file.66 時屋の「どらやき(中)」

いちにちいちあんこ先日、なんとほぼ20年ぶりに大学時代の先輩方と再会する機会がありました。

先輩方は、私が19歳の時、ヨーロッパに旅行した時にご一緒した面々で、二年上の先輩方3人に一年生の私がひとり、という今思うとちょっと面白いグループ。

お話はしたことはあったものの、ほとんど初めてご一緒するといった感じでしたが、とてもそんな感じではなくて、私はとてもリラックスして先輩方に懐きまくり…それはもう、とても楽しい旅になりました。

とはいえ皆さんが卒業した後は、ほとんど連絡も取らず、懐かしいなあと思いつつ時が過ぎ去ってしまっておりましたが…。ご縁というのはあるものですね! きっかけはFBでした。先輩のおひとりが私を見つけてくださり、せっかくだからみんなで会おうよ、という流れに!

それにしても、久しぶりにお会いしたのに、あっという間にあのころのリラックスした感じに戻り。びっくりするほどタイムラグなし(笑)。 さて、そろそろ時間も遅くなって、閉会というとき、その中のおひとりH先輩が「これ、一つずつだけど、お土産に」と言ってくださったのが、なんと時屋さんのどらやき!あのドラえもんの大好物のどらやきのモデルになったという伝説のあるどらやきです!
Hさんは、私がこの「いちにちいちあんこ」というブログを書いているほどのあんこフリークとはご存じないのですが、まるでそれを知ってらっしゃるようなお土産ではないですか!

どらやき(中)

Hさんは、いつもちょっとした「予感」みたいなものを感じるんだそうで、今回も、無性に私のことを思い出し…
「どうしてるかな、と思ってたら、Yちゃんからむとやんと久しぶりに会わない?って連絡もらったの」
とおっしゃる。このどら焼きも、ひょっとしてそんな「予感」の一つなのでは!?と思って、(勝手に)思って感動してしまいました。

実は時屋さんは、以前こちら(http://www.ariworiaru.com/nisshi/nisshi_ichianco/file23-tokiya-dorayaki/)でもご紹介したことがありますが、あの時は「どらやき(小)」だったので、今回は「(中)」ということで、改めてご紹介したいと思います。

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こちらのどらやきは、(小)サイズが一般的な大きさに近く、この中ですと、約二個分ぐらいのボリュームがあるように思います。
そう考えますと、かなりお値打ちかな。

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あんこはもちろん粒あん!

今回食べてみて思いましたが、けっこう強いあんこなので、この中サイズぐらいの大きな皮とのバランスが一番いいかもしれません。小だと皮とのバランスが少々崩れるかも。時屋さんにはもっと大きなサイズもありますが、この(中)サイズが一番いい気がしました。

ただこの(中)、いかんせんボリュームがかなりのもんなので、ものすごくお腹を空かせて食べるか、無理せず半分に分けて二回楽しんだほうがより楽しめていいかも。

本当に美味しゅうございました。
H先輩、ありがとうございました!!

時屋
http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13006696/

仏像好きには見逃せない特別展ずらり!!

先日ご紹介した藝大美術館の「観音の里の祈りと暮らし」展のような特別展が今年は多いような気がします。気のせい?

「阿修羅」展のような、派手さはないかもしれませんが、コンセプチュアルで仏像好きにはたまらない系。通常だとあまりにも交通手段が限られていて、観光客としてはハードル高いとか、一度に何体も観るのは不可能とか、そういう仏像を一挙にみられるような展示がちらほらと開催されます。忘れないようにこちらにもアップしておきますね。

まずはこちら!

「南山城の古寺巡礼」展@京都国立博物館。
20140408-1「南山城」というのは、京都の南、奈良との境界にある地域で、素晴らしい仏像が残っているのはよく知られていますが、足がないとなかなか難しいエリア。

ほんと、出陳物リスト見て、度肝を抜かれました。観たかった仏像勢ぞろいって感じです!また、仏像だけでなく縁起絵巻なども非常に貴重なものが惜しげもなくラインナップされてまして、ほんとすごいですよ~!

