About 武藤 郁子

神仏・聖地探訪家。編集者兼ライターとして神仏や聖地、歴史や自然をテーマに活動中。著書に『縄文神社 首都圏篇』(飛鳥新社)、『縄文神社 関東甲信篇』(双葉社)、共著に『今を生きるための密教』(天夢人)がある。2024年6月『空海と密教解剖図鑑』(エクスナレッジ)を上梓。

「役行者の足跡を訪ね、葛城修験を歩く文化系登山 |友ヶ島・金剛山・御所市」/YAMAP MAGAZINE

写真をクリックしますと記事にとびます!

「葛城」について、かねてから思いを強く持ってきました。まずシンプルに葛城山系という場所に魅せられているということがあります。そして、歴史を愛する人間として、あの一帯が注目せざるを得ないホットスポットだということもあります。

さらにもう一つのポイントとして、日本仏教の黎明期の揺籃のような場所だということです。最も有名なのは、「役小角」ーー「修験道」が生まれた場所ということではないかと思います。

「修験道」は、外来の宗教…仏教・道教などに、縄文以来の日本独自の精神・信仰が結合して生じている流れだと思いますが、始まりの場所である葛城山系には、その雰囲気が、よく残されていると私は感じているのです。何度訪れても、次々と魅力が見つかってしまって、本当に切りがない場所なのです。

そんな心もちでいたところに、ヤマップのTさんが、「葛城修験の記事を書きませんか?」とお声掛けくださいました。「現地取材もばっちりしてきてください!」と心強いお言葉!私は思わず、喜びの声を上げてしまいました。

Tさんは、私が好きな少々濃ゆい文化系の物事について、理解して面白がってくださる、大変貴重な方です。そんなTさんはじめ、ヤマップのIさん、Yさん、そして写真家の川野恭子さんとチームを組んで、取材させていただきました。

そして今回は、巡礼するだけではなく、実際に葛城山系に関わっておられる方々に教えを乞うことができました。和歌山県立博物館の大河内智之さんには葛城修験の歴史や現況について、菩提寺の前川さんには、葛城信仰の記憶やかつての菩提寺の様子について、大変貴重なお話を聞かせてくださいました。そして尊敬してやまない転法輪寺の葛城光龍師にお目にかかり、改めて「葛城を歩く」--その心のありようについて、ご教示いただきました。改めて、ご厚誼に深く御礼申し上げます。

記事にも書きましたが、5月に再び葛城を訪ねたいと思っています。葛城師にまたお目にかかれますのが、今から楽しみです

そして最後になりますが、ヤマップのTさん、Iさん、Yさん、写真家の川野さん、そして金剛山登山にご一緒くださった和歌山県庁のTさん、改めましてありがとうございました。楽しい時間でした!

(むとう)




祝!累計150万部!そしてやっぱり笑い泣きの傑作ぞろい!「人は”心”で動く」んですよね…/『本所おけら長屋(十八)』畠山健二著(PHP文芸文庫)

(画像をクリックするとAmazonにジャンプします)


おかげさまで、累計150万部を突破しました!
まずは、ファンの皆様に、御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。

発売日は明日(3/24)。少々フライングですがお許しを…

重ねに重ねて18巻。
数えてみましたら、18巻でなんと86話!!!

一話一話が入魂の逸品という、このクオリティのお話を書き続けられたのも、先生のお力なのは言うまでもありませんが、皆様の応援のお声が原動力ではないかと思います。

どうかこれからもご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます!

そしてちょっとだけ、ご本の内容についてもご紹介いたしますと、

第一話「あやつり」……
なんとなんと、津軽高宗さんの奥さん・玉姫様が初登場!女性ファンも多い高宗さんですが、既婚者だということは、意外と知られていなかったと思います(初期にちょこっとだけ設定が出ていたんですけどね)。おおらかすぎる高宗さんなので、奥さんの気持ちは全然わかってません。そんなことから起こる大騒動です。ぜひぜひお楽しみに。

第二話「たけとり」……

暴力亭主から逃げてきた心優しい美女が登場。おけら長屋の面々が彼女を守るため奔走しますが、魚辰さんが惚れてしまって…というお話。実は、この設定を今風の言葉で言えば「DV」ですよね。現代らしいテーマをお江戸に織り込むというのも、先生の真骨頂ですね。

第三話「さいころ」……

何歳になっても恋心は止められません!今回は、木田屋さんと大家の徳兵衛さんが恋敵になっちゃますよ。もうこの設定で、ファンの皆さんもニンマリとされるんじゃないでしょうか。この二人とおけら長屋の連中の思惑がからんだら、面白い結末にしかならないですね!

