About 武藤 郁子

神仏・聖地探訪家。編集者兼ライターとして神仏や聖地、歴史や自然をテーマに活動中。著書に『縄文神社 首都圏篇』(飛鳥新社)、『縄文神社 関東甲信篇』(双葉社)、共著に『今を生きるための密教』(天夢人)がある。2024年6月『空海と密教解剖図鑑』(エクスナレッジ)を上梓。

歴史上の人物、だれが好きですか?

歴史好きのマストクエスチョン
ちょっと歴史が好きだ、ということがわかると、ついつい始めてしまう「歴史上の人物、誰が好きですか?」質問。
歴史上のどんな人物に惹かれてるのか、というのを聞くとその方が大切にしているものや好みがよくわかるので、結構この質問は盛り上がりますよね(好きな人同士ならw)。
以前、P社のN編集長ともそんなお話になり、めちゃくちゃ盛り上がりました。移動中で時間もあったので、古代から現代にいたるまで、時代ごとにだれが好きか、を言い合ってですね。約5時間フルに堪能しました。何時間でも話は尽きない、鉄板ネタですね。

歴史人物ランキングを見てみましょうか
さて、では、日本人全体ではどうなんでしょうか。めっちゃ気になる!誰が一番人気があるか!

…さて、この歴史上人物人気ランキングですが、結構いろんなところで集計されています。いうまでもありませんが、どんな人にアンケートとるかでも変わりますし、その時の世相を反映して変わっていきます。大河ドラマで坂本龍馬の放送がされれば、やっぱり一位は龍馬になる、ってかんじ、で。

さて、現在手に入るもっとも一般的なランキングからご紹介していきます。NHK放送文化研究所が2008年に行った「好きな歴史上の人物」ランキングベスト10!

1位 織田信長
2位 徳川家康
3位 坂本龍馬
4位 豊臣秀吉
5位 聖徳太子
6位 武田信玄
7位 源義経
8位 西郷隆盛
9位 福沢諭吉
10位 野口英世

2008年ですからもう5年も前なので、だいぶ変わってるかもしれませんけど、へええ~なるほど~って感じのラインナップです。織田信長、やっぱし強いですなあ。

もうちょっと最近のはないかしらあ、と思って探してみたら、変化球ですがこんなのもありました!「お墓詣りをしてみたい日本の歴史上の人物ランキング」(gooランキング)!

1位 聖徳太子
2位 坂本龍馬
3位 織田信長
4位 徳川家康
5位 徳川光圀
6位 豊臣秀吉
7位 紫式部
8位 真田幸村
9位 土方歳三
10位 宮本武蔵

おお、聖徳太子がトップ!「お墓詣り」と聖徳太子は、なんとなく相性がよろしおすな。仏教ゆかりのお方だからでしょうか。
そして2位に龍馬、3位にやっぱり織田信長。変わったところですと、7位の紫式部や5位の徳川光圀でしょうか。水戸光圀、真田幸村、土方歳三、宮本武蔵などの面々は、物語世界でよく描かれますから、そういうファンも多いんでしょうね。

女子高生が好きな歴史上人物!
さて、こんなランキングも発見しましたよ。「女子高生が好きな歴史上の人物ランキング」です。

1位 織田信長
2位 卑弥呼
3位 坂本龍馬
4位 聖徳太子
5位 徳川家康
6位 豊臣秀吉
7位 篤姫
8位 西郷隆盛
9位 伊能忠敬
10位 伊達政宗

どひゃ~!信長、強すぎ!
そして、なんと2位には、古代の女王・卑弥呼さんがランクイン!そっか~、卑弥呼さんそんなに好きかあw。
そして、7位の篤姫は多分大河の影響でしょうけれども、渋いのが9位の伊能忠敬(いのうただたか)! 伊能忠敬は素晴らしい人物ですけど、この中で、唯一の町民階級の人で、リタイヤ後から測量の世界に入った努力と信念の人ですから、正直地味です。そんな人がトップ10に入ってくるなんて、なんかうれしいですね。

ちなみに、こちらには女子中学生のランキングも出てましたが、高校生のものとほとんど変わらず。なぜか7位にフランシスコ・ザビエルが入ってきてるくらいかな。

それから、もう一つ。バンダイが2010年、小学生対象に行ったアンケート「お子様の好きな歴史的人物は誰ですか」では、1位はダントツ坂本龍馬、2位織田信長、3位徳川家康、4位伊達政宗、5位野口英世…でした。小学生だなーと思うのは、10位以内にエジソン、ナイチンゲール、が入ってきてることかな。そういう偉人伝読みますものね。そういう影響は大きいですね。

織田信長、ツヨシ!
こうしてみますと、結構年齢にかかわらず、ランクインしてくる人物名は共通していますね。
そして、改めて驚きましたが、織田信長って、やっぱり人気あるんですね!!その年齢域にも必ずトップ3内。ダントツ人気です!
な、なぜだ…^^;。

というのも、織田信長ってすごい人だとは思いますけど、結構問題もたくさん持ってる人物です。「偉人」の一人だとは思いますけど、「好き」ってなると、なんかちょっとあれだなあ、と私なんかは思ってしまいます。だって織田信長が上司だったらいやだし、父親でも、恋人でも、ましてや旦那だったらもっといやです。すごい人かもしれませんが、私的には、そばにはいたくない人物ナンバー1だなあ。あまりに繊細で瞬発的で、そばにいたら耐えられないと思う。

そうそう、そうなんですよ。私の場合、いいな、と思うポイントはやっぱり人格的な部分ですね。この人、人としてできてるなあ~とかそういうところが気になるタイプです。

みなさんは、どうでしょうか?
さて、次回は、そんな私が好きな人物ベストテンを勝手に発表したいと思います。ひゃ~、難しいわあ(…と言いながら頬は緩む…)。

(続く)

 

 

file.1  これぞ、端正!/岩船寺五輪塔(京都府)

石部、かなりご無沙汰してました。皆様、お元気でしょうか!?