そして、そして大阪でも。

「山の神仏」展@大阪市立美術館
こちらも、我々遠方から来る仏像ファンにとっては本当に行きづらいエリアの、吉野、高野、熊野、つまり紀伊山地の仏像を一堂に、という企画。数は京博ほど多くないですけど、貴重ですよね!

ぜひみなさま。チェックしてくださいね!
私は5月最後の週に両方とも観に行こうと思ってます。

【会期】
「南山城の古寺巡礼」展@京都国立博物館 4/22~6/15
「山の神仏」展@大阪市立美術館 4/8~6/1

 

 

 

 

 

ベストセラー、待望の文庫化!『私訳 歎異抄』/五木寛之著

日本仏教界の偉人としてあまりにも有名な、親鸞(しんらん)さん。その親鸞さんの生前の言動を弟子・唯円が書き残したというのが『歎異抄(たんにしょう)』です。
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その歎異抄を、まさに現代のレジェンドともいうべき、五木寛之先生が『私訳』されたのが本書。ご存じのように五木先生は、博覧強記でらして、特に仏教(さらに言えば浄土真宗)に造詣が深くてらっしゃいます。休筆して龍谷大学に聴講生として通っておられたことでも有名ですね。

本書はそんな五木先生だからこその名訳で、単行本として出版された時にはベストセラーになりました。

そんな名著の文庫化を一部お手伝いさせていただくことになろうとは!!

ものすごく緊張しましたが、今回もたくさん勉強させていただきました。
じつは、『歎異抄』を読むのは、今回が初めて。仏教美術には昔から関心があって多少は勉強しているのですが、そういった造形以外のものにはとても疎いのです。ですので、このような機会をいただいて、五木先生の文章とともに原文も読むことができたのは本当にラッキーだったように思います。
#ちなみに、本書の構成は、前半が『私訳』、後半が『原本』、そして、解説を日本中世史の泰斗・五味文彦先生が執筆されており、まさに【最強の布陣】です。

さて、皆さんご存じと思いますが、親鸞さんは鎌倉時代(12~13世紀)を生きたお坊さまです。現在もたくさんの信者さんがいる「浄土真宗」の宗祖とされる人。知らない人ははいないだろう、というような巨人と思いますが、実は明治時代には「親鸞は実在しなかったのではないか」という説が出たほど(現在は実在したことがわかっています)、史料の少ない人なのです。

その少ない史料の中で(本人が書いた本ではありませんが)、その人となりと思想を最もわかりやすく伝えてくれるのがこの『歎異抄』で、五木先生も「親鸞という人の思想と信仰は、一般的にはこの一冊によって伝えられ、理解されたといってよい」とまえがきで書かれています。つまり親鸞さんが言っていることをまず知るには、歎異抄をまず読んでみるとよろしい、ということだと思うのです。

そういう意味でも、私は幸運でした。お仕事とはいえ、まず本書を読むことができ、五木先生の訳でとても近しく、その世界を感じることができたのですから。

「他人を蹴落とし、弱者を押しのけて生き延びてきた自分。敗戦から引き揚げまでの数年間を、私は人間としてではなく生きてきた。その暗い記憶の闇を照らす光として、私は歎異抄と出会ったのだ」(「まえがき」より引用)

そして先生のこの一節。

先生にとって「光」であった、歎異抄との出会い。先生の著作と出会って同じような気持ちになってきた読者はたくさんいらっしゃると思います。
ぜひ、そんな皆さんにも手に取ってほしい一冊と思います。13世紀に書かれた宗教書…としり込みされる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、そこはなんといっても五木先生です。たくみな筆さばきでもって、土に水がすっとしみ込むように分かりやすい言葉でその世界が表現されています。

生きていくというのは本当に大変です。もちろん大変なことだけではなくていいこともあります。でも、疲れてしまうときもありますよね。そんな皆さんにできるだけ幅広く手に取っていただきたいと、オビの文言もちょっと仏教書らしくない文言を使っていただいてます。「生きるのがこわい。死ぬのがこわい。―そんなあなたへ」。

ぜひお手に取ってみてください!

(むとう)