file.100 春日庵の「さつま焼」

いちにちいちあんこ

なんと、全然気づいていなかったのですが、今回がなんと100ファイル目を数えます!
わああ、いろいろ食べてきたなあ、私。

とはいっても、「いちにちいちあんこ」というミッション?は誰に求められるまでもなく、日々実践しておりますが、それで考えますと、100というのはちと少ないと思われますよね?
言い訳してしまいますが、けっこう重なってしまったり、コンビニのあんぱんだったり、と、ご紹介するに及ばない、というものもたくさんいただいてるんですよ~。ほんとに~~。

さて、そんな言い訳はともかく。

計らずとも、そんな記念的な回にご紹介しますのは、奈良市のならまちエリアにある名店、春日庵さんの「さつま焼」です!!

実は先週末、大阪出張に前入りして、奈良に一泊してきました。

久し振りに、薬師寺さんのMさんにご挨拶しよう!と思い、今回は前もってご相談。すると、お目にかかれる、ということになりました!
#Mさん、お忙しいのにすみません~!

そして、贅沢にもMさんの御案内で、現在特別公開されている西塔を拝観させていただき、さらには食堂(じきどう)再建のための、瓦奉納もさせていただいたりしました。
この様子につきましては、また改めまして、ブツタビにてご報告したいと思うのですが…。

Mさん、私のこのサイトもたまに覗いてくださっているとのことで、

「むとうさん、奈良で美味しいあんこってな~んだ」

と満面の笑顔で前振り。
ううう、またなんて難しいお題を!

いつもの十倍くらい、小さい脳みそをフル回転させましたが、ついつい、「たくさんありますけど、有名どころのぶと饅頭とかでしょうか」とお答えしてしまいました。

すると、Mさん。
ふっと微笑まれて、紙袋からとりだされたのが…

春日庵さんの「さつま焼」~~!!

あああ、そうでしたそうでした!
さつま焼もありましたーーーー!!

と思わず叫ぶワタクシ。すみません、いきなりはずしてしまいました~!(涙)

なんと、春日庵さんの御主人とお友達だそうで、私が来ると言うので、わざわざご用意いただいていたとおっしゃるのです。ひやああ、恐縮です!!でもめっちゃうれしいです!!

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さっそく大阪のホテルについてから、いそいそと紙袋からこちらをとりだしました。
夕方の打ち合わせの前に、ちょっとばかりおやつをば…
IMG_2136お包みがまた可愛いですよね~~。
あったかい気持ちになります!
IMG_2138きゃ~~!いっぱい入ってる~~!

いつも私が買うときは、元興寺さん周辺を散策中にいただくので、一個か二個。
そういえば今まで箱で買ったことなかったなあ。

IMG_2140ちょっとライティングは黄色いですね。
なぜなら、ビジネスホテルの小さな机のライトでとってるもので、ね…^^;;
自宅に持ち帰るまで待てなかったんですよねえ。

IMG_2141さて、包みを開きますと、こんな感じです!
実は、「さつま焼」は、「サツマイモをかたどった」和菓子で、お芋は使われていないんです。

北海道産の小豆のこしあんを小麦粉と卵の生地でくるんで、竹串に刺して焼き上げたもの。
断面を見てみますと…

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こんな感じです。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、真ん中に少し穴が開いているのがわかりますでしょうか。これがその串の証、ですね。

そして、こしあんがほくほくとしていて、ホロリと解けます。まるで美味しい薩摩芋のような食感!でも味はものすごく美味しいこしあん!
甘さもしっかりとあり、香ばしい皮と絶妙なコンビネーションです。
明治30年から作り続けてこられたとのことですが、当時、さつま焼はかなりハイカラで贅沢なお菓子だったのではないでしょうか。

打ち合わせ前に、抑え気味に二個、一気食い♪
もっともっと食べられる心もちでしたが、会食もあるし、と思いぐっとこらえました。
ワタシ、大人になったわね。ホント。

Mさん、ご馳走様でした~!
そして、お忙しい中お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
ぜひまた、お目にかかれましたら嬉しいですっ!

春日庵
http://www.kasuga-an.co.jp/

 

おけら長屋のお節介は、ついに幽霊にまで!?巻を重ねてますます絶好調の大好評シリーズ第五弾登場!『おけら長屋(五)』/畠山健二著 

2013年7月からスタートした大好評シリーズ『本所おけら長屋』。3月と9月、年に二回のペースで刊行を重ねまして、ついに第5弾の登場です!

