これまでの編集者人生を振り返ってみて、後悔することは数限りなくありますが、その中でももっともヌヌヌヌ…という気持ちになるのは、ある本の出版権を一歩の差でとることができなかったことなんです。
その本は…
『The Deep』クレール・ヌヴィアン著
この本です!!
く~っ。今思い返しても悔しい。
実は、この本の存在を教えてくださったのは、カイメン学者のIさん。
たまたまこんな本が出たんですよ、と見せてくださって、私は一瞬にして釘づけになりました。
英語はよくわからないので、Iさんに、「わわ!?なにこれ、めちゃくちゃきれい!これはなんていう生物?」と一つ一つ教えていただきながら(贅沢!)、拝見したんです。
いやあ、ほんと。興奮したなあ。
だって、本当にきれいで面白いんですもの。
すっかり興奮した私は、翌日出社して上司にこの本のことを話しました。
まだ出版されて数カ月、版権をとってこの本を出版できないでしょうか?とモジモジ言う私。上司は、私の何倍も海洋生物を愛している人なので、「すぐ電話しろ、すぐすぐ!」と背中を押してくれました。
しかし。
タッチの差で、ほかの版元さんと契約交渉が始まってしまったことが分かりました。そして、その後契約もされたとうかがい、本当に、本当にがっかりしてしまいました。
はあああ。
今もこの写真集を眺めては、そのことを思い出し、ちょっと悲しい気持ちになるのです。
それから、早いもので10年が経ちました。
その後、日本中に深海生物ブームがやってきました。沼津に深海生物専門の水族館ができたりして、すっかり定着したような気がします。
というわけで、『深海』と思いうかべただけでここまで前置きが長くなってしまう私なのですが、ここからが本題です。
いよいよ来月11日から『深海2017』展が開催されます~!いえ~!
前回の『深海』展ではとにかくダイオウイカ推しだったような気がしますが、今回は「生物発光」「巨大生物」「超深海」にフォーカスして構成してるんだそうですよ。
ぜひとも観に行かねば!ですね!!
私は、夏休みはちょっとはずしたいので、9月になってからみに行こうと思っています。
特別展『深海2017』@国立科学博物館
会期:2017年7月11日~10月1日