天皇と鬼、神の関係から古代史の謎解明に挑む!/『古代史に隠された天皇と鬼の正体』関裕二著(PHP文庫)

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関先生の最新刊が、いよいよ発売になります!!(6/1を予定しておりますのでちょっとフライング)。

ここ数年、『鬼滅の刃』が大ヒットしたりして、「鬼」に注目が集まっているように思います。

しかし、それは今に始まったことではないですよね。

日本人にとって、どの時代でも「鬼」というコンセプトは大人気のテーマであり続けてきました。桃太郎や酒呑童子をはじめ、多くの物語に「鬼」が登場します。それだけ人気のある、いわばキラーコンテンツであり続けているってことですね。

なぜ、私たちは「鬼」に魅かれるんでしょう?

「鬼」は敗者の姿だという説がありますね。判官びいきじゃないですけど、庶民の私たちからしたら、例えば、才能もあって性格も良かったのに、不条理にも命を絶たれたヒーローは、同情と共にある種の理想像を抱くということがあるでしょう。「鬼」の姿には、そんな哀惜のこころが込められていると言われます。

関先生は、そのように物語上の「鬼」だけではなく、古代史上の特別な英雄である日本武尊も「鬼」だ…とおっしゃいます。聖徳太子もそうです。そして蘇我入鹿も長屋王も、泰河勝も……。

そして、改めて「神と鬼と天皇」の関係に注目し、天皇がこれまで継続してきた理由に、ある仮説を示されます。この仮説は実に大胆で、関先生ならではの視点あってこそ。この斬新な説は、古代史ファンはもちろんですが、歴史ファンの皆様も、ぜひ本編をお読みいただけたらと思います。

ぜひお手に取ってみてくださいね~!

(むとう)

大人気シリーズ最新刊発売!ちょっとミステリ?そして粋!畠山先生の新境地!/『本所おけら長屋(十六)』畠山健二著

ついに125万部突破!+発売日重版決定!

畠山健二先生の最新刊『本所おけら長屋(十六)』が、本日発売になりました!そして本巻で125万部を突破、さらに嬉しいことに、発売日重版決定という、素晴らしいスタートを切りました。

コロナの影響で、サイン会やトークショーなどのイベントが開催できない中、なかなか読者の皆さんとお目にかかれないのが残念ですね。そんな状況になって、早くも一年が経ちます。

しかしながら外出できない分、自宅で読書を楽しまれている方も増えていることもあってか、おかげさまで『本所おけら長屋』シリーズも、着々と読者が増えてくださっているようです。嬉しい限りです!

『おけら長屋』シリーズは、何気ない日々の暮らし、生きようとする気持ちに栄養を与えてくれる気がしますね。泣いたり笑ったり。友人たちと会えない今、おけら長屋の物語は、心に深くしみいるのです。担当編集ですから、何度も読んでいるのにもかかわらず、改めてその物語に、私は救われる思いがしています。

先生ならではの粋なラストシーン

今回のご本で、最も大きな特徴は、これまでにはなかった〔ミステリ〕的手法の物語が入っているということでしょうか。もちろん、お馴染みの「世話物」ベースではあるのですが、シリーズ史上最悪の殺人鬼が登場します。

ネタバレになるので、詳しくは書けませんが、ほんわかしている『おけら長屋』についにこんな悪者が!?とびっくりしてしまうかもしれません。読者の皆さんの反応がどうなるか、ちょっとドキドキしてしまいますが、きっと先生の新しい試みを、受け止めてくださるだろうと思います。

一つだけネタ晴らしをしてしまえば、読後感はとてもいいものになっていると思います。最後のページの、粋なことと言ったら!

先生に、最後のページの文章が降りてくる瞬間を、目の当たりにしましたが、その時編集長と私は思わず拍手をしてしまいました。

編集長と私は、「長年編集やってるけど、降りたくるその瞬間に立ち会えて、こんなふうに拍手をしたことなんて、初めてですよ!」と二人とも興奮して帰路についたことを、鮮明に覚えています。こんな時間を持てるなんて編集者として最高に幸せですねえ、とうなずき合いながら。

今回も、心からお勧めしたい、素晴らしい四編になっております!
ぜひ、皆さんにお手に取っていただけたらと思います。

(むとう)

その謎は「地形」に理由があるんです!/『地形で読み解く古代史の謎』関裕二著(PHP文庫)

ご紹介が遅くなってしまいましたが、関裕二先生の『地形で読み解く古代史の謎』の編集をお手伝いさせていただきました!

ここ数年、「地形」に注目する人は増えていますね。

確かに、地形は大事です。歴史上の謎と呼ばれるものは、政治的事件だけをおいすぎると、よくわからなくなったりしますけど、地形を見てみたら、「なるほど、この位置に深い川があったら、そりゃこれ以上前に進めないわ」みたいな感じで、いっきに謎が氷解するなんてことがよくあります。

今でもそうですよね。例えば、取材アルアルなんですが、「地図アプリで3キロ、徒歩35分と出たので、余裕で歩けるじゃんと思って行ってみたら、その道筋はアップダウンの激しいほぼ山道で、35分でたどり着けなかった」なんてことがよくあります。行ってみないとほんと分からないし、行ってみると合点がいく…。「机上で終わらずに、現場に行って体感するのが一番」と、関先生はいつもおっしゃいますが、本当におっしゃる通りです。

そんな関先生が、「地形」にフォーカスして書かれた『地形で読み解く古代史』(KKベストセラーズ)をリニューアル。『地形で読み解く古代史の謎』としてPHP文庫に再登場!!
邪馬台国、ヤマト建国の経緯、古代遷都などなど、日本古代史の謎を、先生が読み解いてくださいますよ~。

今回は地図を多めに配置しております。そして、今と昔では地理も変わっているので、一部ではありますが、その当時の地図(推定)を掲載するよう頑張りました。実際に地図もご覧いただきながら、先生のキレッキレな解釈を堪能していただけると思います。

ぜひお手に取ってくださいね~!

(むとう)