新章開幕!!泣きも笑いもますます快調です!『新 本所おけら長屋(一)』畠山健二著(祥伝社刊)

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2023年9月に「外伝」を刊行して、少々お待たせしてしまいました。これまでは、3月と9月に新刊……というペースでしたので、おけらファンの皆様をドキドキさせてしまったのではないかと思います。そして振り返ってみますと、私も本HPにて「外伝」のご紹介をしていなかったことに気づきました。大変失礼しました。昨年中は、自著『縄文神社 関東甲信篇』(双葉社)の出版など、いろいろありまして(ごにょごにょ)。

それはさておきまして、新章は、祥伝社さんからの刊行となりました。私は引き続き編集を担当させていただくことになります。これまでお世話になったPHPさんの皆様に、改めて御礼申し上げるとともに、PHPさんで刊行されている20巻+外伝も引き続き、皆様に可愛がっていただけたらと思っております。

さて、内容についてもちょっと触れておきますと……。

新章は、20巻から3年後、長崎留学に行っていたお満と万造が江戸に帰ってくるところから物語が始まります。あまり細かいことに触れてしまうとネタバレになってしまうので、ふんわりと申し上げると、「時が流れて変化したことは多いけれど、変わらないことは確かにある」と、しみじみと感じられるお話が綴られています。

最も変わったのは、おけら長屋が「夫婦」だらけになって、いっそう賑やかになったことかもしれません。そしてお満も万造も、そしてお栄も松吉も新しい仕事を始めます。どんなお仕事かはぜひ本文をご覧いただけたらと思いますが、すべてが自然で、しっくりいく流れです。

つらいことも悲しいことも起こりますが、「おけら長屋」は変わらず。自分のことは置いておいても、誰かのために泣いて怒って、その気になって…。そうやって思い合いながら、日々を生きている人々の姿があります。「これ、これぞ、おけら長屋だ!」と、その優しい空間にホッと一息つけるのではないかと思います。

新章『新 本所おけら長屋』も、『本所おけら長屋』の物語を引き継ぎ、さらにパワーアップして歩み出しました。今回は三篇。おけら長屋ファンのみなさんにご納得いただける珠玉の名作が揃っていると思います。ご安心して、ぜひお手に取ってみてくださいね!

また、読み切り短編集ですので、初めて読む方にもお楽しみいただけると思います。とはいえ、続き物の一つであることで、ちゅうちょされる方もいらっしゃるかも?と思いまして、物語の世界に入りやすいようにと、登場人物紹介も加えてみております。ぜひ、これを機会に、お手に取ってみてください!

(むとう)

稀代の超人・空海さんが完成した、明朗で深遠な密教に出会う!『空海と密教解剖図鑑』(エクスナレッジ刊)

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苦節3年。ようやく形になりました!

エクスナレッジさんより、『空海と密教 解剖図鑑』がいよいよ発売になります。早いところですとそろそろ店頭に並べていただいてるかも…?とのこと。

思い返せば、担当編集の久保さんが「解剖図鑑シリーズで、密教を書いてみませんか?」とご連絡くださったのが2021年の夏。そこから刊行するまでに、約3年の月日が必要でした。

空海さんはあまりにも天才、空海さんの密教はあまりに深遠…。

私に、この巨大すぎるテーマは書けるのだろうかと不安でいっぱいでしたが、宮坂先生のご教導や、久保さんの励ましで、どうにか完走できました。いろいろと不備はあると思いますが、今は、とにかく形にできたことに、心よりほっとしております。

「空海さん」と生きた時代を想像しやすいように…

ご存じの方も多いと思いますが、「解剖図鑑」はエクスナレッジさんの大ヒットシリーズです。人文分野などのちょっと難しいテーマを、イラストを贅沢に用いて、解剖しよう!という企画で、本書はその一角においていただく一冊になります。実はこの「イラストで図解しなくてはならない」というのが難しいんですね。通常でしたら文章でお伝えするところでも、必ずイラストで図解します。文章を書いた上に、図解のラフも書く……。これは私にとっては、なかなかのハードルでした。

それはさておき。

本書は、前半は空海さんについて、後半は空海さんが大成した密教について、と言う流れで構成しております。

前半では、空海さんのライフヒストリー細かく追っていけるようにとと、一つの項目の冒頭見開きに、年表を入れるようにしてみました。そして見開きのあとに、2ページから4ページの各論があります。この年表上に起こった出来事を、各項目で詳しく書いていく…という構成です。

年表ありの見開きページで大まかな流れをご紹介。

そしてイラストの周りにも、小さな字で恐縮ですが、情報をできるだけ詰め込んでいます。ここのところは、気になる所だけ読んでくださいね。まずは本文を通しで読んでいただく方が、分かりやすいと思います。

各項目ページで、より深掘りした情報を掲載。

空海さんが大成した密教の基本的部分

そして後半では、空海さんが完成した「密教」の基本を解剖しようとしています。

宮坂先生は解説してくださるときに、仏教用語をかみ砕いて、私たちにもわかりやすい言葉で教えてくださいます。それがとにかく面白くて、心にすっとしみ込んでいくのです。

そんな体験をそのまま皆様にもしていただきたいと考え、先生がしてくださったように、普通の言葉で解剖しようと頑張りました。

とはいえ、どうしても言い換えられない言葉もあって、漢字が多くなってしまいます。上のページは、「三密加持」という密教ならではの概念をご紹介しています。この辺はちょっと難しいかな~と思いますが、初めから順に読んでいただくと、少し読みやすいかも??と思います。

私たちの中に「密教」をインプットしましょう!

そして、最終章は「実践!今日から始める密教」というタイトルにしました。

せっかく本書を手に取っていただいたのですから、存分に役立てていただきたいんです。実際、「空海の密教」は、人間という存在の内的活動を、スムーズに動かすためのプログラムだと思うんですね。

もちろん密教のプロフェッショナル(密教僧)になるのは別の話としても、そのプログラムをダウンロードしてインプットするのは、誰にでもできるのです。そして本書が、そのインプットを助ける役割をしてくれたらいいなあと思っています。そのためにできることを、第6章でいくつかご紹介しています。

その中の一つに「巡礼」があります。巡礼は聖地と聖地の間を巡る行です。有名な「四国八八カ所巡り」もまさにそれ。そのような伝統的な巡礼はもちろん、本書おススメの巡礼もご紹介してみました。

空海さんは超人ですが、実在の人物です。空海さんが実際に見たであろう風景を、私たちも追体験することができるのです。そんな場所を巡る旅もご紹介してますので、ぜひ参考にしてみていただけたら嬉しいです。

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簡単なご紹介にするつもりが、だいぶ長くなってしまいました。

空海さんや密教、仏教に興味のある方はもちろん、日本の文化全般に興味のある方にも、ぜひお手に取ってみていただきたいです。空海の密教が日本文化に与えた影響は、とてつもなく大きいですし、今もその上に私たちは立っている、と言っていいと思います。

また、これからも、もうちょっと各論のご紹介を、本HPでも書いていこうと思います。特に、各地を取材したときの旅行記は本書の中ではちょこっとしか載せられませんでしたので、写真も含めてご紹介できたらと思っております。ぜひご覧くださいね!

(むとう)