「誰かに認められなくても、あなたは素晴らしい」。五木先生渾身のメッセージ集・第三弾登場!『あなたの人生を、誰かと比べなくていい』/五木寛之著(PHP研究所)

「誰かに認めてほしい」という欲求
先生のご本をお手伝いさせていただいて、今回でなんと5冊目!!そして、本シリーズはついに第三弾となりました!!

いやあ、もう。本当に嬉しいです。
一年間で三冊。
まさか実現できるとは……。奇蹟のような発刊ペースだと思います。
改めまして五木先生、本当にありがとうございます!!!
発売日は7月21日。少々フライングですが、ご報告させていただきます!!

さて、今回のテーマを決める際に、以前の打ち合わせの際に五木先生がぽつりとおっしゃった言葉が、ずっと心に引っかかっていました。

「誰かに認めてほしいという欲求が、高まりすぎているね」

世の中の流れを絶えず感じ続け、その大きな流れの先端にいらっしゃりながらも、自分はマイノリティだ、とおっしゃる先生。いつでも外側から俯瞰しておられるような、そんな視座をお持ちだからか、とにかく世の中にある流れにものすごく敏感でらっしゃいます。その感度の絶妙さは、神がかり的と言っていいでしょう。
その先生が「認めてほしい」という言葉を使われたことが、気になって気になって……。

苦しみの根源にあるもの
そうしたところに、前作、前前作の読者の皆さんからのお便りが届きました。その中には、まるで先生の言葉が呼び寄せたかのように、「誰かに認められたい」、そんな思いで苦しんでおられる言葉が溢れていたのです。

その苦しみは、「自分の人生を肯定できない」と考えていることが原因のように感じました。そしてそれは、「ほかの人の人生と比べてみると、自分はだめだ」、そうおっしゃっておられるのがほとんどだったのです。

「比べる」

これをして、良いことになることは少ないのではないでしょうか。
「比べて」分析し、情報として前向きに生かせればいいですが、なかなかそうはいかないのではないか。それで、私たちは二重・三重に、苦しみ合っている……

「認められたい」「比べる」

N編集長と私は、これだ!と思いました。これこそ今回のご本のテーマなのではないか、と。そのことを先生にご相談すると、先生はにっこりと頷かれました。それがいいね、と。

そうして、タイトルもストレートに、『あなたの人生を、誰かと比べなくていい』となりました。

この世界は、生きるにあたいする
先生がこれまでに何度も、ブッダが生まれて間もなくにはなった言葉、「天上天下唯我独尊」をキーワードとし、語ってこられたことがあります。

それは、この言葉とは、「私という存在は、ただひとつしかない尊い存在である」という意味ではないか、ということです。つまり、「比べようがない」貴重な存在なのだということです。

「(前略)私たちはたったひとつの存在としてひとりで生まれ、ひとりで死んでいきます。つまりすべての人が、「ひとり生きる」存在だということです。私たちはそのことを、実感として気付く必要があると思います。

「ひとり生きる」ことは、とても険しい道のりです。似たような人がいても、同じではない。誰かの真似をしても、まったく同じにはならないでしょう。だから自分ひとりで悩み苦しみながら、精いっぱい生きるほかないのです。

しかしひとつの希望は、「すべての人が、ひとり生きている」ということです。その点において私たちは共感し、つながることができる。

不安のあまりひとり眠れぬ夜を過ごしていたら、そのことを思い出してみてください。苦しくて涙も出ない。そんな時にも、世界にはあなたと同じように苦しんでいる人がきっといる――そのことを思い出してほしいのです。」(「まえがき」より引用)

少々長くなりましたが、まえがきより引用させていただきました。

「ひとり生きる」とは、「孤独」ということです。
しかし、孤独であることを恐れないで、と先生はおっしゃいます。

なぜなら、この世に生きるすべての人が、「ひとり生きる」存在だから。孤独を抱える存在だからこそ、誰かとともにある時の――寄り添えた時の喜びは大きいのです。

先生はあとがきで、「やはりこの世界は生きるにあたいする」と呟かれています。

何度も鬱状態に陥ったり、自殺を考えたこともあるという先生ですが、今、そのような境地になられたということは、私たち読者にとっても、「希望」なのではないかと思います。

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また、おかげさまで、第一弾『ただ生きていく、それだけで素晴らしい』は5刷を数え、3月に刊行されました第二弾『無意味な人生など、ひとつもない』は、3刷を数えました。本当にありがたいことです!
お手に取ってくださった皆様、改めて御礼申し上げます。

そして、最後になりますが、第一弾から一緒に走り続けてくださっているN編集長様。また本シリーズの礎を築いてくださったN元編集長様、本当にありがとうございました!第四弾も、頑張りましょう~!