私も第二巻より、編集のお手伝いをさせていただいておりますが、回を重ねるごとに、先生の筆は冴えわたり、すっかり自分自身も、お江戸・本所に実在する人情長屋にいるような心地になっております。
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毎巻、「裏テーマ」を決めるとおっしゃる畠山先生。
今回の裏テーマはと言うと「ファンタジー」とのことなんですね。
どういうことかと申しますと、今回はちょっと不思議な出来事が物語を動かすキーになっているのです。
例えば、第一話「ねのこく」では、幽霊が登場しますし、第4話の「まさゆめ」では、夢の中で起こったことが現実に影響して…、といったかんじです。

拝読していて、さすがだなあ、と感心してしまいますのが、おけら長屋の連中にかかりますと、幽霊までお節介の対象になる、ということ。
最初はこわがってるんですけど、だんだん幽霊の身になってしまい、「どうにかしてやろう」となるのです。そこがまたたまらなくいいんです。

そして、今回も女性読者に大人気の、「殿様」こと、津軽高宗さんも再登場しますし、どのお話しも素晴らしく面白いのですが、私が特に好きなのは、第五話「わけあり」です。
第4巻の最終話「あやかり」で登場した、めちゃくちゃかっこいいお婆さん「お熊さん」が、再登場するんです!

先生が描く女性は、かっこいい人が本当に多いと思うんですよね。気風が良くて、思いやりがあって、かわいらしい。お熊さんも、まさにそんな女性です。
お熊さんの生業は「金貸し」です。でもただの金貸しじゃない。貧乏人に貸す金貸しなんです。ほとんど利子もつけないし、回収し損ねることも多いように思える、お熊さんの金貸し。
なんでそんなことができているのかが、今回明らかになります。そして、お熊さんがどんな人生を歩んできたかも……。

人生、決して良いことばかり起こる訳じゃない、でも、やっぱり精いっぱい生きるっていいなあ、人間っていいなあ、と改めて思えるお話になっているように思います。

「どの話が好き」が、人によって分かれるのが『おけら長屋』の真骨頂。皆さんも、ぜひお手にとっていただき、好きなお話を見つけてください!

(むとう)

file.99  永井久慈良餅店の「久慈良餅」

いちにちいちあんこ

久しぶりに青森を旅してきました。20代前半、とある出版社で営業部員だったとき、青森担当だったので、そのころには何度かいってるんですが、それ以来の再訪なので、ほとんど20年ぶりの青森です。

青森に行くにあたって、あんこにも出会いたいと思い、ネットなどで探してみたのですが、あんこものの名物があまり見つかりません。

……なぜだ~!東北なのに!!!

すみません、ついつい叫んでしまいました。

と申しますのも、東北各県、北陸各県は、どこに行ってもあんこものが美味しく、お餅も美味しく、いわゆる〔名物〕というものの中には必ずと言っていいほど、あんこものが入っているものなのです。

なので、なんでも食べ物が美味しそうな青森にもきっとたくさんあるはずだ!と思って期待を込めすぎたかもしれません。ちょっと残念な気持ちになりました。

正直言って、あんこと言うよりはりんごなんですよ。林檎のお菓子は本当に無数にあるんですよね。

それはともかく、浅虫温泉という温泉地に宿をとったので、浅虫の名物に何かないかなあ、と探してみますと……、

おおお!ありました!
「久慈良餅(くじらもち)」というのが!

調べてみますと、このお持ちを製造しているお店は4つあるみたいですよ。「永井久慈良餅店」さんというお店のHPを発見しました、どれどれ……

……あ。
これ、お餅だな…
胡桃は入ってるけどあんこ入ってないな…

と、ちょっとがっかりして成分をよく見てみますと。

おおおお!?

「主原料である上質の津軽米を製粉し、吟味したこし餡・砂糖等を混合して蒸し上げた薄い小豆色をした蒸し菓子です。」(HPより引用)

お餅ですけど、【こし餡】はいってる~~!!

よし、これは特別にあんこものとしていいとしよう!
(えらそう^^;)

そんなわけで、浅虫温泉にてゲットしました~!
帰宅してからさっそくいただきます。

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こちらが、久慈良餅です!!
お店ではほかにも、練り羊羹や昆布羊羹(!?)と言った、ずばりあんこものもありましたが、やはりお店の名前にもなっているこちらを買ってしまいました。

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開いてみますと、こんな感じです。
薄いこしあん色。雰囲気としてはういろうに近いような気がするなあ。

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ちょっと切ってみましたよ。

ういろうのような、…いやでもちょっとちがうかな。「スアマ」のような感じ。いえ、その二つのちょうど真ん中へん、といったほうがいいかな。

味のほうは、ほのかな甘みが、すごく上品!
わあ、これは美味しい!

こしあんの味がするかと言うと、その気配を感じるのはすごく難しい。でも優しい甘さと風味のむこう、微かに気配を感じますね。胡桃が結構強いアクセントになっています。

いや~、ちょっと驚きました。名前からして、ダイナミックなお味を想像したりしておりましたが、ダイナミックと言うよりは、非常に繊細で上品。

日持ちがしないということで、自宅用のものしか買えませんでしたが、甘いもの好きな友人にはぜひお土産であげたい、そんな美味しい和菓子です。

青森に行かれた時には、ぜひゲットしてくださいね!
浅虫温泉まで行かなくても、青森駅前にも出店があるみたいですよ~!

ちなみに、永井さんで一緒に買った「板かりんとう」も激ウマ!でびびりました。
おすすめです!

永井久慈良餅店
http://www.kujiramochi.jp/index.html