ニホンオオカミを知りたい~下調べの巻~

ニホンオオカミをめぐる物語
ちょっと前の話。 NHKのETV特集で『見狼記』というドキュメンタリーが放映されて話題になりました。
*NHK・ETV特集『見狼記』 http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0219.html

日本全国に生息していたニホンオオカミは、100年ほど前に絶滅したとされてます。
でも、今も絶滅してないと信じて追いかけ続けている人もいれば、本当にいるかどうかは関係なく、先祖からのオオカミ信仰を今も伝えている人々もいます。 この番組は、ニホンオオカミを取り巻く状況、人々を、そのダークな部分も含めてうまく編集されていて、とても面白かったのです。
そんなわけで、私はがぜんやる気になってしまいました!
番組の中で、とても不思議な神事を行っているオオカミ信仰の神社が紹介されてました。 それは、埼玉県北部の寄居町にある「釜山神社」というところ。 実はオオカミ信仰といえば三峰神社@秩父ってかんじで、三峰神社が有名なんですけど、この釜山神社のことは全然知りませんでした。 とはいえ我が家から車で一時間くらいでいけます。 これはいくしかないですよ!!
でも、一人で行くのは心細い。…きっと物淋しい山奥の神社だし。
そう思った私は、変なとこ行くときには、絶対この人はウンと言ってくれるステキな友人で元同僚のSさんにメール。さらに、山岳や秘境の映像ドキュメンタリーを制作しているKさん、生物の図鑑を作っている面白好き編集者Yさんにもメールメール。 思った通り、全員即レス。 面白いのは全員その番組をきっちり見ていたこと。さすがのアンテナです。
「あの釜山神社にいってみませんか??」その私の一言に、説明も必要なくOKしてくれたのでした。さすが過ぎる…

とりあえず平岩米吉著『狼―その生態と歴史』を読む

『狼―その生態と歴史』(平岩米吉著・築地書館)。世界中に生息するイヌ科の動物から、ニホンオオカミの歴史・民俗誌的アプローチまで網羅していてすごく面白い!なんといってもすごいのは、平岩さんはいろんなイヌ科の動物を実際飼って観察をしているところ。明治男ってホネブト!

試験前にはいつもぎりぎりに丸暗記しようとするタイプな私。その習性は今も変わりません。とりあえず、ニホンオオカミについて付け焼刃で何冊か読んで詰め込んだろ、と思って探したところ、この本に行きつきました。
著者の平岩さんは明治生まれ。1986年には亡くなられてしまってます。在野の研究者で、全部独学。日本犬・オオカミ、日本猫の研究・保存、またそれを取り巻く文化を研究した方だそうです。そういえば、昔日本犬について調べていたときに、何冊か拝見したことがあったな~。
この本によりますと、ニホンオオカミは、日本犬の中型のオスくらいの大きさだったみたい。
ちょっと大きめの柴犬よりも一回り大きいくらいってかんじでしょうか。日本犬よりも耳が丸くて小さく、吻も短かったらしい。 色味は茶色ベースで黒毛が所々入る感じ。夏毛と冬毛の色味はかなり違ったらしい。

私たちが、「オオカミ」と聞くと、ハスキーとかアラスカンマラミュートをもっとシャープにしたようなオオカミを想像すると思いますが、ニホンオオカミはもっと小さいし、ちょっと別の動物って感じです。 実際、写真を見てみても、え?ってくらい小さく感じます。

ニホンオオカミの図。シーボルトが入手し、シュレーゲルが描いた『日本動物誌』から(『狼』(平岩米吉著)P202より引用)。

ずいぶん細身で小さいですよね。平岩さんも、この絵のオオカミはだいぶ小さい部類だと言ってますが、でも、私たちがオオカミと言われて連想するイメージよりも胴長で小型だったのは間違いないようです。

神としてのオオカミ

秩父、三峰神社に残る神狼図。狼はオオクチノマガミと呼ばれる神だった。(『狼』(平岩米吉著)P95より引用)

この姿をみてしまうと、少々説得力がないですけど、古来から「神のお使い」、または神として祀られていました。「大口真神(オオクチノマガミ)」と呼ばれます。
農業をする人にとって、作物を荒らしてしまう野生動物を殺してくれるオオカミはありがたい神であり、恐れるべき山の王者だったのですね。
特に、中部・関東ではオオカミ信仰が盛んでした。その中心地は、秩父の三峰神社。有名なのは奥多摩の武蔵御嶽神社、そして今回訪れようとしている釜山神社です。

江戸時代には関東の各地で「オオカミ講」が盛んに行われました。三峰神社などにお参りして、オオカミのお札をいただくと、一枚につき50戸の火難・盗難防止ができるというんですね。番組では現在もこのオオカミ講を行う、集落をいくつか紹介していました。今もその信仰は脈々と生きているんですね。

(~釜山神社の巻~につづく)


ペンギン好きにはたまらない!ペンギンキャンプ2012@埼玉県

今、まさに逃げ出そうとしているペンギン氏。

埼玉県こども動物自然公園には「ペンギンヒルズ」という展示があります。波のたつプールと人口の営巣地があり、そのエリアに私たちも入ることができるのです。
運がいいと、足もとまでフンボルトペンギンがやってきたりするんですよ!もーたまらん。

人間の出入りを狙って脱走を企てている猛者もいます。
またその姿がかわいらしいんですよね。

さて、そんな素敵な場所で、なんとナイトキャンプが開催されるそうです!
営巣地の近くにテントを張ってそこで寝られるそうですよ!すごいなあ。
事前の申し込みはが必要なので、興味のある方はぜひ申し込んでいってみてください。

詳細はこちら!→http://www.parks.or.jp/sczoo/event/index.html

開催日時:2012年11月3~4日
場所:埼玉県こども動物自然公園
料金:8000円

マヌルネコに会いたい

モンゴル語で、「小さい山猫」という名前のヤマネコ。 中央アジアに生息していて、ネコ科の動物の中で最も古い種なんですって。

私は以前、よく上野動物園に遊びに行っていましたが、そこでぐるっと回って一番最後の夕方ごろ、このマヌルネコのゲージの前にたたずんでニヤニヤするのが定番でした。

なんといっても、まずこの顔!ヤマネコらしい精悍さ…と言いたいところですが、耳がものすごく下のほうについていて横長な丸顔なので、なんかお間抜けでかわいい。

 そして、寒さに対応するために発達した密度の濃い毛並みと丸々とした尻尾!まるでデフォルメしたかのようなラインに見事なシマシマ! 昔、タヌキのイラストを描こうとしたら、こんなシマシマのしっぽをよく書いてお茶を濁したもんです。

今年、埼玉県こども動物自然公園では、マヌルネコの赤ちゃんが生まれましたが、育児放棄のため、日本で初めての人工飼育をしたそうです。結果、数匹は残念でしたが、一匹は見事に生き延び、現在絶賛公開中!
私も公開日初日に見に行ってきましたが(写真はその時の写真!)

赤ちゃん。かわいかったですよ!
先週、再び見に行ってきましたが、もうすっかり大きくなっていて、あどけなさはだいぶなくなってましたが、相変わらず愛らしい表情を見せてくれました。9月23日まで名前を公募していたとのことなので、そろそろ名前が決定するかな??

埼玉県こども動物自然公園
http://www.parks.or.jp/sczoo/index.html
東武東上線高坂駅下車、バスで10分ほど。