About 武藤 郁子

神仏・聖地探訪家。編集者兼ライターとして神仏や聖地、歴史や自然をテーマに活動中。著書に『縄文神社 首都圏篇』(飛鳥新社)、『縄文神社 関東甲信篇』(双葉社)、共著に『今を生きるための密教』(天夢人)がある。2024年6月『空海と密教解剖図鑑』(エクスナレッジ)を上梓。

「あなたはあなたのままでいい」。存在を全肯定する珠玉の言葉集、ついに登場!『ただ生きていく、それだけで素晴らしい』/五木寛之著(PHP研究所)

ようやく、皆様のお手元にお届けできることができます!

お手伝いさせていただきました五木先生の新刊、『ただ生きていく、それだけで素晴らしい』、刊行されました!!
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お手伝いさせていただくのは『私訳歎異抄』『自分という奇蹟』に続きまして今回で三冊目なのですが、実は、先生が本当にお忙しいので、企画が立ち上がってからこの刊行まで約3年ほどかかってしまいました。ですので、なんと言うかもう、感無量。
とはいえ、大好きな五木先生にお目にかかるという名目があり続ける、というのはこの上ない幸せで、この三年間、個人的には至福の時でした。

そうなんです。
大変私的な告白で恐縮ですが、私は五木寛之先生が大好きなのです。

子供のころからご著書を拝読して、その見識の深さに憧れ、特に仏教に関して、日本人の心性についての先生のご本には、たいへん影響を受けています。
ですので、はじめてお目にかかった時には緊張して、ただ上ずったようなお返事をするので精いっぱいでした。本当は、申し上げたい言葉が胸いっぱいに詰まっているというのに、何も言えず、編集長の影でひたすらメモをとり続けるしかない私。そんな挙動不審な私に、先生は優しく微笑みかけ、「ムトウさんは今までどんな仕事をしてきたの?」と聞いてくださいました。
私は、アワアワしながらこれまでの仕事をのことなどざっくり申し上げますと、また柔らかに微笑んで、「そう、…ちゃんとがんばってきたんだね」と言って下さったのです。

こんな風に書くと、あまりにも普通のやりとりに思われるかもしれません。
しかし、先生がこの優しい言葉を、絶妙な間でおっしゃるともう、ものすごく特別な丸みを帯びて、こころにスルッと染み入るような言葉になってしまうのです。

本当に、本当に、すごいんです、ほんとに!
正直言ってこの時、思わずこみ上げるものがありました。
ああ、頑張ってきて本当によかったなあ、なんてありがたいんだろう、そんな感動で鼻の奥がツウンとしてしまい…。先生に受け止めていただけたような、私という存在を肯定していただいたような、そんな思いで胸がいっぱいになってしまったのでした。

本書の中でも、「面授」という言葉が出てきます。元は仏教の言葉で、師が弟子に面と向かって仏の教えを伝えるといった意味なのですが、先生はその言葉から、人と会うことの貴重さを説いておられます。私は本書を通じて、まさに五木先生という偉大なる師の面授をいただいた、と僭越ながら感じました。

『蒼ざめた馬を見よ』、『風の王国』、『生きるヒント』、『大河の一滴』、『親鸞』などなど、先生が描かれてきた作品のテーマは多岐にわたりますが、実は、その中心には、ずっと変わらない大きなテーマが流れている、と思います。それは――こころ、いのち、人生、生と死、――ではないか、と思うのです。
先生がずっと対峙してこられたこれらのテーマは、すべての人にとっても大切なテーマではないでしょうか。本書は、そのテーマを改めて分かりやすくまとめてくださった、そんな一冊になっているように思います。

そして、先生が「ここのところ、特に皆さんに言いたいことだよ」、と言っていた言葉がそのままタイトルになっています。

『ただ生きていく、それだけで素晴らしい』

何かを成し遂げなくても、誰かに評価されなくても、「生きている」それだけでもう十分。いのちとはあり得ないような奇蹟的なバランスでこの世にある、そのことをもっと気付いてほしい。
先生は、このことを何度も何度も、繰り返しおっしゃられていました。

その言葉を伺っていて、担当編集のNさんも私も、そしてPHPさんの営業の皆さんも、タイトルはそれしかない、とそう思ったのです。そして先生も「僕もそう思うよ」と言って下さいました。

今必要なのは、悲しみや涙をも内包しつつ、それでも、だからこそいのちを肯定していくそんな言葉なのではないか、そんな風に強く感じています。

本書を通じて、皆さんも、私が先生の言葉に肯定していただいて泣きそうな気持ちになった、そんな言葉を見つけていただけたらいいな、と思います。

ぜひ、お手に取ってみてくださいまし!

そして最後になりますが、本書のお仕事を振ってくださったN編集長さま、そして担当してくださったN副編集長さま、本当にどうもありがとうございました!!

(むとう)

file.126 美鈴の『流鏑馬』

いちにちいちあんこ

20代から長年お世話になりっぱなしの、校正Nさん。
お電話ではいつもお話ししていますが、意外なことに、直接お会いしたことがないという、何とも不思議な状況だったのですが、ようやく、ようやくお目にかかることができました!