第四話「きんぎん」……

八百金こと金太さんは、あまたいる登場人物の中でも相当な人気者で、「金ちゃんが出てこないと寂しい」「金ちゃんをもっと出してください」と、ファンの皆さんからお叱りをいただきます。でもこのお話で、金ちゃんファンの皆さんにもご納得いただけるでしょう。今回は賢い野犬・銀太が金太の相棒になります。個人的なことで恐縮ですが、私は何度も読んでいますけれども、そのたびに涙があふれてしまいます。こういうお話もまた、先生の十八番ですよね。いいんですよ、ほんともう。

そんなこんなで、今回も全力でお勧めしたいお話ばかりの四話です!!
ぜひ、お手に取ってくださいね~!

(むとう)

2022年、新年のご挨拶

あけましておめでとうございます!

新年ということで、私事ながら昨年を振り返ってみたいと思います。

2021年は、私にとってとても大きな出来事がありました。それは、初の単独著『縄文神社』を上梓できたことです。おかげさまで、多くの方に手に取っていただき、私が提案した《縄文神社》という概念・アイデアは、賛同していただける方が少しずつ増えているように思います。本当にありがたいことです。刊行後も、群馬県、長野県と取材を続けています。これから茨城県、栃木県、山梨県を取材していく予定です。

そして編集として担当させていただいた『おけら長屋』シリーズも16巻、17巻発売されまして、150万部も目の前まで来ております。畠山先生の筆は、ますます冴えわたり、巻を重ねるごとに初動がどんどん伸びているのですが、これは本当に奇跡のようなこと。先生のお力はもちろんですが、おけら長屋を愛してくださる書店の担当者の皆様と、おけらファンの皆様のお力添えがあってこそです。ありがたいとしか言いようがありません。

さらに、大人気でお忙しい関先生のご本を一年で二冊、しかも一冊は書きおろしでお預かりできたことは、思いがけぬ僥倖でした。一人でも多くの古代史ファンにお手に取っていただけたら幸いです。

   *  *  *

2021年のご挨拶で私は「初心を大切にしたい」と書かせていただきました。2022年でも、引きつづき「初心を大切にしたい」と思います。

私は何十年たっても要領が悪く、とにかく全力で取り組むしか能のない人間です。しかし、この年齢になってもそのへんが変わらないところを見ると、つまりこれが私の個性なんでしょう。そんな個性を大切に、初心を忘れず、編集もライティングもしっかりと取り組んでいきたいと思います。

今のところ決まっていることを見ていきますと、ライティングに関しては、刊行は再来年になりますが、自著本を2冊、取材をスタートさせました。どちらの本も大好きなテーマです。そんな機会を与えていただいて、本当に嬉しいですし、ワクワクしています。ショートカットをしないで、一つ一つ丁寧にぶつかっていきます。

また、それに伴って、今年は各地への取材がてんこ盛りです。去年よりはコロナも落ち着いて、動きやすくなることを祈りながら、待ちきれない気持ちでいっぱいです(去年できなかったイベントとかできたらいいなあ、というのは何の計画もない、ただの希望)。

そして編集仕事の方では、畠山先生の『おけら長屋』シリーズは3月と9月に18巻と19巻を刊行予定、関先生は4月に書きおろしのご本を刊行する予定が決まっております。こちらも今からワクワクしております。

それから、本サイトのほうでも、日ごろの動きをちょっとずつでも書いて更新を頻繁にしていきたいと思います。加えて去年始めた『縄文神社.jp』の方も、リアルタイムで上げていけるようにしたいな、と。

こうしてみますと、2022年は課題も多く、ちょっとハードですが、その分かなり面白くなりそうな気がしております。毎日を大切に、今年も頑張っていきたいと思います。

本年もよろしくお願い申し上げます!

令和4年1月1日         武藤郁子 拝