「役行者の足跡を訪ね、葛城修験を歩く文化系登山 |友ヶ島・金剛山・御所市」/YAMAP MAGAZINE

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「葛城」について、かねてから思いを強く持ってきました。まずシンプルに葛城山系という場所に魅せられているということがあります。そして、歴史を愛する人間として、あの一帯が注目せざるを得ないホットスポットだということもあります。

さらにもう一つのポイントとして、日本仏教の黎明期の揺籃のような場所だということです。最も有名なのは、「役小角」ーー「修験道」が生まれた場所ということではないかと思います。

「修験道」は、外来の宗教…仏教・道教などに、縄文以来の日本独自の精神・信仰が結合して生じている流れだと思いますが、始まりの場所である葛城山系には、その雰囲気が、よく残されていると私は感じているのです。何度訪れても、次々と魅力が見つかってしまって、本当に切りがない場所なのです。

そんな心もちでいたところに、ヤマップのTさんが、「葛城修験の記事を書きませんか?」とお声掛けくださいました。「現地取材もばっちりしてきてください!」と心強いお言葉!私は思わず、喜びの声を上げてしまいました。

Tさんは、私が好きな少々濃ゆい文化系の物事について、理解して面白がってくださる、大変貴重な方です。そんなTさんはじめ、ヤマップのIさん、Yさん、そして写真家の川野恭子さんとチームを組んで、取材させていただきました。

そして今回は、巡礼するだけではなく、実際に葛城山系に関わっておられる方々に教えを乞うことができました。和歌山県立博物館の大河内智之さんには葛城修験の歴史や現況について、菩提寺の前川さんには、葛城信仰の記憶やかつての菩提寺の様子について、大変貴重なお話を聞かせてくださいました。そして尊敬してやまない転法輪寺の葛城光龍師にお目にかかり、改めて「葛城を歩く」--その心のありようについて、ご教示いただきました。改めて、ご厚誼に深く御礼申し上げます。

記事にも書きましたが、5月に再び葛城を訪ねたいと思っています。葛城師にまたお目にかかれますのが、今から楽しみです

そして最後になりますが、ヤマップのTさん、Iさん、Yさん、写真家の川野さん、そして金剛山登山にご一緒くださった和歌山県庁のTさん、改めましてありがとうございました。楽しい時間でした!

(むとう)




祝!累計150万部!そしてやっぱり笑い泣きの傑作ぞろい!「人は”心”で動く」んですよね…/『本所おけら長屋(十八)』畠山健二著(PHP文芸文庫)

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おかげさまで、累計150万部を突破しました!
まずは、ファンの皆様に、御礼申し上げます。本当に、ありがとうございました。

発売日は明日(3/24)。少々フライングですがお許しを…

重ねに重ねて18巻。
数えてみましたら、18巻でなんと86話!!!

一話一話が入魂の逸品という、このクオリティのお話を書き続けられたのも、先生のお力なのは言うまでもありませんが、皆様の応援のお声が原動力ではないかと思います。

どうかこれからもご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます!

そしてちょっとだけ、ご本の内容についてもご紹介いたしますと、

第一話「あやつり」……
なんとなんと、津軽高宗さんの奥さん・玉姫様が初登場!女性ファンも多い高宗さんですが、既婚者だということは、意外と知られていなかったと思います(初期にちょこっとだけ設定が出ていたんですけどね)。おおらかすぎる高宗さんなので、奥さんの気持ちは全然わかってません。そんなことから起こる大騒動です。ぜひぜひお楽しみに。

第二話「たけとり」……

暴力亭主から逃げてきた心優しい美女が登場。おけら長屋の面々が彼女を守るため奔走しますが、魚辰さんが惚れてしまって…というお話。実は、この設定を今風の言葉で言えば「DV」ですよね。現代らしいテーマをお江戸に織り込むというのも、先生の真骨頂ですね。

第三話「さいころ」……

何歳になっても恋心は止められません!今回は、木田屋さんと大家の徳兵衛さんが恋敵になっちゃますよ。もうこの設定で、ファンの皆さんもニンマリとされるんじゃないでしょうか。この二人とおけら長屋の連中の思惑がからんだら、面白い結末にしかならないですね!

第四話「きんぎん」……

八百金こと金太さんは、あまたいる登場人物の中でも相当な人気者で、「金ちゃんが出てこないと寂しい」「金ちゃんをもっと出してください」と、ファンの皆さんからお叱りをいただきます。でもこのお話で、金ちゃんファンの皆さんにもご納得いただけるでしょう。今回は賢い野犬・銀太が金太の相棒になります。個人的なことで恐縮ですが、私は何度も読んでいますけれども、そのたびに涙があふれてしまいます。こういうお話もまた、先生の十八番ですよね。いいんですよ、ほんともう。

そんなこんなで、今回も全力でお勧めしたいお話ばかりの四話です!!
ぜひ、お手に取ってくださいね~!

(むとう)

文献と考古学から読み解く古代史最大のミステリー!『邪馬台国とヤマト建国の謎』関裕二著(PHP文庫)

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関先生の新刊をお手伝いさせていただきました~!

今回のお題は、邪馬台国とヤマト建国。古代史ファンにとって、「邪馬台国」も「ヤマト建国」もたまらないテーマですよね。本書はその魅力的なテーマを、関先生ならではの視点で書き下ろしていただきました。

なんといっても「邪馬台国」は、あえて申し上げるのもなんですね。古代史最大のミステリーです。これほど長い間、プロ・アマに関わらず、論じられ続けてきたテーマは、他にないんじゃないでしょうか。

中国の文献に残された「倭」、そしてその中の一国である「邪馬台国」と女王「卑弥呼」。その中で「邪馬台国」とはどこにあったのか、卑弥呼という王はどんな人物だったのかについて、様々な説があり、いまだ決着していません。日本側の文献や墳墓から、文字で記録されたものが残されていたら(出土したら)、ここまで多くの人に論じられ続けることもなかったでしょう。しかし出てこないのですから、結局は確定できません。今も未決着のまま…

いやしかし。

少々無責任な言い方をしてしまいますが、その決定打が出ないというのが、スパイスなのかもしれませんね。やっぱりこちらなのか?いや、しかしこんな遺跡が出ているんだから、そちらなのではないか…と想像したり、誰かと討論するのが、また楽しい。ロマンですね。

これまでにも、様々なご著書で邪馬台国について触れてこられましたが、今現在の先生が「邪馬台国」をどう考えているのかを、改めて知りたい!と言うのが、本企画の出発点でした。

そして、「はじめに」からちょっとだけ引用――

「そこで、新たな仮説を用意しようと思う。それは倭国の女王・卑弥呼は、魏の使者の邪馬台国(邪馬台国はあくまでも”倭国の女王が住むところ”だ)訪問を、嫌っていたのではないか、というものだ。あらゆる手段を講じて、妨害しようとしていたのではないか……。北部九州の邪馬台国は偽物で、本当の「ヤマト」は、畿内にあった。」

――えええ?どういうこと??

そう思った方も多いのではないかと思いますが、ぜひお手に取ってみてください。いろいろな意見があって当然の「邪馬台国論」ですが、本書を読んでいただくと、先生の”新邪馬台国論”に頷いてしまうのと同時に、「ヤマト建国」についても、新しいイメージが湧き上がってくるのではないかと思います。つくづくこの二つのテーマは、不可分なのですね。ぜひ本書を参考に、自分の中の「邪馬台国」像を、バージョンアップしてみてください!

(むとう)