違いでしょうか?あれ??

あ、これひょっとして…と思って確認しましたら、私が見ていたのは「文明堂 東京」のHPでした。奥さまが立ち寄ったのは「銀座文明堂」です。間違いました^^;。
#文明堂さんは、暖簾分けで複数あるんです。

…と探してみると、あったあった!

6300円のカステラ!これです!!

「天下文明極上カステラ」。

そうそう、これですよ!
「カステラ一本6000円!?」と庶民な私は度肝を抜かれました。

……さてさて。

そんな思い出から、強引ですが今日のいちあんこでございます。

実は、この銀座文明堂には「食の人間国宝」と呼ばれる、「フードマイスター」の称号を与えられた職人さん「森幸四郎」さんがおられます。
#この、フードマイスターというのは、農林水産省が優秀な製品を作る伝統を守り続けている最高の製造技術者に与える称号なんだそうですね。

この「天下文明極上カステラ」も、この森幸四郎さんの長年の集大成ともいうべきレシピで作られてるんだそうです。やっぱり一度食べてみたいなあ。

さて、ちょっと敷居が高い極上カステラですが、私にも手の届く「森幸四郎」さん作品があります。それが本日の…
どらやき どらやき!!
です。一個210円。手が届きますね。

実は、東京駅の大丸で「森幸四郎」というお店で出されており、あんこ好きの間では前から評判で。ぜひとも一度食べてみたいと思っていたのです。

どらやき

封を開けてみますと、おおお、なんか香ばしい香り!!
普通のどらやきとはちょっと違います。生地もしっとりしているのが見ただけでわかります。

どらやき

横から見るとお分かりいただけますでしょうか。普通のどらやきよりも少し油分もあるのかな。しっとりしてますし、また、周囲に生地のこげの部分がヒラヒラついてます。これも普通とは違う。

どらやき

割ってみますと、この生地の部分、見てください!気泡のような部分がかなり多くあります。この生地は、和菓子のどらやき、というよりはやはり少し洋菓子っぽいテクスチャーなのです。しっかりと焼しめたパウンドケーキのような…。

食べてみますと、…やっぱり香ばしい!
カステラの茶色い部分って、キャラメリゼされた風味で少し苦みがあっておいしいですよね。全く同じではありませんが、遠くに共通点があります。

そして、醤油の風味も効いてます。遠くにですけど、確かにあります。

それから、卵が強い!

普通のどらやきより卵の量が多いんじゃないでしょうか。

これぞ「カステラ職人のどらやき」です。森さんの、まさにご自分の出自を語る逸品ですよ。

あんこは、甘さ控えめでほっこりしています。とても美味しいあんこですが、ここではわき役に徹していますね。主役はあくまでもこの生地です。

個人的には、上野うさぎやのどらやきのほうが王道だと思います。あれこそ和菓子のどらやきの最高峰でしょう。こちらのどらやきは、カステラ職人の心がこもった一品で、ある意味別物と思います。

なんか感動しちゃいました。ここに道あり、ですよ。

銀座文明堂
http://www.bunmeido.com/