「今年は、慶派イヤーだね」
今年は、年賀状でそんな言葉を書いてくださった先生がいらっしゃいましたが、仏像ファンにとってはまさにたまらない「慶派イヤー」、到来中ですね!
春は奈良博さんで「快慶」展。
秋は東博さんで「運慶」展。
昨年作成されたチラシは、裏表でその二つを印刷されていて、そりゃもうかっこよくて、ワクワクしちゃいました。
どちらが裏表、というわけではありませんが、一面はこの快慶展。そして…
もう一面は、「運慶」展、と!
いずれを飾るお像のセレクトも、むむむむ~、さすが、そうですよねえ、というお像です。
快慶さんならではのいかにも「安阿弥様(あんなみよう)」の阿弥陀如来立像@遣迎院。
そして、
あまりに有名な運慶さんの無着(むちゃく)菩薩立像@興福寺。
か~!たまりませんよね!
……そしてあっという間に2017年。
奈良博さんの「快慶」展が始まってしまいました。
会期はあまり長くないですよね。もう行かれましたでしょうか。油断してると見損ねてしまう!と焦りながらもなかなか日程が定まらず、ひやひやしましたが、私も先週ようやく拝見することができました。
「慶派」とは?
ところで、改めて「慶派」とは何かについて、少しおさらいしておきましょう!
すごくすごくざっくり言ってしまえば、鎌倉時代初頭に活躍した奈良仏師・康慶(こうけい)を始まりとして活躍した一派を言います。
運慶は、康慶の実子で弟子、快慶も康慶の弟子の一人なんですね。
康慶は、奈良仏師の中でも傍系でしたが、南都焼討(治承・寿永の乱)で燃えてしまった東大寺・興福寺の復興造像を、息子や弟子たちとともに請負い、大活躍。幕府要人の仕事もを多く手がけました。
そして、さらに運慶や快慶は、その仕事をさらに発展させ、それぞれが、より本質的でかつ斬新な彫刻様式を確立しました。
それにしても鎌倉時代というのは、すごい時代です。
動乱の時代そしてその後の安定期――こういう時代の転換期には、あらゆる分野で天才が出現するんですね。
仏教も、今も日本仏教の多数を占める多くの宗派がこの時期に誕生しました。この時代の凄い人を並べてみると、「え?この人とこの人が同時期に生きてたなんて、いったいどんなすごい時代なの?」と驚いてしまいます。鎌倉時代とはそんなすごい時代です。
そういう意味でも、仏像造像分野もその例にもれません。
「運慶」と「快慶」。
この二人の巨人が同じ時代を生きた、しかも同じ師匠をいただき、さらに一緒に東大寺や興福寺の造像をしたなんて、ほんとすごいことです。
立場から言うと、運慶のほうが師匠の息子で、跡を継いでますので、快慶は一歩下がっている感じではありますが、それはそれ。
二人の巨人が目指す方向ははっきり違いますから。
今回のこの二つの展覧会は、まさにそのことを明らかにする、という意図もあったのではないかと思います。
(つづく)
初めまして 康慶さんの弟子について調べています。運慶、快慶以外の数名ですが詳しく残っている年譜などありますか?
興福寺鎌倉時代の仏像と仏師です。
よろしくお願い致します。
山村さん、初めまして!
コメントありがとうございます。
私は専門家ではないので学術的なことは門外漢です。
お役に立てるかわかりませんが、一般的な範囲でしたらということで。
山本勉先生の著作物、すでにご覧かもしれませんが、
『仏像 ~日本仏像史講義』(別冊太陽、平凡社)などを
ご覧になると、康慶周辺の仏師のことも掲載されているかと。
(年譜は載ってないですが^^;)
山本先生が、この本の巻末に参考文献を載せてくださってますので、さらに掘り下げたい時には、その文献にあたっていかれることをお勧めします!
ご参考までに!
ありがとうございます
探して読んで見ます
どうしてもお弟子さんのことを調べたいので
参考にさせていただきます
快慶展
奈良には行けませんが
東京の運慶展は何度も行く予定です
本当に楽しみです
ありがとうございました。
心より感謝致します。
ぜひ読んでみてください!
山本先生のご本は本当に勉強になりますよ~!
運慶展、ほんと楽しみですね~♪
おはようございます。
投稿拝読させていただきました。
大変勉強になります。
私は詳しくないのですが
仏像が好きです。
30年程好きな仏像に会いに京都奈良へ
一人旅をしております。
大きな本屋さんに上記の本が
あることを祈ります。
ありがとうございました。
読んでいただいてありがとうございます!
私も仏像が大好きなので、山村さんと同じように
京都と奈良に通っています!
ぜひまた本サイトも覗きに来てくださいね~!