About 武藤 郁子

神仏・聖地探訪家。編集者兼ライターとして神仏や聖地、歴史や自然をテーマに活動中。著書に『縄文神社 首都圏篇』(飛鳥新社)、『縄文神社 関東甲信篇』(双葉社)、共著に『今を生きるための密教』(天夢人)がある。2024年6月『空海と密教解剖図鑑』(エクスナレッジ)を上梓。

file.74 新正堂の『切腹最中』と『景気上昇最中』

いちにちいちあんこ

新橋で友人と待ち合わせということになった時、「切腹最中買いに行こう!」と思いつきました。

甘いものに詳しい方から以前からお勧めいただいていたのですが、新橋のあまり行かない方向にあるので、なかなか足をのばせずにいたのです。

『切腹最中』という名前がすごいですよね?

なぜこんなネーミング?と思いますが、「忠臣蔵」で有名な浅野内匠頭が切腹した屋敷があった場所にある和菓子屋さんだから、ゆかりのものを作ったということなんだそうです。

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こちらがその新正堂さんです。

新橋駅から7、8分ほどでしょうか。銀座とは逆の方向。

こじんまりとしていて、なんかいいかんじです。テイクアウトのアイスなんかもあって美味しそうでしたよ。

いろいろ悩みましたが、お目当ての切腹最中のほかに「景気上昇最中」というのも買ってみました。サラリーマンの聖地・新橋にふさわしい最中です。

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こちらが念願の『切腹最中』!

パッケージが可愛いですよね。

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全体を覆うのではなく、まるで帯のように白い和紙で真ん中を結んでる。この白い帯が不思議と「武士」って感じ出してますよね。

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いいですね、なんか粋だなあ。

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そして皮からはみ出しそうに詰められたあんこ。おなかからはみ出しちゃってるあんこ、切腹、、、

そう考えると結構えぐいデザインかもな……

いえいえ、そんなこと考えちゃいけません。
anko20140823-6あんこは粒あんで、中に大きな求肥が入っています。

あんこは、……美味しい!

アズキの深い味がとてもよく出てますよ!甘味はそれほど強くないはずなんですが、あんこの深い味が重みとなってずっしりとした感じになっています。

anko20140823-7そしてこちら『景気上昇最中』。

いいですねえ。これはクライアントに手土産でもっていくのにもってこいですよね。

ちなみに、『切腹最中』はR25の、「謝るときにもっていきたい手土産」ランキングで一位に輝いたんだそうですよ。「腹を切ってお詫びします」みたいな感じですか。洒落が利いてていな~w。
anko20140823-8おお、やっぱりというかなんというか、小判型です!
anko20140823-9割ってみると、こちらのあんこはこし餡です。黒糖の風味が利いてますね!
切腹最中のあんことは全く違う方向性のあんこで、いい感じです。種類は同じく最中ですけど、まったく違うお菓子といえるかも。

HPを拝見すると、ちょっと面白い解説があったので転載しますね。

「縁起の良い小判型の最中にこしあんで黒字にちなんで黒糖を使ったコクのあるあんをいれました。黒糖はカルシウムや鉄分などのミネラル、ビタミン類をたっぷり含んだ、栄養価の高い自然食品で、疲れた体と脳に活力を与えます。「景気上昇最中」を食べて、イライラを解消し、集中力をアップさせ、一日も早い景気上昇(回復)をめざして頑張りましょう。」
(新正堂HPより転載)

「イライラを解消し、集中力をアップさせ」なんてのがいいですね~ww。

確かに、この最中を食べて一服するとちょっと余裕を持てるかも。

新正堂さんのお菓子は、どれもとにかくちょっとシャレが利いてる。お店の方も朗らかで優しい感じで、とても気持ちよくお買いものできました。

今度、仕事先にお持たせをすることがあったら、ぜひこちらのお菓子を使ってみたいな。

何かのついでに、ができないのがちょっと大変ですけどね。

新正堂
http://www.shinshodoh.co.jp/index.htm

大好評シリーズ『おけら長屋』第三巻刊行記念!9月15日、東京下町・曳舟にてサイン会を開催します!

お手伝いさせていただいております、『本所おけら長屋』(PHP研究所)シリーズ、待望の第3弾がいよいよ9月10日に発売になります!!

20140821どどーん!

ご本人のお許しをいただきましたので、PHP研究所のN編集長のお写真も大公開!

落語と小説を愛してやまないN編集長。
大変お忙しい方ですが、特に本シリーズ『おけら長屋』への愛情は計り知れないものがあります。

いつでもどこでも、畠山先生が作ってくださった「おけら長屋はっぴ」を持参。営業に余念がありません!!

