「鎌倉密教~将軍護持の寺と僧」@金沢文庫開催中(~10/8)

金沢文庫で、「鎌倉密教」の特別企画展が開催中!

鎌倉幕府は、禅宗の気配が濃い気がしていたけれど、もちろん密教も濃く入っている。武家にとっての都であった鎌倉を護持するため、神事や密教の修法を行ったとのこと。鎌倉時代の関東密教を知るいい機会。だけど、明後日までということでイチモリはいけません。
誰か感想を教えてください!

中世歴史博物館 神奈川県立金沢文庫 http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

レキベン的体験~始まりの話~

歴史の本との幸福な出会い

世代的なこともあるかもしれない。地域的なこともひょっとしたらあるかもしれない。でも、私の限られた体験の中で、大きなエポックメーキングと思っているのは、網野善彦さんの著作との出会いだった。

子供のころから、歴史的な物語が大好きだった。隣の席の男の子の名前は覚えられなくても、古代の王族の名前なら覚えられた。その傾向は高校生になっても続く。 読む本は、古典を現代語訳したものや、神話や民話が多かった。ある日、ふと気付いたのは、「生きている作家」の本をほとんど読んだことがない、という事実だった。これには我ながらちょっと引いた。いくらなんでもそれはないでしょう。

そこでたまたま、手に取った本が、隆慶一郎さんの歴史小説だった。女子高生なのに我ながら渋いセレクトである。もう、おわかりだろう。そしてその次に進んだのが、網野善彦さんの『無縁・公界・楽――日本中世の自由と平和』(平凡社)だった。

私はこの本と出会い、視界が開けて、世界がパーっと明るくなったような気がした。 「そうだよね!中世にもやっぱりいろんな人がいろんな生き方をしてたんだよね!」 そう一人合点して、一人舞い上がった。当時、周囲から浮いてしまう自分に悩んでいた私は、「いろいろいて、それが豊かなんだ。」そう思わせてくれたこの本に、心から感謝した。 今読むと、必ずしもそういうことが書いてあるわけじゃないんだけど、読者は自分に引き寄せて読むから、それでいいんだろう(と思いたい)。

この本との出会いが、今思えば私の「レキベン的体験」の始まりだった。 きっと勝手な読み方をしている。場合によっては思い込みで間違えているかもしれない。でも、歴史家の本を読んだその時間だけは、一瞬今の時間から解き放たれて、とても幸せな気持ちになれるのである。その瞬間を私は愛してやまない。

だから、一生懸命歴史の本を読む。そして時に現地を訪ねる。時に講演会を聞きに行く。歴史小説や時代小説も漫画もできるだけ読みたい。何かを気づかせてもらえるかもしれない。

「レキベン」は「歴史をいつまでも勉強する」の略だ。いつまでたっても勉強は終わらない。終わらないことが嬉しい。死ぬまでずっと勉強できるなんて、やっぱり幸せなことだなあと思う。

むとういくこ拝

恒例、奈良博の「正倉院展」は10月27日から!

一日動員数世界一を誇る、毎年恒例奈良博の「正倉院展」。
今年もこの季節がやってまいりましました。
今年の必見は、だれもが歴史の資料集で目にしたことがあるであろう
「瑠璃杯(るりのつき)」かな~。個人的には!

奈良国立博物館「正倉院展」
開催【2012年10月27日~11月12日】http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2012toku/shosoin/2012shosoin_index.html