「疾風に折れぬ花あり」(中村彰彦著)、連載第二回掲載!!

中村彰彦先生の「疾風に折れぬ花あり」、第二回目掲載の文蔵が発売されました!
文蔵は毎月17日発売の文庫型雑誌です(雑誌型文庫というべき?)。
20131019第二回は、いよいよ、武田家がのっぴきならない状況になっていく様子が描かれています。武田信玄は戦国の雄であり、また、代々関東の名家であっても、滅ぶ時にはこんな風になってしまうのか…というそんな風に思ってしまう展開…。

武田信玄の末娘・松姫が主人公の本作品。滅びに向かって転げ落ちていくようなお話の中で、今回も匂い立つような美しさです。
なんといいましょう、浮世離れしているというか、過酷な運命を背負わされる人の、ただ人ではない気配……とでも申しましょうか。滅びの中の光と申しましょうか、いや、泥の中の蓮花というほうがあっているかも…。

彼女の同母兄の五郎盛信もまた、美しい。信玄の死後統領になった異母兄・勝頼の愚行が滅びを引き寄せたと理解しながら、しかし、武田家の男として、武将として、信念を貫くことを決めてしまいます。そして妹には「生き延びてほしい」と後事を託すのです。

歴史に「もし」はあり得ないのはわかっていますが、「もし」、五郎盛信が武田信玄のあと、武田家を継いでいたら、歴史は大きく変わったことでしょう。そんなことを強く強く思ってしまう今回のお話。
ぜひ、皆様もお手に取ってみてください!

(むとう)

『疾風に折れぬ花あり』(中村彰彦著)連載スタート!


文蔵

PHPさんより発行されている文芸雑誌(文庫)『文蔵』さん10月号にて、中村彰彦先生の新連載『疾風に折れぬ花あり』がスタートしました!!

中村彰彦先生といえば、NHK大河で改めて注目が集まっている「会津人」をはじめ、人間の生きざまをえがき続けてきた方。私は、編集者である以前に単なるファンとして、中村先生の著作はずっと拝読してきましたし、先生のえがき出される「見事な人間」を、自らの目標(おこがましいですけど;;)としてきました。
ありをりあるでも、「レキベン」で先生の『二つの山河』や『名君の碑』についてアツく語っちゃったりますし

そんな自分が、なんと、その憧れの先生の新連載のお手伝いをさせていただけることになったのです!本当に嬉しいです!!
お仕事くださったN編集長には本当に足を向けて寝られません!

今回の物語は戦国時代、武田信玄の娘・松姫(信松尼)が主人公。松姫は、武田・織田の蜜月時代に、信長の嗣子・信忠の許嫁でしたが、破談。その後は結婚せず、武田が滅びた後、姪たちを立派に育て上げ、武田旧家臣の精神的支柱になった見事な女性です。会津の藩祖・保科正之を守った人でもあります。そんな女性を、中村先生がどんな風に描かれるのか…。私はワクワクしながら先生の原稿を待ちました。

そして、先月半ばごろ。いよいよ先生から生原稿がファックスで届き、それを拝読した瞬間……。

うおおおおおおおお、という感動が身を駆け巡りました。

匂い立つような松姫さんがそこに立ち上がっておりました。そして、戦国時代の名族武田家の家中にあっただろう、空気。私は一気にその中へ引き込まれてしまいました。

これから、毎月この感動を誰よりも早く味わうことができるなんて!
本当にこれこそ編集者の特権です。なんて楽しいお仕事なんでしょう。

ぜひお手に取ってみてください~!

ちなみに、掲載されております『文蔵』は今号がなんと8周年記念!!毎月17日前後発売です。