file.36 紀の善の「クリームあんみつ」


いちにちいちあんこ
サラリーマン時代、私は9年ほど神楽坂に住んでいました。
ほんとに住みやすい良い街なんですよ~。
人情も残ってますしね。私が住んでいた小さなマンションは、大家さんがとにかく親切で、ほんとに良くしていただきました。引っ越した今もたまに連絡くださるぐらい。私は大家さんにとってまさに「店子」だったんだなあ、と温かい気持ちになります。
居心地が良すぎて同じマンションに結局9年。なかなかなもんですよね。

さて、そんな神楽坂には、美味しいお店がたくさんあります。
でも結構意外なことに、甘味どころとか、そういう場所が思ったより少なかったのです。ここ5年ぐらいでその様子はだいぶ様変わりしましたけどね。

そんな神楽坂で、今も昔も変わらずに、甘味どころといえばまず第一に名前が挙がるのが今日ご紹介する「紀の善」さんでしょう。

神楽坂を通りかかったので、久しぶりに紀の善さんに入ってみました。

ラッキーにも、すぐ座れました。珍しい!

私は、紀の善では必ず「抹茶ババロア」を注文してきました。なんでそうなったのかわからないけど、それが私の結論だったんですよね。
だけど、最近、いろんなところであんみつを食べるようにしているので、今回は久しぶりに[「クリームあんみつ」を注文してみました。
クリームあんみつこれこれ!わあ、ものすごく久しぶりですよ。「紀の善では抹茶ババロア」と決めてから10年余り、ここのあんみつ食べてなかったもんなあ。

こちらの蜜は、ものすごく甘さ控えめですから、はなから全部かけますよ(こういうことは忘れないワタクシ)。
くりーむあんみつそしてこしあん。こちらも甘さ控えめ。

それから、アイスクリームもほとんど甘味のないアイスクリームです。乳製品のコクが際立つアイスクリームです。

そういえば、抹茶ババロアも抹茶ババロアそのものにはほとんど甘味がなく、粒あんの甘味で全体をいただく感じだったなあ。

そして寒天をいただいて、記憶がすべて蘇りました。

そう、「紀の善では抹茶ババロア食べなくちゃ」という結論を出したのは、ちゃんと理由があったんですよ!

寒天です。寒天。そうだそうだ。

こちらの寒天は、海藻の香りがかなり残ってるものなんです。私にとっての寒天は、この海藻くささはできるだけ控えめなものが好みなので、こちらの寒天は苦手なんだったわ~。

しかも、蜜もあんこも甘さが控えめなので、海藻の海くささが際立ってしまってるんです。

もちろん好みだと思います。こういう寒天がお好きな方も多いんだと思いますが、私はあまり好まないのです。

それにたいして抹茶ババロアは、とにかく抹茶の味が濃厚で、あんことクリームと合わさった時に、ちょっとびっくりするようなバランスの妙を見せるお味なんです。

思い出した~~!それにしてもこんな大事なことを忘れてたなんて。

もちろん美味しいですよ。残さず完食させていただきました。だけど次回はやっぱり抹茶ババロアの原点に戻ろうと心に決めたのでした。

紀の善
http://www.kinozen.co.jp/01main.htm

レキシの3rdアルバム『レキミ』、最高です!

歴史ファン+音楽ファンとして看過できないアーティスト「レキシ」。
すみません。今まで黙ってましたが、ファンなのです。ライブも何回かいってます!はい!

硬派な歴史ファンのみなさんは「??」かもしれません。でも、歴史の楽しみ方ってこういうのがあってもいいんじゃないかな、と強く思うのです。
もちろんお好きな皆さんは、何をいまさらとおっしゃるかもしれませんが、3rdアルバムがこれまたかっこいいので、こちらでもご紹介したいと思います。
レキミ『レキミ』。

この「レキシ」は、もとSUPER BUTTER DOGのキーボードだった池田貴史さんこと池ちゃんのソロユニットです。とにかくファンキーで音楽センス最高で、おもろい人なのですが、その池ちゃんが「歴史好き」ゆえに始めたのがこの「レキシ」。
いけちゃん(今回の池ちゃんはとにかく姫押し)

『…池田貴史のソロプロジェクト。歴史好きの池ちゃんが繰り出す「歴史縛りファンクネスバンド」。 毎回豪華なゲストを迎えポップでグルーヴィーな作品を送り出している。ライヴではさらにMCも必見。』(HPより抜粋)

音楽はもう間違いないのですが、また歌詞がたまらんのです。とにかく歴史です。タイトル見てもらえばわかるかな~

01.大奥~ラビリンス~ feat. シャカッチ
02.姫君Shake! feat. 齋藤摩羅衛門 (斉藤和義)
03.武士ワンダーランド feat. カブキちゃん (Salyu)
04.ハニワニハ
05.恋に落ち武者 feat. 足軽先生 (いとうせいこう)
06.古墳へGO!
07.甘えん坊将軍
08.君がいない幕府 feat. お台所さま (真城めぐみ from HICKSVILLE)
09.LOVE弁慶
10.墾田永年私財法 feat. 田んぼマスター (山口 隆 from サンボマスター)