(むとう)

「あなたはこの世界で、かけがえのない存在」。五木先生渾身のメッセージ集第二弾登場!『無意味な人生など、ひとつもない』/五木寛之著(PHP研究所)

昨年11月に刊行されました『ただ生きていく、それだけで素晴らしい』に続き、第二弾『無意味な人生など、ひとつもない』が刊行されました!!!

もっと、あなた自身を認めてほしい
前作に続き、五木先生のメッセージ集第二弾ということではありますが、あえていうなら、今回は「生きて死ぬということ」、つまり「人生」を特に意識した内容になっていると思います。

少し長くなりますが、「まえがき」から先生の言葉を抜粋してみます。

『これまで、「生きる」ことについてずいぶん多くの本を書いてきましたが、私自身が絶えず迷いや苦しみの中にあり、何かをえらそうに言える立場にはないと思ってきました。しかし、悩める日々を重ね、多くの人の生を垣間見てきた今、これだけははっきりと言えます。それは、「無意味な人生など、一つもない」ということです。

誰かのためだけに生きてきた、孤独に生きてきた、ただ呆然と生きてきた。そのいずれの生き方も……どんな生き方をしようとも、それでいいのです。(中略)
そしてもし無名のまま人生を送ったとしても、この世の中に生まれてきて、そして五十年生きた、七十年生きた、いや、わずかに一年生きたとしても、その「生きた」というだけで、人間として大変大きな意味のある仕事をしているのではないか、と思います。』

先生は、前作でも何度もおっしゃっておられたんですが、読者の皆さんに『もっとあなた自身を認めてほしいとお伝えしたい』、そんな思いが強くおありです。

それは「無条件でいい」のです。

しかし、もしそう思えたとしても、また迷ってしまったり、悩み苦しんでしまうことが分かる。だからこそ、そう考えるのは一人ではない、私もそうなんです、そう伝えたい……。ご自分も「弱き者」「悩める者」の一人として、本書の言葉の何かが、皆さんに寄り添えたらいい、そんなことをおっしゃっておられました。

変化し続ける。それが生きるということ
五木先生は、今年で85歳になられます。そして、先月からなんと週刊誌で小説の新連載を『週間現代』さん誌上にてスタートされました。
エッセイなどでは多数連載を持たれてますが、小説を、しかも週刊誌でスタートされるなんて……!!!本当に心の底から衝撃が走りました。

それも、あの名作『青春の門』の続編です。

ただでさえお忙しいのに、週刊誌で新作小説の連載。
もう「超人」としか言いようがありません。

年が明けてからお目にかかったのですが、さすがの先生もお疲れではないかと思っておりましたら、さにあらず。むしろびっくりするほどお肌ピカピカ、桃色の頬にはじけるような微笑み。

思わず先生のお顔をじっと見つめて、「先生、お顔色がいつもに増してすばらしいですね!ピカピカ!」と叫んでしまいました。

そんな私の無礼を先生は照れくさそうにいなし、「いやいや、どうにか、ね」と言って微笑まれましたが、いや、もうなんていうんでしょう。気力の充実が全身から放射されておられるように思いました。

改めて、先生への憧れの思いを強く感じてしまいました。絶えず何かにチャレンジしていくそのお姿、かっこよすぎます!
レベルが違い過ぎておこがましいですが、私もそんな風に生きていきたい!そう思いました。

「変化しつづけなさい。それが生きるということだよ」

先生の言葉が、胸に刺さります。

何ごとも遅いということはない。その時、「今」こそが人生という舞台のさなか。
その主役は、私自身しかいないのです。そのことを胸に刻まなければ、…ですね。

また、おかげさまで、前作『ただ生きていく、それだけで素晴らしい』も、四刷を数えました。そして、嬉しいことに、3月よりセブンイレブンさんでも販売されることが決定!お近くのセブンイレブンさんで見かけたら、ぜひ、お手に取ってみてくださいね!

最後になりますが、シリーズの最初の土台を築いてくださったN元編集長様、一緒に走り続けてくださっているN副編集長様。今回も本当にありがとうございました!
第三弾も頑張りましょう~~!!
(むとう)

「あなたはあなたのままでいい」。存在を全肯定する珠玉の言葉集、ついに登場!『ただ生きていく、それだけで素晴らしい』/五木寛之著(PHP研究所)

ようやく、皆様のお手元にお届けできることができます!

