【若狭旅】②高浜町周辺、「馬頭観音」集中地帯へ

「おおい・高浜の秘仏めぐり」ツアーに参加できました~!
さて今回の旅は、順序で言いますと…

一日目、二日目⇒小浜市内のお寺さん
三日目⇒今回のメイン目的地、高浜町の「馬居寺」と「中山寺」

といった流れで計画しました。
小浜市内のお寺さんは、もう何度もお邪魔していますので、なんといっても今回のお目当ては三日目の二か寺。
しかし、この二か寺ともに駅からも離れていて、ちょっと自力で行くのはきついところにあります。

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こちらの地図は、観光協会でいただいたパンフレットの地図から一部拝借!

調べてみましたら、最寄り駅からレンタサイクルで15分くらいで行けそうなんですが、お天気崩れたらアウト。いろいろ考えて、今回は観光協会が主催するツアーに参加させていただくことにしました。このツアーに参加しますと、とてもレンタサイクルではとてもいけなさそうなお寺さん(長楽寺)にも行けちゃうし、お食事もついてる!一人旅にはもってこいです。

しかし、この「おおい・高浜の秘仏」ツアー、募集人数も少ないためか、私が気付いた時にはもう定員埋まってました。でも、ダメもとで、キャンセル待ちリストに名前を入れていただいたところ…。なんと! 出発の二日前にキャンセルが出たと連絡が入り、無事参加させていただけることになりました。

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(これ↑、このツアーです!!)

いや~、本当についてました!

これで、馬居寺さん、中山寺さんはもちろん、長楽寺さんにも行けることになりました。結果的に、これはもう大正解!!

というのも当日は大雨。もし一人だったら、タクシーをお願いするにしても、タクシーがつかまらないとか、雨宿りする場所がないとかで、泣きたい気持ちになっていたと思います。

馬頭観音像が集中している「丹後富士」こと「青葉山」周辺
さて、今回、「馬頭観音」さんということばを何度も使っておりますが、馬頭観音さんがよくある仏像かというと、違う、と言っていいと思います。

江戸時代以降になりますと、民間にも広く広がり、馬の守り神、蚕の守り神などなど、様々な形で信仰され、親しみ深い観音さんになりますが、江戸以前からご本尊として馬頭観音さんを祀っているところはそう多くないのです。

それなのに、今回たずねるお寺さん二か寺は、ご本尊が馬頭観音さんです。これは相当に珍しい。

そしてこの二か寺の共通点としては、「丹後富士」と呼ばれるお山、青葉山(あおばさん)近くにある、ということ。

また、今回は福井県ではないため特別開帳などしていなかったのでいきませんでしたが、青葉山南西麓(京都府サイド)に、松尾寺(まつのおじ)さんという、大きなお寺さんがありまして、こちらもご本尊は馬頭観音さんだ、と。

この三か寺、すべてご本尊が馬頭観音さん、…ってことは、めちゃくちゃ珍しい、ってことなんですね。おそらく、全国一の「馬頭観音さん集中地帯」といってもいいんじゃないでしょうか。

20141213-12さて、そんなこんなで、馬居寺さんにやってきました。ツアーとしては、長楽寺さん、おおい町郷土史料館を廻ってから、三番目の場所です。

もし、個人で行くなら、小浜線若狭和田駅をおりて、から約1.5キロ、徒歩で20分ほどみたい。いいお天気なら歩いていけますが、大雨の中ではちょっと無理、かな。

さて、いよいよご対面です!

写真では何度も拝見してますが、実物はどうなんでしょう!?

(続く)

【若狭旅】①秘仏界の超有名仏像、馬居寺と中山寺の馬頭観音さんに会いたい

福井県、若狭の国エリアは関東から6時間かかります
8年ぶりに訪れた、福井県小浜市を中心としたエリア。昔風の言い方をすれば「若狭国(わかさのくに)」。

仏像の里としてあまりにも有名な場所ですが、関東在住の人間にとってはなかなか足が伸ばせないエリアともいえると思います。

理由は、……シンプルに、遠い!!

若狭のあたりというのは…
20141213-2ここです!

関東からいくとなると、東海道新幹線で米原へ、そこで北陸本線に乗り換えて、敦賀で小浜線に乗り換えて、ようやく到着。そんなかんじです。電車の本数が少ないということもあり、結局6時間弱かかります。

なかなかな時間ですよ。ほんと。
いきたくても、ちゃんと時間をとれないといけない場所ですよね。

今回は三泊四日、時間をとりました。
けっこう強引にとりました!

それはなぜかと言いますと、この、「特別開帳」に行きたかったからなのです!

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馬頭観音像界の超有名人(仏?)、中山寺と馬居寺の秘仏二体が!
毎年、福井県が行っている秋の特別ご開帳ですが、今回の目玉は、なんといってもこのチラシにあります二体の仏像です。こうしてチラシに知れっと掲載されていますと、なんとなくシレッとしてしまいますけど、実際にはシレッとしている場合じゃない仏像なんです。

右のお像は、中山寺(なかやまじ)さんの御本尊で33年と、17年に一度のご開帳、
左のお像は、馬居寺(まごじ)さんの御本尊で、25年と、12年に一度の午年にご開帳、
という拝観者にとってものすごくハードルの高い秘仏なのです。それが一気に同じ時期にみられちゃうっていうんですから、そりゃもう、浮足立っちゃうような話なわけです!

両尊ともに、「馬頭観世音菩薩(ばとうかんぜおんぼさつ)」という、いわゆる「観音(かんのん)」さんです。

「え?菩薩なのに、こんな怖そうな顔なの?」

と思われる方も多いかもしれませんが、馬頭観音さんは、このようなこわいお顔で表わされるのです。

『日本仏像事典』真鍋俊照編(吉川弘文館)を見てみますと…、

「慈悲を本誓とする菩薩であるにもかかわらず、この観音像に限って常に恐ろし気な忿怒相に表現され頭上に白馬の首をつけている。もちろんこの忿怒形はあらゆる魔障を消滅するための方便で、いわゆる衆生の六道四生といわれる生死すべての苦しみを断つことを内容とするものである。(中略)」

とあります。

また、この馬頭さんは、かなり時代は下りまして江戸時代以降は特に、ですけども、馬の守り神としてもとても人気があります。江戸時代の石仏の中にはこの馬頭観音さんがよくありますね。

しかし、この若狭のあたり、特に上のチラシにある二尊があるエリアは、そんな風にポピュラーな存在になる、もっと前、飛鳥時代くらいから始まる信仰の場所。少なくとも平安後期には「馬頭観音信仰」があったようで、「青葉山」という小高い山の周辺には、馬頭観音さんを本尊とするお寺が集中しているのです。

(つづく)