そしてこうして3冊を並べてみたりして。いやあ、いいですね!!
N編集長も感無量といった面持ちです。

さて、今回のお話も、お待ちいただいてる皆さんにご納得いただけるような、素晴らしい造りになっていると思います。笑いあり、泣きあり。人間っていいよねえ、とほっと一息つけるような……そんな優しくておもろい世界はますます加速してますよ!!

そして、今回は何と、刊行を記念してサイン会を開催いたします~~!!!

「畠山健二先生サイン会」
日時:2014年9月15日(月)15:00~
会場:廣文館イトーヨーカドー曳舟店 
     東京都墨田区京島1-2-1 イトーヨーカドー曳舟店内4F
     TEL:03-3611-4101 (電話予約可)

著者の畠山先生はほんっと~に面白い洒脱なお方!

「一人おけら長屋」みたいな、江戸の粋と洒落を背負い立つすごいお方です。

そして今回会場となります廣文館イトーヨーカドー曳舟店さんは、地名で言うと向島界隈。まさに下町、おけら長屋のサイン会にふさわしいお店です。

まさに「リアルおけらワールド」。ぜひこの機会にご堪能いただけたらと思います。
私も当時は法被を着てお手伝いしますので、是非、遊びに来てくださいまし!!

(詳細はこちらもご覧ください!)
廣文館HP http://www.kobunkan.com/index.html

PHP研究所 http://www.php.co.jp/news/2014/08/hatakeyamakenji.php

「疾風に折れぬ花あり」(中村彰彦著)第十二回「お身代わり その二」掲載!!

お盆の時期、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私が住んでいる地域は、お盆は7月なので、ごくごく普通の週末を過ごしています。

改めて大人になってふと考えてみると、お盆というのは、いい習慣ですよね。年に一度、祖先が子孫のもとに還ってくる……。 本来は盂蘭盆会(うらぼんえ)、仏教的行事ですが、その由来や意味をよく知らなくても、「おばあちゃんが帰ってくるよ」なんて子供のころから言われて、仏壇の前で手を合わせて来た人が多いのではないでしょうか。

そして、少し思い出話をしたり、知らない大叔母の話を聞いたり、めったに会えない親族にあって近況を報告したりする。

自分がここにいる少し前の小さい「歴史」を、いろんな軸で実感するようなとき、ともいえるかもしれないですね。

さてさて。そんなわけで。

早いものでもう一月が経ちました。

お手伝いさせていただいてます中村彰彦先生の「疾風に折れぬ花あり」が掲載されております『文蔵』9月号が発売されておりますよ~! 20140817

武田信玄の末娘、松姫が主人公の、本作。

戦国時代だから仕方ない、のかもしれませんが、それにしても物語が始まってからずっと畳みかけるように押し寄せる、怒涛のような不幸の連続には、息つく間もありません。

繁栄を極めた武田家ですが、信玄が急死してから一気に滅びの道をひた走ります。

そして瞬く間に織田家に滅ぼされてしまった甲州武田家。松姫さんはまだ21歳ですが、兄たちから「生き延びて武田家の血を残してくれ」と、幼い姫たちを託され、隣の武蔵国へ逃げ落ちました。そして死んでいった武田家の人々を弔いたいと出家し、「信松尼」と名乗るようになりました。

信松尼さんの望みは、仏道に勤しむことで、死んでしまった親兄弟、そして祖先を弔い、あの世でちゃんと成仏させてあげること。言い方間違ってるかもしれませんけど、あるい意味「ひとり盂蘭盆会」です。そして、もう一つの願いは、手元に残された姪たちを無事に育て上げること……

しかし、この細やかな願いも、血筋もとっておきで美女である松姫さんです。なかなか世間がほっといてくれない。

そして、問題の徳川家康さん(女好き)が登場。

前回では、女狩りをして、武田家の家臣だった人物の未亡人だけでは飽き足らず、ついに松姫さんの存在に気付き、追っ手を差し向けてきました。

それに気付いた松姫さんの侍女・お竹さんは身代わりを志願、武田家ゆかりの女性という触れ込みで、家康さんの側室になりました。

これでもう大丈夫かな、と思いきや、そうは問屋が卸さない。

やはり、本当のお姫さまである松姫さんを落としたいわけです。「武田家と徳川家の血筋を兼ね備えた子供が欲しい」という建前がありますけど、正直、それは本当に建前ですよ。ねえ。

そして、またもや使者が訪れます。今度は直球に聞いてきます。「ここにおわすは、信玄公の五女、松姫さまではないのか」と。

ここで、腹を決める家臣一団。自分たちが仕えているのは松姫さんであることを認め、ある思い切った「大ウソ」をつくのですが…

まさに、捨て身の大ウソ、いや奇策です。その奇策とはいったい~!??

…ぜひ、誌面でご確認してくださいまし!

(むとう)