沖縄の歴史を感じるのに最適!グスク巡りの前に必ず読むべし!『世界遺産 グスク紀行』/岡田輝雄著(琉球新報社)

私は、沖縄が大好きです。初めて行ったときから、なんともいえぬ親近感を覚え、休みが取れては沖縄へ通い、しまいには沖縄民謡を習ったりしておりました。

私が沖縄に惹かれてしまうのは、どうしようもなく肌に合う、ということもありますが、もう一つ、沖縄の文化がとても魅力的だからだと思います。

特に私が沖縄の歴史にはまるきっかけとなったのが「グスク」です。

グスク、というのは「城」の字があてられますが、城塞(城塞でないものも含むのでちょっと複雑)のことで、北は奄美地方から、南は八重山地方の琉球弧の島々に、200以上あると言われています。

沖縄の中世、グスク時代とも呼ばれる群雄割拠の時代がありましたが(12世紀~)、この時代に多く作られました。

今も、その美しい城壁が残されてまして、さらにいまも聖所として尊崇の対象となっていて、そういう意味では御嶽(ウタキ)と同質、みたいな感じですね。

そうそう、忘れもしません。
初めて行ったのは中城(なかぐすく)でした。

残念ながら写真がありませんが、そのあまりにも美しい城壁にびっくりしてしまい、すっかり興奮して、座喜味グスク、今帰仁グスクと続けて観に行ってしまいました。

ほんとうにもう、そりゃ美しいのですよ!

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こういう時に限って、いい写真を発見できなかったのですが、上の写真は数年後に訪れた、今帰仁グスクの城壁(一部)です。

グスクの魅力は、その石積みの美しさもさることながら、御嶽(うたき)が必ず場内にあるということかもしれません。もう、建物は残っていませんが、ここは「遺跡」ではない。過去のものではなく、いまも、魂がちゃんとあるような気配があるのです。

よく、有名な遺跡を観に行くと、その壮麗な石造建築にウットリしながらも、「ここにはなにもない。過去のものなんだなあ」と感じて、ちょっと物悲しい気持ちになるのですが、グスクにはそれがありません。現役バリバリです。

よく、仏像を動かしたり、修理するときに「御霊抜き」という儀式を行います。これは仏像に宿る仏さんに一度ほかに遷っていただく、という儀式です。修理が終わったり、元の場所に戻ってきたら「御霊入れ」をする、ということをします。
その時の「御霊」にあたるようなモノが、グスクにはいまも変わらず宿っているように感じるんですね。

それは、コワいような、でもあたたかいような不思議な感覚です。

以来、私は沖縄に行くたびに、グスクを巡るようになりました。世界遺産にも指定されましたから、年々整備が進んで、ずいぶん足下も歩きやすくなりましたが、まだまだ昔ながらのグスクも多くあります。

沖縄に入ったことあるけど、グスクっていったことないなあ、という方がおられましたら、ぜひ巡ってみてください!

歴史好きでなくても、なんとも言えない不思議でパワフルな空間で、とても魅力的です。

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そんな方や、もしくはグスクは行ったことあるけれど、詳しいことは知らない、という方に、心からお勧めしますのがこの一冊!

『世界遺産 グスク紀行』(岡田輝雄著)です!!

「紀行」なんて書かれてますと、ライトな感じがしますけれども、ものすごくちゃんとした内容の、学術的な本です。写真も豊富で、説明も丁寧。

グスクを通じて、沖縄の歴史の相当克明なことを知ることもできますよ!

私も、実は久しぶりに、沖縄に行きたいなあ、と思い、書棚を見ていてふとこの本を手に取って、改めて唸りました。すごい本です!

数年前、この本を読んで、もう一度有名どころのグスクを巡りましたが、何度も見てきたはずなのに、気づくことがたくさんありました。本当に深い見方ができたと思います。

ぜひお手に取ってみてくださいね~!

今年こそ憧れの装飾古墳「王塚古墳」を観に行きますよ~~!

昨年からずーっと言っていていてなかなか実行できず持ち越しておりますが、九州の装飾古墳を見て廻る、というのを今年こそやる!と年始に誓いました。

しかし、たいへん悩ましいのは、福岡のあたりと熊本のあたり、二手に分かれてガツンとある、というこの事実なのですよね。

一気に有名どころだけでも…ということはまず不可能。

10日ほどほど休みが取れれば大どころは廻れるかもしれませんが、さすがにそれは難しい。

熊本に行くか、福岡に行くか……。

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(写真;この表紙にありますのが王塚古墳(復元)です。めっちゃかっこいい!!)

より古いとされているほう(熊本)から行くのがいいかな~、と思ってましたが、ふと思いついて王塚古墳の春の公開日は決まったのかしら、と、古墳館にお電話してみました。

そうしましたら、ほぼ4月18・19日になると思います、とのお返事が!

おおおお~!そうなんだ~~!ひゃ~!!!

スケジュール表を見てみますと二泊三日なら行ける、カモ!?

「ほぼ」ということばがかなり気にはなりますが、これでちょっと調整してみよう!!!

##装飾古墳というのは、石室や石棺に装飾を施されている古墳のことで、5-7世紀、特に九州地方に特に多く作られました。関東にも結構ありまして、虎塚古墳が有名ですね。私はこの虎塚古墳を観に行ったことがきっかけで、装飾古墳の美にハッとさせられたのです…。

ちなみに、「装飾古墳データベース」というすごいサイトがあります。九博さん製作!ぜひ覗いてみてください。大変な労作です!

装飾古墳データベース
http://kyuhaku.jmc.or.jp/

ついに買ってしまいました!『歴史手帳2015』(吉川弘文館刊)

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数年前から、歴史ものの企画を担当させていただくこともあり、吉川弘文館さんの『歴史手帳』を買うかどうか、毎年迷っては、やめる、ということを繰りかえしてまいりました。というのも、これまでの歴史手帳は、わたしにはちょっと小さすぎて使いづらそうだったんですよね。

あまりにも充実した付録の数々は、あまりにも、あまりにも魅力的ではありますが、しかし普段使う手帳として考えますと、ちょっと二の足を踏んでいて、写真のようなトラベラーズノートブックシリーズを使ったりしておりました。

ところが、今年は、なんと60年ぶりの改定で、文庫サイズまで大きくなって登場したではありませんか~!!!

ううう、もうすでにトラベラーズノートの2015を買ってしまっていたので、本当に悩みましたが、……手に取ってみますと、わあ、もうやっぱりいいわ。買うしかないわ、と観念しました。

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(まずこの左ページの一寸二寸がセンチメートルとは微妙にずれてるところに、ハートを射抜かれますよね)

細かい話ですが、私が「おお!」となった付録は…
改定版の今年から新しく追加されたという「官職の唐名」「名数表」「異体字」など。これはもう理屈じゃなくみてるだけで楽しい。

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「近世宿駅一覧」「度量衡換算表」「国宝史蹟一覧」「官位相当表」「日本歴代表」なんかは、仕事でかなり使うことになると思います。これらはいつもはネットで検索したり、辞書でその都度確認したりしてるんですけど、手帳ですでにあるというのはいいな。外出時には絶対役に立つ……。

そして、やっぱり魅力的なのは、この週スケジュール表の右ページにある行事一覧ですよね。これは前からありますけど本当にすごい。
20141213-2楽しいなあ。

本当にこの手帳、楽しいですよ!

ここ数年使ってきたトラベラーズノートシリーズもシンプルでいいんですけどね。でも来年はこちらをメインに使うことにしようと思います。

この情報をもとに、旅の予定を立ててもいいなあ。ワクワク!