17年ぶりの秘仏ご開帳!@千手院(滋賀県長浜市)

長浜市の千手院で、何と17年ぶりの御開帳です!

長浜は、豊臣秀吉が城主だった地としても有名ですが、仏像好きとしては、琵琶湖の東岸の、観音様ゾーンにある大都市(?)としても印象深い場所ですね。

こちらの郊外にある千住院というところに、国指定重要文化財の観音さんがいらっしゃるそうです。不勉強なもので全然知りませんでした。
京都新聞に、そのお姿の写真も掲載されてますので、ぜひご覧ください!↓
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20121106000021

11月11日まで。
お近くの方はぜひぜひ~~!

:川道観音・千手院
http://homepage2.nifty.com/kawamichi/index.htm
アクセス:JR琵琶湖線長浜駅から湖国バス近江高山線で「川道南」下車。

仏頭を作ってみたい

仏像を追いかけてウン十年…。物心ついて以来ずっと追いかけ続けてきましたが、あくまでも「あこがれの人を見る」立場というか、スタイル(それが普通だけど)。あくまでもウォッチャーであったわけですね。
そんなスタイルから、一歩踏み出してみよう、ということになりました。

というのも、何事も弾み、というものがございますね。
日頃お世話になっている奈良博・N先生を囲む飲み会で、新進気鋭の仏師の方とたまたま同席したのですね。で、たまたまそしてその方が、仏頭づくりの体験講座@奈良まほろば館を開催されるというではありませんか!

……こういう御縁はどんどんノル性質(たち)です。
なかなかないですよね!仏師の方と同席するなんて。しかも体験講座が近々あるなんて。これは何かの思し召し、ということで、その場でさっそく申し込みまして、昨日、行ってきました!

雑誌でも特集されてたり!これからさらに要チェックなおかた。

新進気鋭の仏師・Yさんは、彫刻家としても最近大注目の作家さんです。

カッコいいので、女性誌からも引っ張りだこだそうですよ。これをいうとYさんは複雑な顔をされますけど、まあ事実なんだからしょうがない(笑)。

物腰柔らかでユーモアたっぷりでサービス精神も旺盛。講座も、初めは私はもちろんみなさん緊張していましたが、Yさんの語り口で、すっかり和やかなムードになりました。

仏頭づくり、といっても木を彫ったりするわけではなく、紙粘土を使った方法。仏像的な言い方をすれば「塑像」ですね。塑像の簡単バージョンを体験する、とも言えますけど、Yさんがおっしゃるには、これは美術分野の一般的な方法。なので、今回は、「仏像の作り方を体験する」、というよりも「仏像という形をそれぞれが作ってみる」という体験だそうです。

「自分で作ろうとすると、観ているのとは違って、細部までじっくり見る必要があるし、自分の手で触って形を作りますから、また違った視点で仏像が見えてくるようになりますよ」とYさん。なので、お手本はありますが、みなさんの思うように作ってください、とのお言葉。

かっこよすぎる見本に、絶対無理!とビビる私。

それを聞いて、胸をなでおろしました。
だって、目の前にある見本が「旧山田寺仏頭」なんですもの!ハードル高すぎです!

でも、こういう立体の見本がないと、あまりにも見当がつかないので、ありがたいですよね。
このお像には絶対に及ばないけど、とりあえず目標ということで。

さあ、前置き長いですけど、いざ、スタート!
材料は、木組み(新聞紙、荒縄、木。すでに作っておいてくださってました)、紙粘土、水。
シンプルすぎて、逃げ場がないですよ!このセッティング^^;。
でも、きおくれせず、とにかく始めましょう。
木組みに、まず、紙粘土を良くすりこむようにくっつけていきます。最初が肝心だそうですよ、しっかりしっかりつけます。
そして、そのあとは、もう各自自由に!

「面白いもので、みなさん、見本に近づけようとされていても、結局ご自分の顔に似てくるんですよ」(Yさん)

むむ。じゃあ、できるだけ笑顔の仏像にしたいぞ!と意気込む私。
ここまで粘土を盛るのに一時間かかりました。

なんか、埴輪っぽいな。

お分かりと思いますが、すでに見本への道から大きく外れております。ふっくら優しい顔にしたいのですが、どうしても細おもてになってしまいます。私も相当なふっくら丸顔なのに。おかしいなあ。Yさんのアドバイスによると、メリハリがないので、余計にそう感じるとのこと。
うーん。どうやってもふっくらしませんよ!しかも頭の上の肉髻(にっけい)部分が前過ぎてなんかへん。 こういう恐竜いましたよね…

そんなこんな、ここでタイムアウト。講座の時間内(二時間)ではなかなかできないです~。
Yさんがきれいに箱詰めして下さり、お持ち帰り。
あとは家で仕上げ作業です。

そして完成!
結局全然ふっくらしませんでしたが、結果的にかなり好きな顔になって、自己満足!にっこり笑ってくれてよかった。
しかし、見本には全く遠いところに着地してしまいました。とほほ。

それにしても、いい体験をさせていただきました!
Yさんのおっしゃる通り、今までとは違う視点をいただいたような気がしています。
#そして、不届きですけど、また作りたいと思っちゃいました!

Yさん、まほろば館Bさん。ありがとうございました!!

奈良まほろば館
http://www.mahoroba-kan.jp/
:銀座線・半蔵門線三越駅前から徒歩5分

 

近江路の神と仏@三井記念美術館

『琵琶湖をめぐる 近江路の神と仏 名宝展』(三井記念美術館)にいってきました!

近江(滋賀)は、仏像の宝庫ですよね。
仏像好きにとってたまらないエリアなんですが、ちょっと交通の便があれでして…;。まわろうとしても苦労してしまうエリアだともいえます。
そんな中。今回は滋賀県一帯の、普段はなかなか拝観できないお像も多数いらっしゃるということで、期待して行ってきました。

お像の姿をこちらで紹介するわけにはいきませんが、チラシと図録は大丈夫でしょう。
写真の左のチラシは、大日如来像@石山寺。快慶作の美しいお像。右の図録は、千手観音菩薩立像@葛川明王院。こちらもきれいですね~。

また、実際に拝観すると、さらに美しいです。写真とは印象もかなり違います。観る人によって変わっていくのが、仏像の不思議な魅力かもしれませんね。

私がなかでも心ひかれたのは、十一面観音立像@櫟野寺(らくやじ)でしたが、図録を見てあれ?と思いました。全然印象が違う!実際の観音さんはもっと素敵だぞ~と思ってしまいましたが、これもまた仏像の不思議なところ…。

こういう展覧会の良さ、というかありがたさは、なかなかタイミングが合わなくてはいかんできないお像や、交通の便が悪くて行きそびれているお寺のお像を一堂に拝観できるってことですね。
今回は、仏像だけでなく、仏画や神像、工芸品も素晴らしいものがたくさん来ていました。
こんな機会はなかなかないと思います。ぜひ、観に行ってみてくださいね!

三井記念美術館
会期:9月8日~11月25日
http://www.mitsui-museum.jp/index.html