サントリー美術館で開催されている『天上の舞 飛天の美』展に行ってきました!
13日までの開催だったので、ほんっとーにギリギリ。行けてよかった~~!
あぶないあぶない。
「飛天」と言われると、はて?という方も多いかもしれませんが、仏教世界での天使、みたいな存在のこと。
「空を飛び、舞い踊る天人は「飛天」と呼ばれ、インドで誕生して以来、優美で華麗な姿で人々を魅了し続けてきました。本展覧会では、地域・時代を超えて展開 した飛天の姿を、彫刻・絵画・工芸の作品によってたどります。」(HPより抜粋)
ということですが、日本での仏教美術の表現では、この「飛天」は「迦陵頻伽(かりょうびんが、下半身が鳥、上半身が人の楽神)」として、または、中国の神仙思想風な「天女」として、または阿弥陀信仰の中で「雲中供養菩薩」として表現されたり、本当に多様です。
でも、いうなれば、名わき役なので、これだけ系統だってみられることはまずないと思います。そう言う意味でとてもテーマ性のある面白い展覧会だと思います。
さて。
仏像好き的に外せないポイントは、もちろん平等院鳳凰堂の飛天(国宝)さんと雲中供養菩薩(国宝)さんたちを、東京で間近にみられる、ということですね!
もっとも、実のところ平等院鳳凰堂に実際に行きますと、雲中供養菩薩さんたちは比較的間近で見られるんです。なので、この展覧会でがぶり寄りで堪能しなくてはいけないのは、「ご本尊の阿弥陀如来像の光背(後光を表現したもの。お像の背後にある光の束みたいな部分です)にいらっしゃる飛天さんたち」だ!と言えるんじゃないかと思います。
……あれ?
でも、ひょっとしてサービス精神旺盛な平等院さんは、ひょっとして光背のほうの菩薩さんも下におろして見せてくれてたりするのかな??
ちょっと自信ないですけど^^;、
すみません、未確認。
ともかく、そんな貧乏根性で、光背の飛天さんを中心に、とにかくがぶり寄りで見てまいりましたよ。
ちなみに、光背の飛天さんか、雲中供養菩薩(お堂のほうに取り付けられていた菩薩さん。楽器をもって音楽を奏でています)を見分ける簡単な方法あり!
光背の飛天さんは、金色ですっッ。
ポスターも、それでみますと簡単に分類できますよね!
#あああ、すみません、浅い見分けかたで…
平等院の素晴らしい飛天を間近に見られた、ということはもちろん感動しましたが、個人的におお!と思いましたのは、非常に初期のガンダーラ仏教美術(スワート、1~2世紀)のレリーフでも、すでにこの飛天が表現されていたことです。ギリシア彫刻の影響下で、ガンダーラ美術が発生した、というのはよく聞く話でしたが、この中に搭乗する飛天は、まさに『天使』そのもの、ってかんじでしたよ!
うーん新鮮!
結構見ているはずなんですけど、どうしても脇役まで気がまわらなかったですね、今回ので初めて気づきました。ちゃんと見てなかったなあ。
こういう気付きを与えてくださるのは、本当にありがたいですね。
あ、それからそれから。
法隆寺の飛天像(国宝)も必見。とても有名なお像で、いかにも飛鳥時代の大らかでかわいらしいお像です。
それから私は初見でしたが、有名な川原寺裏山で発見されたという「仏三尊塼仏(ぶつさんぞんせんぶつ)」が素晴らしかったです!このすごいレベルの塼仏が大量に発掘されたっていうんですから、川原寺ってすごかったんだなあ。
ちょっと話がまとまりませんが。
本展覧会は、『天使というモチーフが仏教、アジア世界でどんな表現に拡大され、発展していったか』と見たほうが、よりおもしろがれるかも、と思いました。
「天使モチーフのアジアでの展開文化史」みたいな。
『天使』というモチーフは、なんとなくキリスト教かな?という印象があるかもしれませんが、天使を「羽を持ち空を飛ぶ神のような存在」という意味では、実はとても古いモチーフなんだなあ、と改めて思います。
それにしても、「空を飛ぶ」ということに、いろんな民族が普遍的に憧れたんですねえ。
興味のある方はぜひお早めに!13日までですよ~!
サントリー美術館(1月13日まで開催)
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_5/index.html