1月も終盤に差し掛かり、今年初めての更新とは、我ながらいかがなものかと思いますが、気を引き締めてまいりたいと思っておりますので、平にお赦しのほどを…。

「五輪塔」ってなんだ?
さて、今回は『この石ものが好き』サブカテゴリ第一弾をお伝えしたいと思います。栄えある第一弾目は、「五輪塔」ジャンルからのエントリー!

しかし、そもそも五輪塔って何の話?ってことですよね。

五輪塔というのは、石塔の一種。「石塔」というと分かりにくいかもしれませんが、お寺に木造の五重塔とかありますよね。あれは木造の「塔」ですけど、こちらは石造の「塔」だってことなんです。

どうしても、こういう形で石のものを見ると「お墓?」と思ってしまうかもしれませんが、もともとは、お墓というよりも、仏教への帰依心を表すとか、供養をするだとかそういう目的で建てられたものなんだそうですよ。
#もっとも近世以降は、お墓のスタイルとして建てられていることが多いので、お墓、と言っても間違えではないと思います…

前置き長いですが、つまり五輪塔というのは、仏教的石造物であり、信仰の象徴なわけです。
いろんなスタイルの石造物がありますけども、私は、この五輪塔というスタイルがすごく好きなんです。

というのも。
シンプルなデザインですが、宇宙の真理を込めた形で構成されているからなんですね。
土台は「地輪(ちりん)」と呼び、四角形。
軸部は「水輪(すいりん)」と呼び、円形。
笠(屋根)の部分は「火輪(かりん)」と呼び、三角形なのです。
ちなみに、
屋根の中心にある受花という部分は「風輪(ふうりん)」、
受け花の上に載っている宝珠は「空輪(くうりん)」と呼ばれ、ドロップ型。
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このシンプルな形の中に、宇宙を構成すると考えられている「地・水・カ・風・空」の5大要素と、「丸・三角・四角」というすべての根幹になる「形」が表現されてるんですね。

深い!なんか深いですよ!

これぞ、ザ・五輪塔!「岩船寺五輪塔」

岩船寺五輪塔

ちょっと笠と軸部がずれてるな…w

さて、そんな五輪塔ですが、昨年拝見して、いいなあと思ったのがこちら。

京都府加茂町の岩船寺(がんせんじ)にある五輪塔(重文)です。こちらは、典型的な鎌倉時代後期(13世紀くらい?)の五輪塔。きっちりどっしりしてて、端正な感じ。品があってとってもいい!

丸形部分(水輪・軸部)をちょっと見てください。全くの丸形ではないですね。ちょっと上部に重心があって、下のほうがすぼんでます。こういうキュっと切れ上がった水輪は「鎌倉」ならではのかっこよさ。いいですわ~~

私が以前、石大工のN先生に初めて教えていただいたのは、この「水輪がキュッと切れ上がって姿のええもんは、たいがい鎌倉時代のもんや」ということでした。
実際、いろいろ見てみると、この「キュッ」はそんなにたくさんあるもんじゃないんです。なので、この「キュッ」を見たら「鎌倉時代のもんか?」と首をひねって悦に入っても、間違いないかもしれません。ちょっと玄人っぽいですよねw!

ちなみに、岩船寺というお寺は、住所は京都府なんですが、奈良県との県境にありまして、行く場合には奈良駅からバスで行きます。
なので、文化圏としては、京都、というよりは奈良って感じですね。

この辺りは、山の中なんですけど、有名な浄瑠璃寺もあったり、これまた有名な石仏が点在してたりと、やたらいいものが集まった場所です。ハイキングしながら、最高の文化財も見て回れちゃうという、めちゃくちゃ素敵ゾーンなんです!!
そのうちにこのエリアのご紹介もしたいと思います。

『将軍の切り花 ~帳合屋音次郎 取引始末』/藤村与一郎著

さて、一月中二冊目の刊行のご報告です!

今回も、中面の編集を担当させていただきました。実は、時代小説書下ろしを担当させていただくの初めてだったのですが、ふってくださったN編集長様の心強い励ましと、藤村先生のやさしいお気づかいにより、どうにかこうにか進行させることができました。ありがとうございました!

さて。今回の物語の胆は何といっても『帳合屋(ちょうあいや)』というお仕事。実はこれ、藤村先生の創作とのことなのですが、創作とは思えないほど、江戸の商取引の世界にしっくりと展開しております。
帳合屋は、「A社がB社と、新しく取引をしたい、と考えたときに、間に入って取引できるように取り持つ」というお仕事。なんだか、現在でもこういうお仕事ってありますよね。

本書では、帳合屋のお仕事や人間模様を通して、江戸時代のいろんな商取引の世界を見ることができます。表題作『将軍の切り花』では、江戸時代の「花」と「米」業界の話。また、二作目では、「酒」業界、三作目では「砂糖」業界が舞台になっているんですが、へえええ!そうだったんだ!?と思うことばかりです。こういう角度の時代小説はなかなかないんじゃないでしょうか。

とはいえ、物語巧者の新鋭・藤村先生は、恋物語などの人間模様にも抜かりはありません。
つまり、経済小説がお好きな方にも、時代小説の世話物がお好きな方にも、きっとお喜びいただけるストーリーになっております。
シリーズ一作目ということで、様々な伏線がお披露目されたという感じの今回の一冊。ぜひ皆さんもお手に取ってみてくださいまし!(むとう)