参加しているミュージシャンもすごいですよおお。これまで参加した人では、椎名林檎、Rhymester、サンボマスター、安藤裕子、野宮真貴、中村一義、忌野清志郎、スネオヘアー、斎藤和義、salyu、ハナレグミ、いとうせいこう…etc

今回もアツイ!墾田永年私財法とか、もうすごい。サンボマスターのアツさが「墾田永年私財法」をうたい上げます。私は今回この曲が一番好きかも。

ちなみにこんなPVも。

「姫君Shake!」 feat. 齋藤摩羅衛門 (斉藤和義)
https://www.youtube.com/watch?v=SdgDFHU_DFs
あはは!あほですわ~!

ちなみに私はこの曲が好き。2ndアルバムのですが、
「狩りから稲作へ」 下剋上RAP Version (feat.足軽先生 vs MC四天王)https://www.youtube.com/watch?v=7-jcddZU2BI

いやあ、ほんと。最高です!
ちなみに12月のライブは何としても行きたい!

『大日本魚類画集』の魚たち〔大野麥風展〕②魚への尊敬、そして「愛」

さて、ここで図録を参考に、大野麥風(おおのばくふう)さんについて少しふれておきましょう。

麥風さんは、1888年東京本郷生まれの江戸っ子。本名は要蔵さんと言います。最初、油彩画を学びますが、30歳頃から日本画を発表するようになり、このころから『麥風』という号を用いるようになりました。そして関東大震災をきっかけに、淡路島に引っ越します。この辺りから「魚の画家」麥風さんらしい、動きになっていきます。

「絵画に親しんでからは、山紫水明とはいえない平凡な田園、漁村、寒村を狙って描いていたが、魚類の色彩や姿態、性格に興味を持つようになって魚を多く描くようになり「魚の画家」と言われるようになったと記す。そうして魚族の二千種を片っ端から写生しようと志し、それがいつの間にか山積みにするほどとなったので、魚を芸術的にかつ鑑賞的、学術的に扱ったものを畢生の事業として残したいと考えた。それを日本伝統の優美な木版手摺りによる版画の粋に頼むことを決意し、和田三造や谷崎潤一郎、田中茂穂など各界の泰斗に援助を受けるようにした」(図録P13から引用)

「畢生の事業」として、「魚」を描く。
この決意がまさに核になって、この魚類画集は奇跡のように作り上げられていったのですね。

麥風さんは、近隣の水族館に足しげく通うだけでなく、潜水艇に乗って泳ぐ魚を写生したようです。そこで麥風さんが見たのは、魚の美しさ、「生きる真剣さ」でした。いいですね、「真剣さ」かあ。

そして、この画集が完成するのに何より忘れてはならないですが、彫師と摺師の存在でしょう。
なんと言っても、「原色木版二百度手摺」です。もう信じられないような多重摺版画ですもの。名人でなければ到底成し遂げられないでしょう。一点あたり、なんと版木は五十枚余りがつかわれたそうですよ。

彫師は大阪右衛門町在の名人・藤川象斎(ふじもとぞうさい)さん。摺師は、禰宜田万年(ねぎたまんねん)さんと光本丞甫(みつもとじょうほ)さん。
浮世絵の衰退で職を失っていた名人たちに、もう一度ふさわしいお仕事を用意できたことは、版元の社長である品川清臣さんも「胸が高鳴った」と言います。いい話ですね。

さて、そんな麥風さんたちの作品をもう少し見ていきましょう。例のごとく私が好きだと思ったものをご紹介しますと…
たこ

(大野麥風展図録119Pより引用)

タコです。
リアルな雰囲気のタコさんと、後方にリアルじゃないタコさんが同じ画面に収まっている、この妙!
たこめちゃくちゃかわいい!このタコ!
シューってなってますよ。
たまりません。これからタコ描くときにはこんな風に描こうっと。

それから、彼の描く魚を見てますと、なんか顔が優しい気がするんですよね。
よく見たら笑い顔っていうか、微笑んでるみたいな魚も結構多くて…
ナマズ

こちらのナマズさんも、なんか楽しそう。ウキウキしてるような感じがします。
太刀魚

こちらは太刀魚です。歯がとがっていて怖そうですが、なんかご機嫌さんな感じしませんか?

なんかもう、麥風さんの、魚に対する愛情があふれ出ちゃってるんですよね。魚の美しさに対する感動と…。

このほかの版画も素晴らしいものばかりでした。魚に対する愛、版画に対する愛。そんなものが結集したのがこの画集なんだなあと、強く感じました。

ぜひ、東京駅ステーションギャラリーに行って、生の版画をご覧ください。図録は現代のもので四色摺りですから、二〇〇色摺りは再現不可能です。本物は一味もふた味も違いますよ!!

大野麥風展(~9/27) 東京ステーションギャラリー

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/now.html