お手伝いさせていただきました五木先生の新刊、『ただ生きていく、それだけで素晴らしい』、刊行されました!!
20161022

お手伝いさせていただくのは『私訳歎異抄』『自分という奇蹟』に続きまして今回で三冊目なのですが、実は、先生が本当にお忙しいので、企画が立ち上がってからこの刊行まで約3年ほどかかってしまいました。ですので、なんと言うかもう、感無量。
とはいえ、大好きな五木先生にお目にかかるという名目があり続ける、というのはこの上ない幸せで、この三年間、個人的には至福の時でした。

そうなんです。
大変私的な告白で恐縮ですが、私は五木寛之先生が大好きなのです。

子供のころからご著書を拝読して、その見識の深さに憧れ、特に仏教に関して、日本人の心性についての先生のご本には、たいへん影響を受けています。
ですので、はじめてお目にかかった時には緊張して、ただ上ずったようなお返事をするので精いっぱいでした。本当は、申し上げたい言葉が胸いっぱいに詰まっているというのに、何も言えず、編集長の影でひたすらメモをとり続けるしかない私。そんな挙動不審な私に、先生は優しく微笑みかけ、「ムトウさんは今までどんな仕事をしてきたの?」と聞いてくださいました。
私は、アワアワしながらこれまでの仕事をのことなどざっくり申し上げますと、また柔らかに微笑んで、「そう、…ちゃんとがんばってきたんだね」と言って下さったのです。

こんな風に書くと、あまりにも普通のやりとりに思われるかもしれません。
しかし、先生がこの優しい言葉を、絶妙な間でおっしゃるともう、ものすごく特別な丸みを帯びて、こころにスルッと染み入るような言葉になってしまうのです。

本当に、本当に、すごいんです、ほんとに!
正直言ってこの時、思わずこみ上げるものがありました。
ああ、頑張ってきて本当によかったなあ、なんてありがたいんだろう、そんな感動で鼻の奥がツウンとしてしまい…。先生に受け止めていただけたような、私という存在を肯定していただいたような、そんな思いで胸がいっぱいになってしまったのでした。

本書の中でも、「面授」という言葉が出てきます。元は仏教の言葉で、師が弟子に面と向かって仏の教えを伝えるといった意味なのですが、先生はその言葉から、人と会うことの貴重さを説いておられます。私は本書を通じて、まさに五木先生という偉大なる師の面授をいただいた、と僭越ながら感じました。

『蒼ざめた馬を見よ』、『風の王国』、『生きるヒント』、『大河の一滴』、『親鸞』などなど、先生が描かれてきた作品のテーマは多岐にわたりますが、実は、その中心には、ずっと変わらない大きなテーマが流れている、と思います。それは――こころ、いのち、人生、生と死、――ではないか、と思うのです。
先生がずっと対峙してこられたこれらのテーマは、すべての人にとっても大切なテーマではないでしょうか。本書は、そのテーマを改めて分かりやすくまとめてくださった、そんな一冊になっているように思います。

そして、先生が「ここのところ、特に皆さんに言いたいことだよ」、と言っていた言葉がそのままタイトルになっています。

『ただ生きていく、それだけで素晴らしい』

何かを成し遂げなくても、誰かに評価されなくても、「生きている」それだけでもう十分。いのちとはあり得ないような奇蹟的なバランスでこの世にある、そのことをもっと気付いてほしい。
先生は、このことを何度も何度も、繰り返しおっしゃられていました。

その言葉を伺っていて、担当編集のNさんも私も、そしてPHPさんの営業の皆さんも、タイトルはそれしかない、とそう思ったのです。そして先生も「僕もそう思うよ」と言って下さいました。

今必要なのは、悲しみや涙をも内包しつつ、それでも、だからこそいのちを肯定していくそんな言葉なのではないか、そんな風に強く感じています。

本書を通じて、皆さんも、私が先生の言葉に肯定していただいて泣きそうな気持ちになった、そんな言葉を見つけていただけたらいいな、と思います。

ぜひ、お手に取ってみてくださいまし!

そして最後になりますが、本書のお仕事を振ってくださったN編集長さま、そして担当してくださったN副編集長さま、本当にどうもありがとうございました!!

(むとう)