編集のお手伝いをさせていただいております、『本所おけら長屋』シリーズはずっと、Nさんに校正していただいてます。Nさんに見ていただいているというこの安心感たるや…
おけらシリーズになくてはならない大切なお方なのです。

そんな『本所おけら長屋』シリーズ第七弾の発売を記念して、9/15にサイン会+トークショーが開催されたのですが、そこにNさんにもおいでいただいたのです!
やっとご挨拶で来て、本当によかった!先生もお喜びでらっしゃいました!

そんなNさん、鎌倉のステキな和菓子をお土産にくださいました。
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ひゃ~!おしゃれ~~~!!
このパッケージ、めちゃくちゃ素敵です!

さすがNさん、そして鎌倉だなあ。洗練されてますよね!

20161002-2わわわ!
あけてもやっぱり素敵ですよ!
「流鏑馬(やぶさめ)」
とありますね。

ネットで調べてみましたら、 「美鈴」さん、上生菓子の名店とのことで、季節ごとにお菓子が変わるとのこと。いただいた9月は、鶴岡八幡宮の「流鏑馬神事」が行われるそうで、それにちなんだお菓子なんだそうです。ステキ~^^

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うっひゃ~~!
めちゃくちゃかわいい!!

きれいですね、うわあ。
弓矢をかたどってるんですね。

20161002-4包みを開いてみましたら、きれいな求肥が登場しました。
ほわっほわです!
右の黄色い方は、黄味あん(手亡豆+卵の黄身)を求肥に練りこんだものだそうで、左のほうは、小豆あんを求肥に練りこんだもののようです。
20161002-5 丁寧に裏ごしされた、上品なこし餡が求肥の風味と甘味になっています。
これは美味しい!

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きれいな黄色の求肥もパクリ。
お、これは…
卵の黄味のコクと、白あんの優しい甘味がその先に立ち上るような気がしますよ。
美味しいです!

そっか~~。
求肥も、美味しいものなんだなあ。
すみません、これまで求肥舐めてました。
ちゃんと作った求肥って、こんなに深くておいしいんだなあ。

美鈴さんは、季節ごとに種類が変わるそうなので、ぜひ練り切りをいただいてみたいですね!家が近かったら、ぜひとも通ってみたいお店です。さすが鎌倉だなあ。

Nさん、本当に美味しい和菓子ありがとうございました!
これからもどうぞよろしくお願いいたします~!

美鈴
https://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140402/14007757/

file.125  千本蕎麦の「まんじゅうの天ぷら」

いちにちいちあんこ

あっという間に月日が過ぎ、9月も今日で終わりです。

早い!早すぎる!!

山形から福島への旅も、返ってきてからもう17日たってしまいました。あちゃあ。
皆様にご報告したいことが、山盛りだというのに、なんてことでしょう。

さて、そんなわけでして、本日は福島で食べた美味しいあんこをご報告したいと思います。

あんこと言いながら、
…そう、お蕎麦屋さんです!

福島の会津地方では、美味しいお蕎麦と共に、なんと小さなおまんじゅうを天ぷらにし手だしてくれます。

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友人が連れて行ってくれたこちらの「千本蕎麦」は、福島の名水30選にも選ばれた湧水「強清水」(こわしみず)の近くにあり、会津の皆さんに美味しいお蕎麦が食べられるお店として有名だそう。
会津でてんぷらの盛り合わせというと「ニシン、イカ、まんじゅう」が出てくることが多いんですが、その三点セットは、強清水の名物が発祥とのこと。こちらの千本蕎麦さんは、その元祖と言われるお店の一つなんだそうですよ!

それから、こちらでは納豆の天ぷらも名物だということなので、私は、お蕎麦の並盛に、納豆の天ぷらとまんじゅうの天ぷらを注文しました。

20160930-1奥に見えるのは、友人が注文した書き揚げです。
めちゃくちゃでかい!
お蕎麦もツヤッツヤですよ~!!わあ、もう絶対美味しいやつですよ!

20160930-2お蕎麦は、本当に見た目通りにバッチリ美味しかったのですが、いちにちいちあんこですので、主役はこちらです。

「まんじゅうの天ぷら」です!

会津地方の定番ですね!

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私は、どうしてもデザートとして、一番最後にいただくんですけど、会津の人に伺うと、カテゴリーとしてはお総菜に入るみたいですよ。

小皿のお醤油に、ちょいちょいつけながら、合間合間でいただく……のかな?
いや、でも私はやっぱり食後にいただきたいな!

というわけで、するするとお蕎麦と納豆の天ぷらをいただき、最後にいただきました。でもしっかりお醤油は付けますよ♪
慣れてくると、お醤油は付けたほうが絶対美味しいんです!

こちらのおまんじゅうも、間違いないお味でした。しっかりと甘いこしあん。黒糖が仄かに香る皮にお醤油が塩気のアクセント。美味しいです!
しかし、罪深い組み合わせですよね。甘いあんこに、てんぷらの皮で脂もたっぷり。そこに塩分も投入ですもん。罪深いですが、罪深いものは、やっぱり美味しいんですよね。

千本蕎麦
http://senbonsoba.jp/